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11月18日「地図読みで別荘探し」の様子

2~3年ほど前開催し、好評をいただいた地図読みで別荘探しのテーマ。久しぶりの開催で且つ高尾から飛び出しての山梨寄りのエリアにて。

実は我々も初めてのエリアを敢えて選定し、一参加者として後ろからがっつり野次を入れさせてもらおうと思う。まずはいつも通りの地形図、コンパス、地図読みについて、御託をツラツラと。初めての方も多かったので、入念に即席談義。

森勝氏が気の利いた参照地図も持参してくれた。とあるWEBサイトでは古地図を無償で参照できるらしい。しかも現代の地理院地図も下に参照されて、比較が非常にしやすいレイアウトとの事。そこから昔はあったけど、今は無い道を探し出し、そこを探検しに行ってみるという、シノギング的にもコアな遊び方をご提案。でもこれが結構面白い。歴史にも想いを馳せながら、ある意味宝探しをしているような気分になれる。

コンパスチェックもいつも通りだが、四方六方と我々が言った方角をコンパスを見ながら向いてもらう。

傍から見たら、森勝氏を筆頭にした異様な集団光景だが、やってる皆さんはいたってまじめ。

皆さん概ねOK。最大で16方位程度まで理解してコンパスで読めれば、シノギングでは十分である。

次いで、外から山域全体や植生を観察してみる。実際に送電線がどういう感じで延びているのか、どこに薪炭林が広がっているのか、渓はどう入り組んでいるのか等々、、観察することで得られる情報も非常に有益である。

そして、良質な別荘を探すためのノウハウをこっそり伝授。と言っても最終は行ってみないとわからない。そういう場所をあーでもないこーでもないと探し回るのもまた一興。

おっと忘れる前に、、三種の神器の内の二種、ツユハラヒとクナイをお貸出し。今回は私の荷物減り率は少な目。ありがたい事に既にお持ちの方が多かった!

先週から急激に冬らしい気候となり、これくらい冷え込むようになると歩き始めはツユハラヒをついつい着けたくなる。

たっぷり1時間程費やしたところで、いざ出立。まずは入凌ポイントまで先導しご案内。

車道をクネクネ下りたり登ったりしている間も、この辺り見晴らしがよいもんで周りの山域を観察する。あの辺り面白そうだね~など、既に次回への宿題もチラホラと見つかる。

程なくして車道は終わり、今も使われている??一山越えた集落へと繋がる峠道へ分け入る。

まぁこの道を活用しているのは我々のようなコアは登山者のみだろうか...大枠としてのフミアトはしっかりあるが、彼方此方に倒木や藪も目立つ。

一瞬、首ツ〇用の縄かと思ったら、どなたかが設置したブランコ。私だったらいろんな意味で怖くて乗れないが、今回初参加のM氏が人柱にがっつり乗ってくれた。その後どうなったのかはご想像にお任せす。

フミアトは尾根上ではなく広い渓の尾根寄りから登るように延びていた。少々地図読みはしづらい道ではある。一先ずその先の目指す主尾根への方角だけは念頭に、その方角を意識しつつ登る。そういえば昨日はまとまった雨が降っていたなぁ。脇から出てるちょっとした笹露も、ツユハラヒとクナイで難なくいなしていく。

とある峠へ到着。比較的綺麗な道標が残っているのは、やはり人知れず誰かが歩いているのであろうか。

針葉樹帯のTHE・峠道。かつてはここが県道のように使われていたのでしょうか。

さて、ここからは先頭を変えて再出発。今回もいつも通り、初参加の方々をメインに先陣を切ってもらう。後からついてきているだけは地図読み技術は向上しないのだ。

そして、ここから本格的に別荘探しをスタート。麓でお伝えした別荘探しのコツを元に、事前に気になる支尾根や地形を導き出しておき、そこへ地図読みしながら向ってもらう。

早速こっそり入っていった支尾根、、ここが大当たり◎

薪炭林メインに、北側尾根ではあるが広く拓けた尾根故、場所によっては東から西に終始日当たりも良さそう。主稜線からもほどほど奥に入り込んでいるので隠れ家にはもってこい。

少し手前も少し斜面であるが、広く特殊な地形で、目の抱擁にもGOOD。ネタバレするとここが本日最初で最後の最良別荘ポイントではあった。大体そんなものである。。

本当はここでまったりハンモック休憩をしたかったが、、後ろ髪を引かれる思いで後にする。

元来たメイン道に戻り進むと、藪漕ぎ!この先はほとんど人が入っていなかったことが伺える。

最初は躊躇する初参加者たち。ただ少しずつこの”凌ぎ”に何かを感じ始めている模様。

笹薮を抜けるとフミアトも明瞭になる。一登りすると次の支尾根分岐確認ポイント!

こちらは植生は良かったが、少し笹の下草が五月蠅く、平場ではあるが残念な結果。

ここからはしばらく地図読みポイント。クネクネの登りながら、下からくる他の支尾根との合流を繰り返す。その分岐分岐でしっかりコンパスチェックを織り交ぜる。この確認がとても大切。乃至はしっかり分岐を念頭に入れておかないと、歩きやすそうな尾根を辿って全く違う尾根に入ってしまう、なんてことも大いに有り得てしまう。

そして見えてきた、我々が全幅の信頼を置いている送電線!鉄塔!待ってました!笑

と言いつつ実はこの手前で、私含めて捕捉を誤っており、危うく違う尾根で下山していまう所であった。。フミアトが薄くなり、明らかに地形図とは違う急斜になっている事で気が付く。このちょっとした違和感を感じたら、必ず入念に地形図とコンパスチェックをすべし。

そうして尾根上に交差する送電線鉄塔の真下へ到着。ここまでくれば完全に現在地が把握できたようなもの。それにしても下から見上げる鉄塔のジオメトリック感たるや、惚れ惚れしてしまう。

この鉄塔からは少しわかりづらい尾根の方が目的地。先頭も交代し、気を引き締めて進む。

早速の分岐点、先頭は手前の僅かな尾根を狙って下りるルートをチョイス。ナイスルートファインディング。

ただ後続はそちらに難色を示す。。この先にもっと明瞭な下る道があるのでは?と。私的にはこの僅かな尾根をタドルが地図読みのし甲斐もあると思うが。ということで、ここで二手に分かれてその先の目指す鞍部で合流する作戦に。さてどちらが先にタドリ着くかな?

尾根組はやはり急なトラバース気味な斜面で少々難儀す。途中相手を詮索すべくホイッスルを吹き、現在地を伝えると、目指す鞍部合流点あたりから相手の音が返ってくる。

ここで負けが確定笑 何とか鞍部手前に抜け出ると、悠々と広い渓道を下っていた後続組。

到着した鞍部は思いの他広く、時間も頃合いだったので、こちらでお昼休憩とする。理想の別荘地ではないが、グループでハンモックを張るには申し分無し。本日は風も強い。地形は少し風下の渓側に向かって平場が広がっており、少しの風よけにもなってくれて良い。

ベテランシノラー勢はもう自由に張って下さい。として、初めての方々を主として、ハンモック張り方講座。要領を得れば、ものの5分程度で椅子にも使えるハンモック別荘の完成。

もう一方は、ご持参されていたハンモックを使ってレクチャー。EXPEDハンモックとはまた勝手が違うので我々も勉強になった、、

ベテランシノラー① タープも張って正に別荘を展開。

ベテランシノラー② シンプルな構成ながら、しっかり防寒系を取りそろえた寛げるシステム(変な写真ショットで申し訳ないです!)

ベテランシノラー③ 一番奥側の集落全体を見渡せるナイスポイントにて悦に入る。物干しもGOOD。

最近連続参加シノラー① 前回培った知識も元にしっかり別荘を展開。良き良き。

初参加シノラー①② すっかりハンモックの虜に。対面で仲良く森勝談義に聞き入る。

初参加シノラー③ こちらも初ハンモックでご自身の時間を優雅にご堪能。当社アンダーキルトのお貸出でその有用性も感じていただく。

昼食が一段落すると、居ても立ってもいられない森勝氏がロープワーク談義を開始。ほぼワンツーマンで贅沢なスパルタスタイル!

その横ではベテラン勢同志で新たなロープワークの情報共有とその練習。微笑ましいこと。

濃密な時間とはすぐに過ぎて行く。。

相変わらず2時間しっかり休憩。撤収を始めながら、追い打ちをかけるように森勝氏のパッキング講座。悪いパッキングはいらんかね~と標的となったシノラーは追い剥ぎに合い、あれやこれやと施され、あれよあれよと綺麗なパッキングザックの完成。見栄えも良ければ背負い心地も良好。詳細は、、是非シノギングイベントにて!

概ね予定通り撤収を完了させると、下山に向けて作戦会議。一応今まで歩いてきた自足コースタイムを元にすれば、ひたすら尾根を辿って下りるルートで2時間ほどと予測を立てる。今回は珍しく歩く距離長めだが、それでも普通の日帰りハイキングの3分の1程度であろう。

さて道が決まったところで再出立。

一登りすると即座に合流する鉄塔。ここが珍しく一つの鉄塔にT字に交差するように送電線が延びている。徐々に皆さんも鉄塔送電線マニアになりつつある笑

正直この最後の尾根上の下りでは目ぼしい別荘ポイントは少ない。合っても結構支尾根から分かれた先のポイントとなるため、それらは各々チェックだけしておいてもらい、次回の宿題とする。尾根上に時折ある平場が果たしてどうなっているのか。

基本的には笹基調の藪はこの辺り少なく、植生も薪炭林で良い。ただ、平場に限って針葉樹や下草が入り込んでおりいまいち。中々最良の別荘地は見つからないものだ。それだからやめられない。

どちらかというと、送電線が面白いように入り組んでおり、それらをチェックポイントのように地図読みが捗る。

ところどころ尾根上の鉄塔周辺からは、こんな素敵な景観も望める。

反対側の集落や山域も観察出来たり、そういうポイントとしても最高。思わずニンマリしてしながら周りを見渡すシノラー勢。

ここから最後の急斜面下り。ツヅラヲリにいなしながら下っていく。

と、巻き道ちっくで尾根から外れるポイントで、実際の尾根上が少し気になったので上がってみると、、1~2人用としては良好な物件を発見。下草を少し整えれば十分別荘になり得るだろう。チェックチェック。

意外に地形図以上の登り返しもあり、、お一人様限定でお貸し出しした凌ピッケルも火を噴くぜ。

本当に最後の鉄塔ポイント。相変わらずの造形に惚れ惚れ。

そしてこの辺りのビューポイントもナイス。

最後の難関。いつもいつも難儀しがちな尾根の最初と最後。地形図では等高線つまり気味で少しやらしいそうに予測したが、案の定直進では重心が取られてしまうような斜面で、辺りの木々を手掛かりに、重心も山側に落としながらゆっくり下っていく。

地形図上の破線道が見えてきた。道は残っていた、良かった。。最後はズルズルと扇状にそれぞれ滑りながら下りていく。

辛々道へ合流。一安心。

あとはこの道を辿って国道に出るだけ♪ だったはずが...

何となく期待はしていたが、この道はところどころ荒れ不明瞭となっており、

仕舞いにはフェンスで分断させられる始末。道路は目と鼻の先なのに!ってシノギングでは良く見る光景。

仕様がないと、このフェンスを伝うように下りてきた側に戻り、少しずつ高度を下げていくもその先は笹薮。。

やった!抜けたぞ!と最後の足を踏み出すと、そこは蒐場が如く盛大に泥んこという笑

最後の最後、足元をドロドロにしながら国道に合流するという、なんともシノギングらしい幕引き。

そして車の通りが多い国道を安全に一列となって駅への帰路に就くのであった。

 

久しぶりにシノギングらしい凌ぎと相成ったとさ。

 

絶対に笑ってはいけない奴にて〆

 

 

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