満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

人より先に

2007-10-07 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم

「我先に」という言葉があります。
「譲り合い」という言葉があります。

人間がたくさんいるとき、どちらがコミュニティとして平安があるでしょうか。

ただし、お勧めの「我先に」が2つあります。

1.
السلام عليكم
(アッサラーム アライクム)と言う挨拶の言葉

2. 感情的な行き違いがあったとき、「ごめんなさい」という謝りの言葉


ムスリムはالحمد للهどうやって自分も他人も地域社会も穏やかに幸せに暮らせるかの指針を、アッラーの御言葉(聖クルアーン)と我等が指導者ムハンマドさま(صلى الله عليه و سلم)の言行(ハディース)によって、いただいています。

40のハディースの第13の伝承にこう書かれています。

《「自分自身を愛するように兄弟を愛するまでは誰一人信者ということはできない。」》

自分がして欲しいことを人にしてあげる、自分が望むことを人にも望むことは、愛情という絆で信頼関係を結べないとできないものです。イスラームは他人の利益を優先する利他主義です。これと反するのが利己主義で、自分の望むことが人にもたらされると妬み、そういった社会には憎悪がはびこります。
兄弟の悪口をいうのは、その人の死肉を食べるようなものです。

【信仰する者よ、邪推の多くを祓え。本当に邪推は、時には罪である。無用の詮索をしたりまた互いに陰口してはならない。死んだ兄弟の肉を、食べるのを誰が好もうか。】(49:12)

では悪意をもって自分にひどいことをするムスリム兄弟をどうやって愛すことができるのでしょうか。

サハーバの一人であるアブー・ザッル(رضي الله عنه)には奴隷がいました。彼の奴隷が羊を放牧したのち、町に戻ってきましたが、その中の一匹が足が折れていました。それでアブー・ザッル(رضي الله عنه)がどうしたのかと聞く、その奴隷は
「貴方を悲しませるために、私がワザと石をぶつけて羊の足を折った」と言いました。
アブー・ザッル(رضي الله عنه)は、それを聞いても、彼を叱ったり怒ったりせずに
「あなたにそうさせたもの(シャイターン)を悲しませよう」
と言って奴隷を解放しました。
アブーザッル(رضي الله عنه)はシャイターンを困らせるものが「善行」であることを知っていたのです。
人間は過ちを犯します。シャイターンが人を惑わすからです。心弱い人はそのシャイターンの誘惑に負けて悪事や過ちを犯します。
人と人の間を不和にさせるシャイターンの罠にかからないためには
「悪いことをされたら善い事で返すこと」です。

【善と悪とは同じではない。(人が悪をしかけても)一層善行で悪を追い払え。そうすれば、互いの間に敵意ある者でも、親しい友のようになる。】(41:34)

シャイターンはとても巧妙です。
礼拝をしようとすると
「いま見ているテレビの番組が終わってからでいいじゃないか」
と囁いたり
誰かと喧嘩をした時
「悪いのは相手じゃないか。こっちは全然悪くない。こっちから謝る必要はないよ。むこうから謝ってくるまで、謝ることはない。」
と自分に囁くこともあれば、心弱い人を使って自分にひどいことをしてきます。これもシャイターンの手口です。
その時あなたが、自分にひどいことをした人の悪口をいうと、シャイターンとしては、ひどいことをやった人とそれによってあなたが悪口をいうことで一石二鳥になります。

【本当にシャイターンはあなたがたの敵である。だから敵として扱え。かれは、只燃えさかる火獄の仲間とするために自分の手下を招くだけである。】(35:6)

自分も悪口を言うことによって自分自身を損なっていることになります。

【自分の悪行を立派であるとし、それを善事と見る者(ほど迷った者)があろうか。本当にアッラーは、御望みの者を迷わせ、また御望みの者を導かれる。だからかれらのために嘆いて、あなたの身を損なってはならない。】(35:8)

怒りを覚えたら「あ、これはシャイターンだな。自分はシャイターンに負けそうになっている。」と自覚し、「アッラーに守ってもらおう」とアッラーを思い出して、ドゥアーを言いましょう。
أعوذ بلله من الشيطان الرجيم(アウーズビッラーヒ ミナッシャイターニッラジーム)(邪悪な悪魔からどうかアッラー私をお守りください)」

【それからもし、悪魔の扇動が、あなたを唆かしたならば(どんな場合でも)アッラーの御加護を祈れ。本当にかれは全聴にして全知であられる。】(41:36)

アッラーは私たちの人間関係をよくするように命令されています。同胞にいやなことをされて、あなたがその人を憎んだり悪口を言ったりするのをシャイターンは待ち構えています。あなたを地獄に連れて行くために。

嘘はハラーム(禁じれらたこと)です。しかし3つの嘘は許されています。
①人と人の不仲を執り成し仲を取り持つための嘘
②夫婦間の仲を更によくするための褒め言葉
「君は世界で一番きれいだよ」
③戦争などで敵を欺くための嘘

元来、ハラームである「嘘」でさえ、不仲を執り成すための「嘘」は赦されるのです。それぐらい兄弟間の不仲は、罪深いのです。

《アブー・フライラー(رضي الله عنه)によるとアッラーのみ使い(صلى الله عليه و سلم)は言われました。「天国は月曜日と木曜日に開かれます。そしてそこへはアッラーに何も配さなかった者たちの全てが入ることが許されます。ただし彼と(宗教上の)兄弟の間に憎悪を持った者は例外です。》
(ムスリム、アハマド、アッティルミズィーアブー・ダーウード、イブン・マージャー、マーリクによる伝承)

人にひどいことをされたら
1.アッラーのために耐える・・・あなたのポイントが増えます
2.相手を憎まないで善行する

サハーバの次の世代であるダービィーンの一人には、自分の悪口を書物に書いたり、人に言い振らしている彼の知り合いがいました。その彼の知り合いに対し、タービィーンはなつめやしの詰め合わせをもって行きました。
彼の知り合いは驚いて「私があなたに対し何をしているか知らないわけではないだろう」と聞くと当のタービィーンは
「私にはハサナート(善行)が必要なんです。」と答えたそうです。

これはタービィーンが人の評価よりアッラーの評価を上に見ているからです。アッラーは全てをご存知で全てをご覧になっていますから。

そういう人を赦したらあなたへのアッラーの報奨はとてつもなく大きなものとなります。

《ある男がモスクに現れると預言者さま(صلى الله عليه و سلم)はサハーバたちに「あ、彼は天国の住人です。」と言われました。
サハーバの一人は、彼はどんな特別なことをしているのだろうと思って、暫く彼の家に滞在することを申し出て、彼の家に泊まります。
しばらく様子を見ていたが、礼拝も断食も喜捨も特に際立ったことは見出せなかったので、とうとうサハーバは本人に尋ねました。
「預言者さまがあなたを見て『天国の住人』と呼ばれたのですがその理由を思い当たりませんか」と質問するとその男自身も「わからない。」と言います。サハーバががっかりして暇を告げ、帰ろうとすると、その男は「これが特別なことかどうかわかりませんが、私は夜寝るときに『私を害した全ての人をお赦しください』とドゥアーを言ってねます」》

心に憎しみや憎悪をためないことです。

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が褒められたサハーバは家を出るときこういうドゥアーを言っていました。

اللهم إني قد تصدقت بعرضي على الناسا(アッラーフンマ インニー カド タサッダクトゥ ビイルディー アラ=ン=ナース)
(アッラーよ 私は自分の尊厳を人々にサダカしました) 」

嫌なことをされたら、それに耐えることでアッラーからポイントをゲットするチャンスとなり、その人を赦すことでさらにアッラーから大きな報奨があります。

لا تدخلون الجنة حتى تؤمنوا،
و لا تؤمنوا حتى تحابوا
あなたたちは誰一人天国に入れない
信じるまでは
誰一人信者といえない
ムスリム同士愛しあわなければ 」

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام

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