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《読書》島田裕巳『公明党vs.創価学会』朝日新書

2007-07-14 05:32:21 | 読書
●〔57〕島田裕巳『公明党vs.創価学会』朝日新書 2007(2007.07.08読了)〈2007134〉

○内容紹介
一心同体でなくなった公明党と創価学会。実は、その緊張関係のなかに、公明党の力の秘密が潜む―政権の一翼を担う、「宗教政党」公明党はこれからどこへゆくのか。創価学会研究の第一人者が切り込む。


 公明党と創価学会の関係について、非常にわかりやすく、ニュートラルな立場から叙述されていました。著者は宗教学者ですが、むしろ学者というよりジャーナリストの作品という感じでした。

○本書の目的
 本書においては、公明党と創価学会とが一心同体であった時代から話をはじめ、言論出版妨害事件を経て、異体同心を強調しなければならなくなった時代における両者の関係を明らかにしていく。事態はさらに進んで、二つの組織が「異体異心」になりつつあるとさえ言える。(p.11)

 タイトルの『公明党vs.創価学会』に、「vs.」があるので、あれっ、と思うわけですが、その理由は上記の通りです。でも結局、私には「公明党=創価学会」としか思えないのですが。

○目的は国立戒壇建立
 この元日(引用者註:1954年)の『聖教新聞』には、「国立戒壇建立の日まで」という記事が載せられ、広宣流布がなり、国立戒壇が建立されるまでのスケジュールが示されていた。そこでは、完成するのは二十五年以内であるとされ、具体的な方法については次のように述べられていた。

この期間に日蓮大聖人様出世の本懐であらせられる弘安二年十月十二日の大御本尊に対し奉り日本一同に帰依して国立戒壇建立の御教書が発せられるであろう。否発せさせなければならないのである。御教書とは衆議院に於いて過半数の構成を以て発せられるものである故これが獲得の為にも正法弘通の活動は今後新生面が展開されなければなるまい。昭和二十九年度はその準備の年として邪教との法戦の徹底化、民衆に対する折伏の徹底化が計られる期間であろう。

 ここでは、はっきりと、広宣流布が国立戒壇の建立を目的としたもので、その建立のための教書を発するためには、衆院において過半数が賛成しなければならないとされている。(p.34)

○選挙は信仰の手段
 参院進出の前、一九五六年三月に豊島公会堂で聞かれた本部幹部会での講演で、戸田は、創価学会が選挙をやる理由の1つとして、選挙になると会員たちの目の色が変わってくるので、支部や学会の信心を締めるために使えると述べていた。(p.38)

○エリートを抑える仕組み
 しかし、創価学会の組織のなかには、エリートが幅を利かすことが難しい仕組みが作り上げられている。拙著『創価学会』でも述べたが、池田は、本部幹部会におけるスピーチで、幹部が奢った態度をとることをつねに戒め、反対に庶民である一般の会員を待ち上げる。会長をはじめ、名だたる幹部たちが、池田に叱責されることも珍しくない。(中略)
 この点で、創価学会の最大のライバルになってきた共産党とは異なっている。共産党では、幹部は東大出を中心としたエリートで、エリート党員がそのまま党の権力を握っている。議長が、公の場でエリート党員を叱責し、一般党員を持ち上げるようなことはない。(pp.209~210)


※関連図書
島田裕巳『創価学会』新潮新書(2004)

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