2018年10月12日のブログ記事一覧-凌手記

暑さを凌ぐ　－　ある日の一泊シノギング　～後編～

2018年10月12日 / シノギング

※前編の記事はコチラ

楽園にたどり着いた我々は、慣れた手つきで寝床を構築していく。あっという間に集落の完成。

今回は皆Solo Tarp（売り切れですみません。来春入荷予定です）。統一感が出て良い。そして三角張りはやはり、とても美しいフォーメーションだなぁ。

ここでSolo Tarpのおすすめの張り方をご紹介。
通常、庇の様に片方をあげる場合、角二ヶ所と真ん中の計三ヶ所をペグダウンないしは木に括り付けねばならない。耐候性を考えるとこの貼り方が理想なのだが、今回の様に三角張りの場合、実は角二ヶ所の処理が面倒で、中々三人とも上手く決まる張り方が出来なかったりもする。

そんな折は、その角二ヶ所をこのように後ろ側へ。

そして、下げてペグダウンした側、真ん中のガイラインスリットにその角二ヶ所のトグルを差し込み、自在で調整する。

そうすれば所謂、五角形型で簡単に貼る事が出来る。この型なら庇の上げる側、真ん中のペグダウンさえしっかり行えば完成で、意外に庇としても機能する。小雨程度ならば問題なくカバーしてくれる（実際この日は小雨に降られた）。何より気兼ねなく簡単に張る事が出来るので、是非お試しいただきたい。

さてさて、無事寝床が完成すると暫しの自由時間。

せっせと今宵の準備をする者もいれば...

まったり一息つく者もありけり。

少し暗くなってきた所で、凌ぎ提灯に火（ライト）を灯す。
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同時に今宵のシノギングのスタート。
前日が雨だった事もあり、薪のコンディションは良くない。まずは少しでも状態の良い薪を探す。埋もれた枝の下の方の枝や、小さな木の近くで雨宿りに成功していた枝、表面は濡れていても芯は意外に生きている太めの枝などなど...今回は皆、慎重に枝を選んだ。その際に小さな鋸があると便利で、落ちている大きな枝や、太い枝もその場で必要分切る事が出来る。またくべる際も手では折れない枝を好みのサイズに切る事が出来る。一度使うと手放せなくなる。
今回の様にコンディションが明らかに悪い時は、潔く固形燃料を使用する。大体5～10分は燃え続けてくれるので、その間に薪を乾かしながら、慎重に、少しずつ火を移していく。ウッドストーブ周りにも濡れた薪を置き、輻射熱も利用して乾かす。
こうした弛まぬ努力の結果、無事火を熾すことに成功。油分を多く含む松が多かったので意外と楽に着火出来た。（煙はすごいが...）

既に皆空腹は頂点。思い思いに調理を始める。その間も、火が燻らないよう注意しながら薪をくべる。忙しいけど、楽しい時間。

一通り食事を終えると、いつも通りの”何でもない時間”。至福の時間。

火を絶やさぬよう薪をくべながら、話をしながら、提灯を眺めながら、そうして夜は更けて行く...

霧雨の中、目を覚ます。どうやら夜中に一雨降られたらしい。先の五角形型で問題なく凌げていた。

今回はトラベルハンモックライトにウキグモのトップキルトをチューブ状にして使用。

両端は絞ってトグルが付いているので、サスペンションキットのラインスリットに引っ掛ける。

後は頭側から開いて中に入るだけ。

就寝前の気温は15℃、湿度高め。保険でヨヒヤミを着て寝たが、寒さは感じずぐっすり寝る事が出来た。むしろヨヒヤミの分、少し暑く感じたぐらいだ。ウキグモのトップキルトのダウン量は150ｇ。少ないながらも、バッフルの幅を広めに取り、ダウンのロフトを最大限に生かしている。トップキルトは追加のアンダーキルトとして使う事も考慮し、多少幅広に作られている。そのおかげで、今回の様にミノムシ型で使用しても、窮屈にならず、快適に使用出来る。しかも実はこのトップキルトもウンカイのようにポンチョ型で着る事が出来る。ウキグモの汎用性の高さを改めて感じさせてくれる。

今日は尾根を少し辿り、下って下山するだけ。ささっと朝食をすませ、ささっと撤収し、出発！