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三人で今宵を凌ぐ - ある夜のシノギング

シノギングとは、凌ぐないしは凌いでいる行為全般を表す言葉である。ゆえに適地に着き、タープやハンモックを張り、ウッドストーブで暖を取りながら一夜を過ごす...そんな行為も、そんな一夜を凌ぐ行為も、立派なシノギングである。

 

そんなある夜のシノギングのお話。我々はフラットなスペースを探し当て、そこに楽園を作るべくおもむろに作業を始める。

まずはハンモック。上手に三角に張れるよう、木を選定する。一本に二つの張力がかかるので、たわみも加味した高さにツリーストラップを巻く。

うむ。ちょうど良い三角具合。

次はタープ。細引きを張り巡らせ、巧みに囲いを作り上げていく。

帽子や手拭いをラインに吊るし、ウッドストーブ用の木々を集め、ヌノバケツシノギチャブダイを駆使し、ハンモック回りをレイアウト。極めつけに夏には欠かせぬ蚊取り線香に火を点ける。

そうして完成した楽園。天候は良かったが、山ではいつ崩れてもおかしくない。ハンモック泊の際、基本的にタープは設置すべし。片屋根スタイルなら簡単に張れる。またタープで囲う事で、グッと集落感が増す。


本日の秘密兵器、提灯。これが闇夜に灯る姿が楽しみだ。

まずは今宵の良き凌ぎを祈り、盃を交わす。

うまい、美味すぎる。

ほんのり気持ちよくなると、とりあえず横になってみる。これは非常に危険な行為で、30分ほど落ちる事に...

あぶないあぶない。何とか重い腰を上げ、暗くなる前にウッドストーブに火を灯す。

火も落ち着いてきたところで、思い思いに夕飯を作り始める。

食事を済ますと、辺りは徐々に暗闇へ。

余談だが、今回若干湿っている枝木が多かった。そんな時分は火の点いたウッドストーブ回りに置き、投入前に乾燥させると良い。地味だが効果的な手法。

さて、すっかり暗くなった所で、例の提灯に点灯(※小さなLEDライトをぶら下げてます)

良い。一気に和の雰囲気が増す。この和紙を通した光の柔らかさと拡散具合は落ち着くものがある。この手の光源はやはり暖色系に限る。

優しい灯りに囲まれながら、ボーっとしてみたり、時折語らったり、寝転んでみたり、静かな時間を過ごす。騒ぎすぎない事が夜のシノギングの所作である。

そうして夜は更けてゆく。。。

気付けば夜は明け、すっかり朝に。珍しく一度も起きずにぐっすり眠れた。

就寝時、気温は18℃。ウキグモ単体でトップキルトは締め切らず、ふわっと上掛けで暑すぎず熟睡出来た。この全身包む適度な温かさが、もしかしたら熟睡の秘訣かもしれない。(純粋に疲れていたのもあるだろうが...)

 

今宵も凌ぐことが出来た。また新しい一日が始まる。さて今日は何を凌ごうか?

 

 

 

【おまけ】

~ 隣のヌノバケツ(小) ~

・ウッドストーブに敷くアルミ皿
・蚊取り線香
・ダケカンバの皮
・麻ひも
・フェザースティックの削りカス
・凌マッチ
・ライター
・メタルマッチ
・灰皿
・エスビット
・革手袋
・チューブ式フイゴ
・トランギアのハンドル
・予備の燃焼用アルコール
・ミニノコギリ
・ナイフ

※主に焚き火用道具入れとして

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