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DAZN観戦 2020年J2リーグ第4節 モンテディオ山形vs水戸ホーリーホック

2020-07-14 18:56:21 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の水戸の記事はこちら(2節・群馬戦)

今季の新監督事情の一つとして、石丸清隆・秋葉忠宏・實好礼忠(京都)・奥野僚佑(群馬)各氏と、選手時代はJリーグ初期に入団した方々が目に付きます。(J2初体験は實好氏のみですが)
J誕生時に既に在籍していた選手は「レジェンド」として名高く、監督に就いただけで注目の的になったりもしますが、こうした「活躍はしたけど、スターとまではいかず」といった方達が指導者として奮闘する姿もまた趣あるものです。

さて、今季から山形の監督を務める石丸氏。
かつては愛媛・京都とOB監督としてキャリアを積んできた監督業でしたが、ここに来て山形というゆかりが薄いクラブに就任。
前年昇格争いに加わったクラブを引き継ぐという重い役割に挑みます。
相手の秋葉氏率いる水戸も立ち位置は同じでしょうが、前年の主力がほぼ流出してしまった水戸に対し、ある程度の継続性を持った選手編成の山形。
今季はプレーオフ制度が無いため昇格は厳しい道のりでしょうが、京都でプレーオフに進出した経験を活かす事が出来るでしょうか。

前年の継続性そのままに、監督が代わっても3-4-2-1(3-4-1-2か?)のフォーメーションを基調として今季を戦う山形。
中断期間を経ても、スタメンは三鬼→末吉・小野田→松本と代わったぐらいで、安定した陣容といえるでしょう。
ただしこの日は正GKの櫛引が欠場し、ベテランの佐藤がスタメンに。
前年は控えGKに座ったものの、櫛引が全試合出場したため出場無しであり、チャンス到来の形となりました。
またベテランの本田がベンチスタートで、岡崎がボランチで今季初スタメン。

この日3バックに変形して挑んだ水戸(ンドカ・ボニフェイス、住吉ジェラニレショーン、細川の3バック)に対し、まだ慣れないうちに……という意図があったのか、裏狙いのパスが目立った序盤の山形。
前半6分、ボランチ岡崎の右サイドへのロングパスにウイングバックの末吉が走り込み、水戸・外山のアタックを振り切ってボールキープ。
そしてエリア内へパスを出し、山岸がシュートするもブロックに阻まれます。
ロングパス攻勢が初シュートに結び付き、以降は他の攻撃も有効に。

11分、右→中へのパスワークから中村駿がドリブルで仕掛け、こぼされるも渡邊が拾って好機。
エリア内右からシュートかクロスか見分け辛いボールを入れ、水戸・前嶋にブロックされるも再度中に送りますが、これもンドカがブロック。
13分は敵陣で山田拓巳が奪ってショートカウンター、岡崎のパスを受けた渡邊が再びシュートを放ちますが、ゴール左に外れ先制ならず。

一方の水戸は、自陣でしっかりボールを繋ぐポゼッション型に今季から取り組んでいるようで、3バックで挑むこの日もそれは変わらず。
中盤は安東1人がボランチの通称「1アンカー」で、彼と3センターバックの力で前線を押し上げるという姿を想像しましたが、この日は安東がしっかりと山形にチェックされたためあまり見られず。
反対に、両WB(右・前嶋、左・外山)が異常に下がり目のポジションを取り、ビルドアップの出口役に務めていました。

4バックの際(前回取り上げた2節とか)もそうでしたが、常に6人ぐらいを後方に置き、パスの選択肢を常に多数持たせるようなビルドアップをする傾向が見られる今季の水戸。
それはチーム全体で戦うという意思表示か、あるいは個の力に欠けるための苦肉の策かは不明ですが、落とし込みの段階での秋葉監督の苦心ぶりが窺えるようであります。

それはともかく、この下がり目のWBに出して山形守備陣を寄せてから、素早いショートパスの連続で逆サイドへ展開しフリーに近い状態を生み出す。
そんなビルドアップが主な前進方法だったこの日の水戸。
序盤の山形の裏狙いに対応できるようになると、次第に内容も押し気味に。
18分、右の前嶋に振ってから戻しを受けたンドカが縦パス、村田→奥田と渡り、奥田がドリブルで仕掛けます。
一旦こぼされるも松崎が奪い返し、再び受けた奥田がエリア内でスルーパス、これを中山仁がダイレクトでシュートしますがGK佐藤が至近距離でセーブ。
前半最大の好機でしたが、前目のポジションを取っていた佐藤が戻りながらの片手セーブで防ぎ、久々の出場で好プレーを見せました。

飲水タイムを挟んだ後は一進一退に。
水戸はコーナーキックを多く得るも得点には結び付かず、山形も長短織り交ぜた攻撃を見せますがシュートまでは行けず、という内容。

そして終了間際の44分に際どいシーンが。
右サイド奥からのスローインという山形の攻撃、末吉がパスを散らして組み立て、受けた渡邊がクロス。
これがブロックに入った水戸・安東に当たってそのままゴールに向かうと、バーを直撃する惜しいボールとなり、水戸サイドは冷や汗。
尚も大槻が拾い攻撃を続けた山形ですが、シュートを撃てずに攻撃終了。
結局スコアレスのまま前半を終えます。

ハーフタイムでの交代は無く迎えた後半。
水戸は前半の繋ぐサッカーから一転、序盤に山形がやったようなロングパスを交えて状況の打開を狙います。
そしてショートカウンターの好機を得たのも山形と同じで、後半3分に松崎がボールカット、彼のパスを受けた村田がそのままドリブルシュート。
エリアすぐ手前から放たれた強烈なボールは、辛うじてGK佐藤がセーブし左ゴールポストを叩くという結果で山形サイドは命拾い。

多彩な攻撃を見せる水戸ですが、逆に変化を付けるのが仇となった場面も。
9分の左CK、外山はショートコーナーを選択するも、受けた松崎がトラップミスで山形・末吉にボールを掻っ攫われる失態。
ここからカウンターを受ける破目となり、何とか防いで今度は山形のCKになるという、何ともいえない展開を描きます。

そしてここから山形が攻勢に転じ、それが実ったのが14分。
水戸のゴールキックを跳ね返してからの攻撃で、渡邊が拾ってそのままドリブル、エリア手前まで進んだのち左足でシュート。
見事にゴール左下を捉え、欲しかった先制点は山形が奪いました。

一方ミスから流れを失った感のある水戸、失点直後に安東→山田康太・松崎→山口へと交代(村田が右シャドーに移り、山口が左シャドー)し、ネジの巻き直しを図ります。
山田康へと変わったボランチも、相変わらず山形のチェックが激しく中々機能せず。
しかし山口への交代は吉と出て、以降左サイド深くに切り込む攻めを見せます。

そして22分、山口のスーパーゴールが炸裂します。
細川縦パス→山口ポストプレイを経て左サイドで攻撃を作り、山口がボールを受けて前を向いたものの、ゴールへの角度は斜め45度ぐらいのエリア外。
それでも果敢に右足でシュートを放つと、弧を描いてゴール右へと突き刺さるゴラッソ。
この日当たっていたGK佐藤も及ばなかった同点弾となりました。

以降は水戸がイケイケ状態で、25分には今度は外山がエリア内左からシュートを放つもサイドネット。
飲水タイムを挟んだ27分には再び山口が、今度は右サイドに張り出し、前嶋のパスを受けてクロス気味にシュートを狙いますがこれもサイドネット。
ホームではありますが、完全に水戸の勢いに呑まれていたこの時間帯の山形。

尚も攻勢を掛けんと、水戸は30分に住吉→平野、中山仁→アレフ・ピットブルと再び2枚替え。(山形は26分に大槻→中村充孝に交代)
従来の4バックにシフトし勝負を賭けます。
31分には左からの山田康のクロスがクリアされるも、こぼれ球を奥田が拾ってシュート(DFに当たり右に外れる)。
33分もクロスが弾かれた後のクリアボールが山田康の下に渡り、そのまま山田康のミドルシュートが炸裂するもこれもDFに当たって上に逸れ、押し気味ながらも2点目は得られない水戸。

流れが来ない山形、32分には本田・三鬼を投入(同ポジションで岡崎・末吉と交代)。
ベテラン本田の存在で、試合を五分に戻す事には成功するも、得点の匂いは漂わず。
39分に敵陣で奪ってから、山田拓のクロスに三鬼がヘディングシュートを放った(ゴール右に外れる)のがその後唯一のシュートだったでしょうか。

最終盤にも、平野がミドルシュート(GK佐藤キャッチ)、ピットブルがエリア手前右からシュート(ゴール上に外れる)と攻める事を止めなかった水戸。
それでもスコアは動く事無く、引き分けで勝ち点1を分け合う結果となりました。

この日の後は中3日で水曜にも試合が組まれている次週のJ2。
それを考慮してか、山形は本田がベンチスタートで途中出場、水戸も山田康が同じく途中出場。
過密日程をどうやり過ごすかというテーマも重くのしかかる今季。
この日から(一部ながら)戻った観衆の足という要素も含め、「シーズンを戦う」意識が本格的に漂ってきました。


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