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《読書》安川佳美『東大脳の作り方』平凡社新書(その2)

2006-10-16 05:15:29 | 読書
(承前)
○進路決定へのアドヴァイス
  中学受験において、そもそも受験するかどうか、通う塾、志望校などの決定権は誰にあるのでしょうか?
 結論から言ってしまえば、親にあると思います。たとえ子供が反抗したとしても、親にあるべきです。子供のことをある程度親身になって考えている親であれば、この時期はまだ、子供自身の意見より親の冷静な判断の方が、結果として正しいことが多いと思います。中途半端に子供に譲歩して意見を採用しようとしても、無益な衝突が生まれるだけです。(p.119)

 大学受験で志望校を決定する際大切なことは、「どんな職業に就くか」ではなく、「どれだけ自分の可能性を広げられるか」なのではないでしょうか。だから私は、高校の進路決定の時点で明確な目標がない人は(きっと大部分だとは思いますが)、名前や偏差値で大いに大学を選んでよいと思います。これは別に自分を正当化しようとしているわけではありません。レベルの高い大学に入れば、自分に付加価値をつけられると同時に、いろいろなことを経験して将来についてじっくり考える猶予をもらえるのです。(p.34)
 一般的に、大学を選ぶ際は、職業→学部・学科→大学の順で決めていけと言われていますが、どうもタテマエに近いようです。上記のようなホンネが実際的なアドヴァイスかもしれません。


○理Ⅲの志望動機
私の理Ⅲ志望動機はあくまで最高峰への執着であり、別に医者になりたいからというわけではありませんでした。(p.40)
 「人の命を扱う医者になろうとするのに(しかも最高学府の東大医学部)、こんな軽々しい動機でいいのか!けしからん!」といわれそうですが、この本を読んでいくと著者の言い分にも妙に説得力がありました。


○お受験トリビア
中学受験のマニアック用語で、サンデーショックというものがあります。女子校の二番手で女子学院という学校があるのですが、この女子学院は毎年二月一日に入学試験を行っています。桜陰の入学試験も二月一日なので、この二校を重複して受験することは本来できません。
 しかし七年に一度、二月一日が日曜日にあたる年には、キリスト教系である女子学院が試験日をずらして二月二日に実施するのです。なので、桜陰と女子学院のどちらかを第一志望校としている人は、「せっかくだから受けとくか」くらいの気持ちでもう一校を受験することができるのです。そのため、サンデーショックの年のこの二校の倍率はとんでもないことになります。(pp.151~152)

○この本は参考になるか?
 この本は受験ハウツーとしてはほとんどの人に役に立たないと思います。逆説的ですが、この本が役に立つレベルに人には、この本は必要ないでしょう。
 著者は特に塾や予備校には行かず、学校の授業中心の自学自習で東大理Ⅲに合格しています。著者ぐらいの高い自主性、自律性があればそれは可能だと思います。その分、19歳で既に老成してしまっているような印象を受けます。

 さて、ここまで書いてくると、小谷野敦ならずとも(笑)、気になるのが著者の美醜でしょう。幸い(?)、帯には著者の写真が載っています。各自でご判断下さい。

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