四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
ウキグモ、ウンカイ集中講座-その2 ウキグモの設営、ウンカイを広げてみる
宙に浮かぶ寝袋の様な、寝心地も暖かさもすべてが理想的なダウンハンモックのウキグモ。そして、ウキグモと合わせて使うことで最高のパフォーマンスを発揮するトップキルトのウンカイ。これらは、真夏以外の幅広いシーズンのシノギングでゆらゆらとハンモックを楽しむために不可欠な道具である。
シノギングとハンモックの相性の良さとハンモックの有用性については、これまでにシノギングイベントやブログ、Instagramで紹介して来ているので割愛させていただくが、一年を通して晴れの日にも雨の日にも数えきれないくらいのシノギングをする中で、これほどに自然に溶け込んでリラックスできる道具はないと感じている。
さて、今回はウキグモを設営してウンカイを広げてみようと思う。
ウキグモの設営
ウキグモの正しい収納の仕方についてはその1をご覧いただきたい。
基本中の基本だが、ウキグモなどのハンモックを張るには2本の木が必要だ(笑)
人によって若干の差はあるかもしれないが、間隔が歩幅で7歩くらいの木を見つけよう。そういう木は一人だと簡単に見つかるが、複数人になるとみんながいい場所を見つけるのは意外と難しい。
ちょうどいい木が見つかったら収納袋の左右の口を開けてツリーストラップとラインを出しておこう。その1で説明したように、収納袋の臙脂色の紐とウキグモの運地色のループを合わせて、収納袋のグレイの紐とウキグモのグレイのループを合わせて収納しておく。この時、臙脂色のループの方が頭なので、まずはどちらを頭にしてウキグモを張るかを決めよう。
頭の向きが決まったらツリーストラップを木にセットしよう。ツリーストラップの高さは自分の目線くらいを目安にしよう。位置が高すぎると張った時にV字がきつくなるのでフラットに寝にくいし、位置が低いと張った時のテンションが強すぎてハンモック本体やツリーストラップが傷むので注意が必要だ。EXPEDのツリーストラップは木に巻いたところで簡単に着け外しができて便利。
左右のツリーストラップを取り付けたらウキグモの真ん中にそっと座ってみて丁度いい高さになっているか確認しよう。低すぎたり高すぎたりする場合にはラインの長さを調節しておこう。この時、収納袋をラインに通したままにしておくと紛失しないし、ちょっとしたものを収納しておけるし、撤収も素早く行えるのでとても便利だ。
リバーシブルキルトがアンダーキルト側にセットされていて、これをトップキルトとして使う場合にはまず片方のジッパーを開ける。この時、両方のジッパーを開ける必要はないので注意しよう。
最後までジッパーを開けてスライダーを外しておく。
先ほど外したリバーシブルキルトのジッパー側を持って、下から反転させてハンモックの上に被せる。
リバーシブルキルトをハンモックの上に被せた状態で、開いている側のジッパーを閉じる。
ジッパーを最後まで閉じた後は、リバーシブルキルトの臙脂色のループをハンモックのループから外す。こちら側からウキグモにもぐり込むのだ。
あとは布団をめくるように両端のジッパーを下げてもぐり込むだけ。
うーん、気持ちいい!
ウキグモのアンダーキルトは全身をカバーして、トップキルトの左右はジッパーで閉じているのでとても暖かい。
この時に左右の高さが同じになっていないと、低い方にだんだん滑って行ってしまうので、できるだけ同じ高さになるように微調整しておこう。
今回は講座なので細かく説明をしたが、ハンモックポイントについたら左右のストラップを掛けるだけで、ハンモックとアンダーキルトとトップキルトの設営が素早く同時に完了するウキグモはとても便利である。この便利さは、長いシノギングに疲弊している時や、雨や雪が降っている時に実感する。
さて、お次は ウンカイを広げてみる
袋から出したウンカイを広げるとこんな感じである。
よく見ると、長辺の端にスナップボタンが打ってある。スナップボタンは見やすいように赤い色にしている。
ポンチョとして使うときには二つ折りにして脇を止める。
中央にもスナップボタンが打ってあり、ポンチョとして使うときにはここから頭を出す。トップキルトとして使うときにはスナップボタンを閉じて大きな隙間ができないようにしよう。
ひっくり返してみると短辺の一方にポケット(フットボックス)が二つある。トップキルトとして掛けて寝るときにここに足を入れておくと位置がずれたり足がはみ出したりしない。ポケットの袋布にもダウンを入れているので暖かいのだが、それでも氷点下になると足先が冷えてしまうことがあるので別途ダウンブーティーなどを用意することをお薦めする。
ウキグモ、ウンカイ集中講座ーその2はこれで終わり。