満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

イスラームにおける死とは

2010-09-24 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم



質問 :イスラームにおける死とは?

回答:死とは、この地上での生が終わることであり、実際にこの世に生きるすべての創造物が体験することです。体は消え、土に溶け、何も残りません。そして魂だけが他の世界で最後の審判まで残る事になります。この世界のことを「墓の中の世界」と言います。
アッラーは、これについてこう仰っています。

【本当にあなたは、いつかは死ぬ。彼らもまた死ぬのである。】 39集団章 30節(日訳P571)
【誰でも皆、死を味わうのである。】 3イムラーン家章 185節 日訳P89

質問:では、実際には誰の手の中に死というのはあるのでしょうか?誰が魂を抜き取るのでしょうか?

回答:生かせ死なせるお方、そして彼の手の中に生と死があるお方は至高なるアッラーのみで他の誰もそれに参加しているものはないとムスリムは確信していなければなりません。

アッラーはこう仰っています。

【天と地の大権は彼の有(もの)である。彼は生を授け、死を授ける。】 57鉄章 2節(日訳P676)

【アッラーは、(人間が)死ぬとその魂を召され、また死なない者も睡眠の間(それを召し)、かれが死の宣告をなされた者の魂はそのままに引きとどめ、その他のものは定められた時刻に送り返される。】 39集団章 42節日訳P573

そしてアッラーには「死の天使」という死の仕事をする専任の天使がいます。彼の仕事は、寿命が尽きた命を死なせる事です。アッラーはこう仰っています。

【言いなさい。「あなた方を受け持つ死の天使があなた方を死なせ、それから主に帰らせる。」罪を犯した者たちが主の御前にうなだれて、「主よ、私たちは見ました。聞きました。私たちをお返しください。私たちは善い行いをいたします。私たちは、本当に悟りました。」(と言う姿を)あなたに見せてやりたいものである。】 32アッサジダ章 11-12節 日訳P506

アッラーの命令によって魂を抜き取るとき、この死の天使と共に多くの天使たちがいます。

アッラーはこう仰いました。
【死があなた方の一人に臨(のぞ)むとき、われが遺したもの(天使たち)は(わが命令に)怠慢ではない。】 6家畜章61節 日訳P158

質問:死後、何がありますか?

回答: ムスリムは、この世とあの世の間に「墓の中の世界」という中間の世界があることを確信していなければなりません。この世界は、死と最後の審判の日までの間の世界です。

アッラーはこう仰いました。
【だが死が訪れると彼らは言う。「主よ、私を(生に)送り返してください。私が残してきたものについて善い行いをします。」決してそうではない。それはかれの口上に過ぎない。甦りの日まで、かれらの後ろには戻れない障壁(バルザフ)がある。】 信者たち章 99-100節

質問:墓の中の世界では、何がありますか?


回答:墓の中の世界には、この3つがあります。
①天使二人による質問  ②墓の圧迫  ③墓の恩恵とその罰

①天使二人による質問:アッラーは、死後、人間に天使二人を送り、彼の人生についての基本的なことを聞きます。

その質問は、「あなたの主は誰ですか?」「あなたの宗教は何ですか?」「あなたたちに遣わされたこの男(預言者ムハンマドさま(صلى الله عليه و سلم)について何を言いますか?」 です。

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はこう仰いました。
≪アッラーは、こう仰いました。【アッラーは、この世においても、またあの世でも、堅固なお言葉で、信仰する者たちを確立させる。】14イブラーヒーム章27節 日訳P310 
墓の中の罰について下りたアーヤ(クルアーンの節)であると言いました。(墓の中にいる人は)こう聞かれます。「あなたの主は誰ですか?」そうしたら、こう応えます。「私の主は、アッラーで、私の預言者は、ムハンマドです。」 ≫ アルブハーリーとムスリム出典

②墓の圧迫 : 墓の中で圧迫を受ける事で、これは墓に入っていても入っていなくても死んだ人に起こります。本当のところはアッラーのみがご存知ですが、不信者に対しては、とても厳しい圧迫で、信者に対しては軽いものです。

③墓の中の恩恵と罰 : これも②と同様、墓に入っていてもいなくても、例えば死体を海に流したりしていても、すべての死んだ人が体験することです。

アッラーは、こう仰いました。

【あなた方は、われが、悪行を追及する者を、信仰して善行にいそしむ者と同じに扱うと思うのか。生(この世)と死(あの世)が同じであるとでも思うのか。彼らの判断こそ誤算である。】 45ひざまづく章21節日訳P622

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は二つの墓を通り過ぎるとき、こう仰いました。 

≪本当に彼らは、罰を受けています。≫ムスリム出典

墓の中の恩恵については、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が信者の墓についてこう仰いました。

≪70日の間に墓の中の彼のために70ズィラーア(腕の長さ)広がり、彼のために墓の中が光で照らされます。≫ ティルミズィー出典

質問:墓の中の世界の後には、何がありますか?

回答:ムスリムは誰でも、墓の中の世界の後に「来世」と呼ばれる世界があることを確信しなければなりません。

 死というのは、まったく恐れるに値しません。ただ、私たちを本当に恐れさせるものは、私たちのした行いです。今日は行いがあり、それに対する精算はありません。しかし明日には精算があり、行いはもうありません。私たちは、間違いを犯したとき、その間違いが大きいか小さいかを考えるべきではありません。そうではなく、本当に考えるべきことは「自分が誰に対して不服従な行いをしたのか?」ということです。

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام



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