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DAZN観戦 2019年J1リーグ第34節 清水エスパルスvsサガン鳥栖

2019-12-11 17:05:12 | サッカー視聴記(2020年以前)

前節で自動降格枠が2クラブとも決定(磐田・松本)し、後は入れ替え戦出場を余儀なくされる16位を決めるだけとなった残留争い。
一時期はJ1総勢クラブの過半数に焦りを生んだ今季ですが、最終節を残してその可能性があるのは、湘南・清水・鳥栖の3クラブに絞られた格好です。(一応、浦和と名古屋も可能性はあったがいずれも得失点差でほぼ残留は確定)

そのうちで胸すく直接対決となったのがこのカード。実際は阿鼻叫喚ものでしょうが
仮に引き分けとなると得失点差で下の清水の方が不利になり鳥栖が残留確定で、かつ湘南(松本戦)が勝つと16位は清水に。
湘南が引き分けの場合も、得失点差により敗戦が許されないのは清水の方という具合に、最後に得失点差がモノを言う展開。やはり札幌戦での0-8が痛すぎる

試合が始まると、双方残留へ向けて気合十分という様相、それ故ボディコンタクトも激しさを増す展開となります。
いきなり鳥栖の攻撃で、豊田が清水・竹内に倒されて反則となりそのフリーキック。
右サイドでかなり手前という位置から、キッカー・小野はファーサイドへのクロスを選択。
頭で合わせた高橋祐治のボールは折り返しとなり、それを豊田がヘディングシュートにいきますが惜しくも枠を捉えられず。
その後21分にも、中盤からのフリーキックで同じような形で豊田がヘディングシュート(枠外)と、このセットプレーでの守備の曖昧さが目立つ事となった清水。

一方清水の攻撃も、セットプレーに賭ける姿勢が強い傾向にあります。
6分に右ハーフレーンやや手前という位置でフリーキックを得ると、キッカー金子のクロスをファーサイドでジュニオール・ドゥトラがヘディングシュート、しかし枠外に終わります。
そして敵陣奥でのスローインでは、二見が助走を大きく取ってのロングスローでエリア内中央へ放り込みと、何処と無く今季のJ2・栃木を彷彿とさせる泥臭さを感じさせます。
しかしそれは戦術面での不安を露呈させるという諸刃の剣。

27節の時点で勝ち点35と、(その27節、湘南に6-0と大勝したのも手伝い)危険水域から脱したと思われた清水でしたが、その後は勝ち点を1しか上積みできない低調ぶり。
再びエース・ドウグラスのコンディション不良が襲い、翌28節・浦和戦で敗戦(1-2)となったのがその始まりで、以降はヘナト・アウグストの離脱(27節で故障、復帰も33節で再び故障?)やファンソッコの一発退場(30節・磐田戦、1-2)など悪い流れを量産してしまう有様。
折しも鄭大世(チョンテセ)の復帰で、「ドウグラストップ下システム」を試そうとしていた矢先の事で、ポストプレイと足元の技術に長けたドウグラスを一列下げたフォーメーションをオプションにしようとしていたのでしょう。(その後再びの鄭の離脱で完全にお蔵入り)
そんな絡め手を考えなければいけないほど、今季の清水の(もっと言えば篠田善之監督の)戦術面の幅の狭さは深刻。
ハードワークと個の力で勝ち点を稼いでいたものの、ここに来てボロが出た格好になって黒星を重ねてしまっている現状。

一度かみ合わせが悪くなると一気に崩れてしまうのは、今季開幕直後の流れでも証明済み。
何とか残留を果たし……という願いも、とうとう最終節までそれは確定せず仕舞い。

迎えたこの日、スタメンは西澤を起用せずにドゥトラ・六平を並べた辺り、ハードワーク・フィジカル重視という開き直りを感じさせるものでした。
立ち上がりこそ鳥栖に決定機を作られたものの、徐々に押し返して攻撃の形を作っていく清水。
31分・34分にそれぞれドゥトラがエリア手前からシュートを放つ(いずれもGK高丘がキャッチ)など、セカンドストライカーとしての期待に応えんというプレーを見せます。

しかし37分、ファンソッコがGK大久保へバックパスするも、これが弱くなった所を鳥栖・金森に奪われるというミスプレー。
飛び出した大久保により金森が倒されるも審判の笛は鳴らずと、心臓が止まるかのようなシーンを作ってしまったファンソッコ、やはり磐田戦での一発レッドの尾を引いているのか。
一方PKをアピールし抗議姿勢を見せるのは鳥栖サイド。
その直後から前半終了まで、埋め合わせとばかりに接触プレーを清水の反則にするシーンが多々見られるなど、今季の審判の不安定ぶりは最後まで健在のようでした。
それでも鳥栖・高橋秀人に警告が出るなど、言い訳の利かない反則で得たセットプレーからチャンスを作る清水。
43分はエウシーニョのシュート(GK高丘がキャッチ)、アディショナルタイムはエリア内でファンソッコ落とす→ドウグラスシュート気味に折り返し→エウシーニョ僅かに合わずと、際どいシーンを描いたのち前半終了。

フェルナンド・トーレスの引退試合を1-6の大敗で終え(24節・神戸戦)、以降「夢の終わり」を告げたかのように、過酷な残留争いを勝ち抜かんとする戦いに足を踏み込んだ鳥栖。
監督の金明輝(キンミョンヒ)氏は、所有戦力を結集させての戦いを選び、夏の補強選手で主力にのし上がったのは金井ぐらい。
パクジョンス(前柏)もチアゴ・アウベス(元清水)も、デビュー戦で得点を挙げた林(特別指定)もさして起用せず、「サガン魂」を蘇らせるかのようにしぶとい戦いを続け勝ち点を拾っていきます。

以降は3勝3敗3分と、完全なイーブンで試合を消化していった鳥栖。
中には27節・浦和戦(0-2から大逆転も、ATにPKを与えて3-3の引き分け)など勿体ない試合もありましたが、降格チームにありがちな大敗劇は見られず、白兵戦を総力で駆け抜けて最終節を迎えたという印象。
そしてこの日も、清水と一歩も退かない白兵戦を演じる事となりました。

ドウグラスと小野の接触による中断で幕を開けた後半。
双方シュートに持っていけない展開が長引く我慢の時間に入りましたが、それに流されてしまった感があったのは鳥栖。
時間が進むにつれて攻撃が単調になっていき、豊田に当てるロングボールへと傾倒していったのは、引き分けでOKという立場からしてのものか。

一方の清水、再びミス(二見がヘディングでクリアにいくも当てられず金森に拾われる)からピンチを招く冷や汗もののシーンを作るものの、ロングボール一辺倒からは次第に脱却。
後方からエウシーニョやファンソッコの持ち上がりで、分厚い攻撃を仕掛けていこうという意図が見えました。
後半17分、エウシーニョの縦パスを河井が受けて反転、相手のアタックに遭いながらもボールは河井→ドウグラス→ドゥトラと繋がります。
そしてエリア内でドゥトラがシュートしますが、ボールはゴール左へと逸れて先制ならず。

後半の初シュートで均衡を破った感のある清水、そしてスコアでも均衡を破る事になりました。
23分、後方でパスを繋ぎ、六平が右サイド奥へロングパスを送るとドウグラスが受けてカットイン。
そしてエリア内に進入した所で豪快にシュート。
角度の無い所から放たれましたが、ボールはものの見事に左サイドネットを捉えるスーパーゴールで、エースの証明を果たしたドウグラス。

一方ビハインドとなった鳥栖、いくら角度の無い場所といえど、フリーでドウグラスに受けさせたうえその後のチェックも甘いのが高く付いた格好となりました。
既に投入されていた安庸祐(アンヨンウ、19分にイサック・クエンカと交代)の存在で、サイド攻撃に活路を見出さんとしてた矢先の失点。
その後も安の右サイドを起点に攻め込まんとしますが、依然としてシュートに持ち込めない状況が続きます。

逆に清水はいささか肩の荷が降りたか、その後はボールキープしての攻めも巧くいくようになります。
33分にはドゥトラ→立田へと交代、3バック(実質5バック)へとシフトする守備固め。
その後も守備一辺倒では無く、鳥栖陣内に攻め込むシーンを見せて時間を進めていきます。
そして40分には再びドウグラスに決定機、クリアを中盤で収めたドウグラスから西澤(河井と交代で出場)へと渡り、西澤は右に流れてから遅攻を開始。
西澤・エウシーニョ・竹内でのパス交換の後、中央で受けたドウグラスがドリブルで単騎突撃、鳥栖選手全員をかわしエリア内に進入してシュート。
GK高丘が辛うじてセーブしますが、勝利への執念を形で表すドウグラス。

鳥栖はジョーカーとして残していた金崎を36分に投入(金森と交代)、その直後金崎はエリア手前右からシュートを放ちます。(清水・立田がブロック)
どうしてもシュートまで持っていけなかった鳥栖、金崎のその姿勢がチームを救う事を期待されますが、時間が経過し守りに入る相手を崩す事はどうしても果たせず。
そしてこの頃、他会場では湘南が先制したという情報を受け、どうしても点を獲らなければならなくなった鳥栖。
終盤は高橋祐を前線に上げ、豊田とともにターゲットにしての完全パワープレイ体制に。
アディショナルタイムも最終盤、放り込みでは無く小野が左サイドをドリブルで仕掛けてからの安のクロス。(41分のチアゴ投入で安は左SHへとシフト)
これを豊田がヘディングシュート、ボールはゴール左上を襲いますが無情にも僅かに外れ万事休す。

そのまま試合終了、自力で残留決定を果たした清水を余所に鳥栖の運命は……。
という悲劇的な流れになるかと思いきや、後半45分に松本の同点ゴールが生まれており、そのまま湘南は引き分け。
得失点差で鳥栖が上回ったため、16位は湘南に決定して鳥栖も無事残留の運びに。
別会場で敗戦した名古屋・浦和ともども締まらない残留となりましたが、残留は残留。

他方、入れ替え戦に駆り出される事となった湘南、相手は徳島。
これで敗戦し降格になると、5度目の降格で最多降格記録を更新してしまう事態にもなるので、意地でも勝たなければなりません。
(現状の最多降格は4度で、札幌・湘南・京都・福岡が並ぶ)


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