満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

死後におこること

2010-09-24 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم



前回は、インシャーアッラーこれから私たちが全員必ず行くバルザフ(墓の中)の世界についてお話しましたが、今週はその続き、バルザフの世界の後に私たちが体験する最後の審判についてです。


質問: 死が訪れる時間は、遅れたり早まったりすることがありますか?

回答: すべてのムスリムが、確信していなければならないことに、死の瞬間というのは、遅れたり早まったりすることがまったくないということがあります。例えそれが殺人のような人の手によるものであったとしても、殺人犯が、殺害された人の死を早めたというわけではなく、実際には殺害された人は、アッラーがお望みになられた時間に亡くなっただけなのです。

アッラーは、こう仰いました。
【それで、かれらの時期(死の時期)が到来する時は、一刻も遅らせたり、早めたりはできない。】
16章蜜蜂章 61節 日訳P330 

【定められた時がやって来た時、アッラーは誰にも猶予を与えられない。】 63章偽信者章 11節 

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、仰いました。

《神聖な天使が、私の心に告げたことには、本当に、どんな魂も、その富と寿命を完全に終えるまでは、死ぬ事がありません。》 イブンハッバーン出典

質問:墓の中の世界の後には、何がありますか?


回答:ムスリムは、誰でも、墓の中の世界の後に、「来世」と呼ばれる世界があることを確信しなければなりません。それは、私たちが今生きているこの世の後にあり、その証として、様々な出来事が段階を追って、起こります。

① 来世の兆候     ② 最後の審判の日     ③ 復活の時

質問: いつ最後の審判の日が起こりますか?

回答: ムスリムは誰でも、最後の審判の日や復活の時がいつ起こるのかは誰にも知らされていないこと、アッラーのみがご存知のことだと確信しなければなりません。預言者たちや使徒たち(عليهم السلام)にさえ、それは知らされず、また天使やジンやどんな創造物にも、知らされてはいません。

アッラーはこう仰いました。
【彼らは最後の審判の時について、いつそれがやってくるのかとあなたに問うであろう。言いなさい。「それを知る方は、ただ私の主だけである。その時(最後の審判)を知らせてくださるのは、かれの他にはない。その時は、天でも地でも重い(重大事)となる。全く突然あなた方にやってくる。」 】 7章 高壁章 187節 日訳P206

【人々は、(審判の】時について、あなたに尋ねよう。言いなさい。「本当にその知識は、アッラーの御許にある。どうしてあなたに分かるだろうか、その時は近いであろう。」】 部族連合章 63節

それが、私たちにとって、近い、ということは告げられていますが、いつなのか?は、アッラー以外の誰にもわかりません。

最後の審判の時とその前兆

最後の審判の時には、それが近づいたという前兆が起こります。それは、3段階に渡って起こります。

① すでに起こって終わっている前兆 : 預言者ムハンマド様(صلى الله عليه و سلم)が遣わされたこと。

② 一部はすでに起こっていて、一部は今もそれが続いており、一部はまだ起こっていない前兆 : これらは、中間の前兆と呼ばれます。信託物(アマーナ)の紛失、殺人の多発、大災難の多発(大地震、火山の噴火など)、婚外交渉の多発など。

③ まだ起こっていない前兆 : 大きな前兆と呼ばれ、クルアーンとハディースによると、それは、10個あります。(例: イエスキリストの再来、太陽が西から昇る、など)

質問: 最後の審判が起こったときには、どうなりますか?


最後の審判が起こったときが、この世に生きるありとあらゆる生物すべてが破滅します。
【その日、われは書き物を巻くように、天を巻き上げる。われが最初に創造したように、繰り返す。これはわれの定めた約束である。われは必ずそれをかんすい完遂する。】21章 預言者章104節 日訳P403

【天が微塵に裂けるとき、諸星が散らされるとき、諸大洋があふれ出るとき、墓場があばかれるとき、それぞれの魂は、すでにしたことと、後に残した事を知る。】 裂ける章 1-5節

質問: 最初のラッパが吹かれるときには、何が起こりますか?

回答: ムスリムは、誰でも、アッラーが、選任した天使に最初のラッパを吹くことを命じると、すべての被造物が、消滅すると確信していなければいけません。

【ラッパが吹かれると、天にあるもの、また地にあるものも、アッラーがお望みになられる者の他は、気絶しよう。】 39章 集団章 68節 日訳P576
【すべての魂は、死を味わうのである。】 イムラーン家章 185節
【かれの御顔の他、すべてのものは消滅する。】 28章 物語章 88節 日訳P481

質問: 2回目にラッパが再度吹かれたとき、何が起こりますか?

回答: ムスリムは誰でも、2回目にラッパが吹かれたら、消滅した被造物が再生すると確信していなければなりません。
【そして、ラッパが吹かれると、かれらは墓場から(出て)、主の御許に急いで行く。彼らは言う。「ああ、情けない。私たちを臥所から起こしたのは誰でしょうか。これは、慈悲深き御方が約束された通りではありませんか。使徒たちの言葉は、真実であったのか。」】 36章 ヤーシーン章 51,52節 日訳P543

これは、復活と呼ばれます。そして、このときには、宇宙のすべてが、今私たちがいる状態とまったく異なった状態になることを、アッラーはこう仰っています。
【大地が大地でないものに変えられ、諸天も変えられる日、人々はいっせいに唯一の御方、全知全能の御方、アッラー(の御前)にまかり出るであろう。】 14章 イブラーヒーム章 48節 日訳P313

質問: 復活とは何ですか?

回答: ムスリムは誰でも、アッラーが、すべての創造物を死なせ、その後また復活させると確信しなければなりません。
アッラーはこう仰いました。
【本当に(審判の)時はやって来る。それについて疑いの余地はない。本当にアッラーは、墓の中の者をよみがえらせる甦らせるのである。】 22章 巡礼章 7節 日訳P406

そして、この復活は、何でもできるお力を持ったアッラーにとっては、とても簡単なことで
す。

アッラーは、こう仰いました。
【かれこそは、まず創造を始め、それからそれをまた元に戻される御方。それは、かれにおいては、とても容易い事である。天と地における、(考えうる)最高の姿は、かれに属する。】 39章 ビザンチン章 27節 日訳P494

【かれら(マッカの多神教徒)は、天と地を創造なされ、その創造に疲れることもないアッラーが、死者を甦らせることくらい、できるとは思わないのか。】 砂丘章 33節

【人間は考えないのか。われは一精滴からかれを創ったではないか。それなのに見よ、かれは公然と歯向かっている。また彼は、われになぞらえる準えるものを引き合いに出して、自分の創造を忘れ、言う。「誰が朽ち果てた骨を生き返らせましょうか。」言いなさい。「最初にお創りになった方が、かれらを生き返らせる。かれはすべての被造物を知り尽くしておられる。緑の木から、あなた方のために火を造られたのもかれであり、だからこそあなたがたはそれによって、燃やす。」天と地を創造なされたかれが、これに類するものを創りえないであろうか。いや、かれは最高の創造者であり、全知であられる。何か望まれると、かれが『在れ』とお命じなれば、すなわち在る。かれにこそすべての称賛あれ。そのみて御手で、万有をとうぎょ統御なされる御方、あなた方は、かれのみもと御許に帰されるのである。】36章 ヤースィーン章 77-83節 日訳P546

質問: この世と来世というのは、何ですか?

回答: ムスリムは誰でも、アッラーが、この世の人生を試験とテストのためにお創りになり、あの世を精算と報酬のためにお創りになられたと確信していなければなりません。

アッラーは、こう仰いました。
【かれは死と生を創られた方である。それは、あなた方のうち、誰の行いが優れているかを試みるためで、かれは威力並びなく、寛容であられる。】 67章 大権章 2節

【あなた方は、われが、たわむれにあなた方を創ったとでも考えていたのか。また、あなた方は、われに帰されないと考えていたのか。】 23章 信者たち章 節 日訳P

【本当にアッラーを畏れる者に対しては、主の御許に喜びの楽園があろう。われは、信心深い者たちを罪人のように扱うとでも言うのか。あなた方はどうしたのか。あなた方は、どう判断するのか。】 68章 筆章 35、36節 日訳P718

あなたが、もし試験会場に入って試験を受けているとすると、その最中は、どんな気持ちで受けていますか?試験中に試験を受けている事を忘れてしまって、ただリラックスして、自分の好きなことをしていたら、試験に落ちてしまうように、この世でただ自分のしたいことだけして、自分が試験中だということを忘れてしまうと試験に落ちてしまいます。学校の試験は、一度落ちても、またやり直す事ができますが、アッラーの試験は一回だけです。落ちてしまったら、もうやり直す事はできません。もう一回この世に戻してください、ちゃんと頑張りますから、と言っても、もう終わってしまった人生は、やり直す事はできません。私たちは、今、試験中だということを忘れないようにしましょう。

勉強会で勉強するイスラームに関する知識は、アマーナ(信託物)といって、アッラーが、あなたに預けている信託物です。アッラーは、こういった知識をあなたから他の人に渡してもらうために、あなたに預けているので、聞いたことは、他の人に伝えなければいけません。もちろん家族に伝えてもいいし、お子さんに伝えるのもとてもいいでしょう。とにかく自分のところでストップしないように、他に伝えていかないといけません。預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のハディースに、知識を伝えられた人の方が伝えた人よりも、よく理解することがあるかもしれませんという意味のものがあります。あなたの大好きな人たちが、もっとアッラーのことを思い出して善いことに向かえるよう、この世とあの世で成功者になれるよう、聞いたことを伝えていきましょう。ここにいる一人ひとりがムスリマである以上自分のことだけ考えていてはいけません。自分の後ろにいる人たちのために、人から聞いた役に立つ知識は、すべて他の人にも伝えていきましょう。

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام




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