四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
6月23日の「雨を凌ぐ」の様子
多くのハイカーを乗せた陣馬高原下行きの急行バスが出た後にはシノラーだけが残された。マイナーなバス停で降りる我々は、すべてのバス停に止まる次のバスを待つ。
湿度の高い曇り空。これまで雨に降られたことのない「雨を凌ぐ」シノギングだが、今日は午後から雨が降るというのでそれに期待しよう。
とあるバス停で降りた我々は円陣を組んで、地形図とコンパスの扱い方や歩きながら休むことなど、シノギングの心得を確認する。今回のお試しはツユハラヒ、クナイ、ヤマバッグ、ユミハリといったシノギング基本装備。今回参加の7人の侍のうち、実に4人がハカマスカートを着用という、ハカマスカート率の高さに満悦。日本の伝統色を用いているのでツユハラヒと色の重ねが美しい。
ウォーミングアップ?が終わり歩き出す。尾根の末端、祠でもあったのだろうか?崩れかけた石段に導かれるように取り付く。
自然林と植林が左右で入れ替わり、平坦と登りを繰り返す気持ちのいい尾根道だ。
林道に突き当ったところで尾根は削られて崖になっている。直登できそうにないので巻いて取り付ける場所を探す。
しばらく歩いたところでこっそり上の方に続くフミアトを発見。なぜかみんなニヤニヤしながらそのフミアトを辿る。
北高尾の縦走路に合流。ここからお弁当広場の尾根までは一般コースなので時間短縮の早歩き。先頭を任せた3体の凌ぎアンドロイドは急行バスばりに飛ばす飛ばすー。
お弁当広場でハンモックやタープを広げて大人の秘密基地を作る。
タープの先が重なって連なるとちょっとした集落のようになる。
低山小道具研究家の森勝氏はオールウェザーブランケットの正しい使い方を披露する。
ちょうどいいタイミングで雨が降り出すとなぜかそわそわし始めるシノラーたち。タープのガイラインを張りなおしたり、軒先を借りたり、カップラーメンをひっくり返したり、いろいろとやることがあるようだ。
本降りの雨。バスは一時間に一本。撤収するなら今?しかし思った以上に時間がかかってバスを逃したら一時間待つんだけど、どうする?しばらく考えたが頑張って下山して次のバスに乗ると決めて凌ぎはじめる。
しばらくは気持ちのいい尾根を下るだけだったが、林道に出る直前が落ちるような急勾配の藪漕ぎ。顔に張り付く濡れた葉っぱ、湿ってズルズルの足元、見えない足元に木の根のトラップ、悲鳴。
吐き出されるように藪から飛び出たシノラーたちはホカホカのプレミアム肉まんのように湯気を上げている。気が付けばみんなびしょ濡れ。
さあ、バス停までもう少し!
・・・バスになど間に合うわけがない。
朽ちかけた神社の舞台で雨宿り。子供の頃を思い出す。これはこれでいいものだ。
念願の雨のおかげで「雨を凌ぐ」を実践することができ、とても楽しいイベントでした。
参加者の皆さんありがとうございました。
また一緒に凌ぎましょう。
それでは最後に、決して笑ってはいけないヤツ。
近日中に7月のシノギングの募集を始めます。
今回使用した凌ぎアイテム
アメボウシ(絶賛販売中)
ナツボウシ(試作品)
ハチジュウハチヤ(試作品)
ツヅラヲリ(UPDATE版・9月発売予定)
アメノスカート(試作品)
クナイショート(絶賛販売中)
ヤマバッグ(絶賛販売中)
ヌノバケツ(絶賛販売中)
タモツ、ウルオス(ボトルホルダー・試作品)
EXPED Travel Hammock Lite Plus(絶賛販売中)
EXPED Solo Tarp(2018年分完売)
MOUNTAIN EQUIPMENT Goblin Plus 33(2019年モデルバックパック)