四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
甲府SUNDAY 出張シノギングの様子
盆地は今日も暑い!盆地じゃなくても暑い!
この時期恒例にしている甲府SUNDAYの出張シノギングといえば沢を歩いて暑さを凌ぐである。この涼しさを経験してしまったら酷暑の低山尾根歩きに行く気にはなかなかなれない。
林道わきの駐車スペースに車を止めた我々。今すぐにでも沢に入りたいが、ここはいつもの手順を踏んで、しばらく凌とシノギングについてのお話を聞いていただく。その後、本日の地形図から現在位置を特定。道路の様子、方位、まわりの地形などの情報から推測していく。
皆さんどう思いますか~?
低山小道具研究家の森勝氏がその求め方を説明する。的確な説明にみなさん納得したようだ。
続いてはコンパスの使い方。今日は沢歩きなのでみっちり地図読みにはならないが、現在位置の特定が難しい沢歩きだからこそ、方位の変化を細かく確認して地形図上の現在位置を更新していくことが大事だ。
その時のコンパスはプレートコンパスではなく、腕時計のベルトなどに固定できる簡易コンパスや球体のコンパスでも十分に使える。プレートコンパスは単なる方位の確認以外の使い方がある。必要なことをシンプルに捉えて行動に移すことはシノギングの基本である。
さて、ようやく動き始めました(笑)
なんだか鬱蒼としているがこのまま辿ってみよう。
適度に木漏れ日の落ちる沢に足を入れただけですぐに涼しい。驚くべき冷却効果だ。
ほどなく5mほどの水量豊富な滝。流れを登れそうな気がするが、先日の下見で谷島の姿が消えた深い釜があるので無理せず右岸を巻くことにする。
ちょっとスリリング。
滝を巻いた先は穏やかな流れが続く。
今年はいつもよりも水量が多いようだ。
爽快!
相打ちの図・・・。
どこまでもナメていやがる。
東に向いていた方位が南に変わり、クランクを過ぎて再び南を向いたあたりで二条の滝が現れた。
!!!!
ひゃ~!
やっちゃうよね、滑り台。
しばし滑り台を楽しむ。
滝の先で左岸が広くなって来たので様子を見に行く。
ちょうどお昼なのでここを休憩場所に決定。
ただ、すぐにはお昼にはあり着けないのがシノギングイベント。好評をいただいているハンモック「ゲッカビジン」2種類とEXPEDハンモックの試乗会。そしてシノギング専用タープ「ヤナギニカゼ」の説明が続く。ヤナギニカゼを透過したオレンジの光がいい感じ。
さあさあ、乗ってみてくださいまし。ドボンしてびしょ濡れになっても、カルフワセーター&カルフワタオルを身に付けておけば、冷えることなく、休憩が終わるころにはすっかり乾いている。
お腹がグーとなってももう少し我慢。森勝氏による長いものをキッチキチに連結させる方法。テコの原理を使えば簡単にできてしまう。
続いては片結びを基本にしたロープワーク。みんな釘付けだ。やりたいことをできるだけシンプルな方法でやる。ほんの少しコツを知るだけでシノギングに必要なロープワークを覚えることができる。
必要なこと、知ってほしいことを、人から人に直接伝えるのが凌流。
さりげなく雨のスカートをはいて休憩するSUNDAYのIさん。
木漏れ日に浮かぶマダムM。
お昼が済んだら手慣れた様子でテキパキと片付けて行く。
存在を隠してカメラを構える姿に時々ビビってます(笑)
シノギングイベントの休憩ではハンモックでだらだらする時間をちゃんと設けています。
森勝氏がどこからか油の木を持ってきて、超簡単な火おこし講座。
火おこしというよりも、間違いなく火が付く油分の多い木を探すテクニック。
長かったはずの休憩はあっという間に終わった。
再び沢に足を付けると気が引き締まり、天然のクーラーにうっとりする。
人間の顔が次から次へを近付いてきては写真を撮られ、生きた心地がしなかったイボガエル
苔むした感じがとても気持ちいい。
林道のガードレールが見えてきたらそろそろ終わり。
橋の下で遊ぶ悪ガキみたいでいいね。
最後に決して笑ってはいけないやつ。ナメんなよ!
今回の出張シノギングに参加して下さったみなさま、ありがとうございました。
誰にも会うことのない山奥にひっそり流れるナメ沢。足を濡らして歩くことでエアコンでは得ることのできない本当の快適を感じることができたでしょう。木漏れ日のハンモックポイントで普段よりも長い休憩。地形図に目をやれば気になるポイントが点在。またいつか来てみよう。その時にはこんなルートで・・・。このイベントをきっかけにそう思ってもらえたらうれしいです。
頑張りすぎず、でも、ぼーっとしすぎず、知らなかったことを知る、やっていなかったことをやってみる、自分で考えて行動する。
シノギングを続けることで、遭難しない自立した山歩きの術を身に付けることができます。
シノギングの情報は巷に溢れていません。興味のある人は勇気を持ってシノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていることはシノギングのほんの一部です。実際に参加することでシノギングのいろいろを知ることができます。百聞は一見に如かず。
お忙しい中このイベントにご理解とご協力をいただき同行してくれたSUNDAYのIさん、マダムMさん、ありがとうございました。
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし
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