四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
三ツ峠山
富士山を見に三ツ峠山にいった。
早朝の電車に乗り込んで三つ峠駅で降りてから、表登山道は達磨石までの間暑い舗装路が続く。
一時間ほど歩いたが身体が重く調子が出ないまま登山道に入る。
やっと日陰になって少し楽になったが今日はすこぶる調子が悪い。
氷で首を冷やし水分補給をしながらのろのろ歩く。
途中、真っ赤な顔をした汗だくの子供がものすごい勢いで追い越して行った。
いうまでもなく、彼は途中でバテていてそれっきり姿を見なかった。
馬返しあたりでようやく身体が軽くなり調子が出てきた。
調子が出てきたからといって早く歩くわけではない。
調子が出ると俄然、山が楽しくなる。
八十八大師を過ぎて道がトラバースに変わると可愛い野の花がいっぱいだ。
屏風岩の下を爽快な気分で歩いて開運山の山頂へ、富士山は残念ながら雲の中だがしかたがない。
御巣鷹山を往復して四季楽園のテラスで昼休憩。
今回は2013年発売予定のEXPEDのバックパックを使っている。
ラインアップの中では軽量の部類に入るが生地も丈夫で安心して使える。
決して軽くし過ぎないのがヨーロッパ流。
パッキングのうまい下手がはっきり出るタイプのバックパックなので使っていて面白い。
他にも試作品をいくつか試しながら、河口湖駅手前まで続く長く緩やかな尾根をのんびり下山する。
これを行けば舗装路を歩かずに駅の近くまでいけるという理由だけで選んだルート。
だが、思いがけずいい森が続きニヤニヤしながら歩く。
長い尾根だが楽しい時間はあっという間に終わってしまう。
カチカチ山ロープウェイの駅を過ぎてからは紫陽花を見ながら下山した。
富士山の景勝地であること、裏登山道からは短時間で山頂に立てること、クライミングゲレンデがあり沢登りも楽しめることなどによって山頂付近はいろいろな人で混雑していたが、これが三ツ峠山の魅力だろう。