Mooの雑記帳

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2月18日(日) 池田町でバニラビーンズ栽培?!?!

2024-02-18 21:00:54 | 日記

昨年12月4日に池田町町長に提出された農業振興協議会答申には、次のようにあります。

池田町への提言
・特に離農した農地の受け皿となる確たる経営体が不在である現状は、池田町の今後の農業振興の重大な不安定要素となっているため、新たな担い手法人の設立は急務である。
・既存の大規模法人においては、構成員の平均年齢が70歳を超えている現状から、規模縮小の可能性も視野に入れ、新たな担い手法人や若手経営体へ農地を効率的に集積していく将来像を描くことが求められる。
・個々の経営体が安定的かつ効率的な農業経営を継続していくためには、現在のような水稲に偏重した形態から、園芸品目を一定程度取り入れた経営へ転換していく必要がある(「コメ+高収益作物」)。

このあと、法人の体制・構成について書いた後、営業事業として、果樹では「生食用ぶどう」「りんご」「もも」を挙げ、野菜では「アスパラ」「タマネギ」「ミニトマト」を、特産品として「なたね、ひまわり」「バニラビーンズ」などを挙げています。注目すべきことは、「バニラビーンズ」を除いては、販売金額の予想の一覧も載せていることです。

誰もがビックリするのは、この「バニラビーンズ」が「池田町の特産品=高収益作物」として挙げられていること。これは答申間際になって協議会長が入れ込んだもので、協議会委員の中で議論が行われたわけではありません。
実は、この「バニラビーンズ」を巡って、池田町では信じがたいような事態が展開しているのです。

その話をする前に、ちょっとこの植物についての予備知識を。

KSONテックのサイト「バニラビーンズの栽培と加工」では、そもそもこの植物は「つる性の多年生熱帯植物」​​で、「21〜29度の日平均気温」が必要と言われています。このサイトでは「冬の時期は大変管理が厳しくなります。温室などで十分温 度管理をしないと、すぐに傷んでしまい枯れてしまうので注 意が必要です」と書かれていました。「バニラビーンズは世界で最も労働集約的な作物であるがゆえに高価です」とも。栽培開始から収穫まで3年はかかるというのです。

日本では、「気候温暖化を背景に九州・沖縄で本格栽培・商品化を目指す動きが出ている」とされ、ネットで検索すると奄美、沖縄北中城村、石垣島、小笠原などでの栽培実例がヒットします。
ただ、注目すべきは2021年に北海道での「十勝バニラプロジェクト」が始動したとのニュース。民間会社が手がけるもので、暖房などのエネルギーは「バイオガスプラントの余剰熱など再生エネルギーを利用するということで、すでにマンゴー栽培の実績がある施設を利用するとのこと。試験栽培がどこまでの成果を上げているかはその後の情報がなく定かではありません。

余剰熱をふんだんに利用できる北海道は別として、温暖化とはいえ厳冬期にはマイナス10度が普通の池田町で栽培を行うとするならば、冬期の暖房用燃料、夏期の冷房用電気などに法外な費用をかけることになるのは容易に想像できます。通常のビニールハウスではとても定常的な温度管理はできません。
そこで、狙われたのが、池田町が「花のハーブの里」の拠点施設としてかなり前に建設した大型のガラス温室です。しっかりした作りであること以外はビニールハウスと変わりがありませんから、内部にもう一つハウスを作って、そこで試験栽培をするというのが、いま持ち出されているプランなのです。私などは、このような構想を聞いた瞬間、アタマは正常なのかと思わず疑ってしまいましたね。

***

町は、2月13日に議会に対して「バニラビーンズ」の試験栽培を早ければ3月からでも、池田町のガラス温室を使って始めたいと提案したのです。

「バニラビーンズ」の栽培を池田町の特産品とすることを提案したのは農振協答申であり、会長である宮澤県議が書き込んだことにまず留意しておきましょう。
そこで、問題は2つあります
1つは、なぜこの品目がにわかに登場したのかという疑問です。
2つは、町がこれをガラス温室で試験栽培することを議会に持ち出した経過はどのようなものだったかという問題です。

まず、第1の疑問については、議会でも町長が明言しているとおり、宮澤県議が持ち出したものであり、県議が懇意にしている台湾企業の子会社である(株)裕源がノーハウを持っていることから、この会社(新法人に多額の出資をしている)の関わる事業として構想されていることです。

栽培に関わる資金は、この会社が出し、県の一組織である北アルプス農業振興局(大北農振協)が栽培に関与し、池田町にはガラス温室の利用と現在ハーブガーデンを管理している団体に一定の作業分担を行ってもらうというのが町の考え。従って、町の費用負担はほとんどないという説明です。

しかし、ここには、次の問題が生じます。
① 町は、バニラビーンズの栽培について、科学的な追跡を行い全国の経験などから「果たして池田町で可能なのかどうか」を独自に検討し結論づけたのかどうか。これまで聞く範囲では全くありません。

② 栽培に一体どのくらいの費用がかかり、暖房費、冷房費を含めて本当に企業がすべての金銭負担をするのかどうか。確約ができているのか。その試算も全くできていません。

③ 誰が管理をするのか。今までのところ、大北農振協が栽培に関わるという話と、ガーデンの管理者に手伝ってもらうという話があるだけで、その人件費や具体的に何をやるのか、また何かあったときの責任の所在はどうなるのか。これまた全く明確ではありません。

④ 町の特産品づくりを名目にはしているものの、実際に費用を負担するのが1企業だとすれば、利潤追求を目指す企業の論理から考えて、町が町民の共有財産を企業に利用させることは利益誘導・便宜供与にあたるのではないのか。ところが町にはそのような問題意識すらありません。

第2の問題。
農業法人設立のための出資が議会で議決されたのが2月9日。当然まだ法人は設立されていません。
ところが、2月3日には、町と(株)裕源、宮澤県議がガラス温室を訪れて、この試験栽培を既定方針であるかのように実地検分を行っていたのです。これまで管理していた団体にも接触しています。
このことは議会にも報告されず、まして町民の皆さんは何が起こっているのかすら全く分かりません。

議会にこの話が持ち出されたのは、2月13日。つまり、法人への出資を議会で議論している最中に、すでに農振協会長である県議が、町にガラス温室での企業活動を働きかけたというのが実態です。
議会での手続きを全く無視し、県議のいいなりにどんどん答申を先取りし、しかも特定企業への便宜を図るという現在進行中の問題は、ゆゆしき事態というより、絶対に許してはならない重大事案でしょう

農業法人を立ち上げたあと、国の産地生産基盤パワーアップ事業補助金などを活用して大型ハウスを建設し、本格栽培を行うことも検討されていますから、もし失敗でもしたら、誰がどのように責任を取るのでしょうか。しっかりと念書を取っておかないといけません。

実はこれ以外にもう一つ重要な問題があります。それは議会のあり方です。これまでの保育園問題や新法人への出資問題と同様、町長の提案を鵜呑みにしたり先取りしたりして、全く行政のチェック役を放棄してしまっている議員が多数派を占めている実態です。以前から池田町崩壊の序章と書いているゆえんです。

町は、町民に対して、詳細に説明を行い、あらゆる疑問に答える責任があります。また議会は徹底的に問題を洗い出し調査研究し事業の問題点を町民に示すべきです。それを果たさないうちに事業を進めることは許されません

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