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DAZN観戦 2020年J2リーグ第5節 栃木SCvs大宮アルディージャ

2020-07-16 17:19:33 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の大宮の記事はこちら(2節・千葉戦)

開幕4連勝で首位に立つ大宮。
大量点で派手な試合といった内容は無く、堅実に勝ち点3を積み重ねるスタイルを貫いての結果の表われでしょう。
前節・ヴェルディ戦は、ボールポゼッションを高める相手を尻目に、序盤の先制点を守り切っての勝利。
ヴェルディのポゼッションは70%という高水準でしたが、反面シュート数は9本に抑える堅守ぶりと、持ち味は存分に発揮しました。

しかしこの日の栃木戦は、ポゼッションに拘らない同じく堅守を売りにするチームで、前回と全く違うスタイルの相手にどういったゲームプランを取るか。
おまけに中3日での試合でスタメンを5人入れ替えで挑むなど、苦戦の要因はそこかしこに転がっていました。
放送の中では「2チーム分の戦力があるのが今季の大宮」といったワードが語られていましたが、サブ中心故の綻びは大抵の場合確実に何処かに見られるものです。

試合が始まり、栃木は前年終盤の、残留争いを勝ち抜いた際とほぼ同じスタイル。
ハードワークを重視しつつ中央を固め、ロングボールを主体に数多のスローインを絡めての漸進戦術をこの日も貫きます。

それでも選手のクオリティ的に上回っている(と思われる)大宮は序盤からチャンスを作ります。
前半4分のコーナーキック、キッカーのイッペイ・シノヅカのクロスに、ニアサイドで翁長が頭で合わせるも枠外に。
11分には逆に相手CKからのカウンター、左サイドをシノヅカがドリブル突破。
カットインの後エリア内にスルーパスを送り、走り込んだ戸島がシュートするもGK塩田が抑えてゴールならず。
ロングボール主体で、かつターゲット役の韓勇太(ハンヨンテ)が15分に警告を受けた栃木が攻めあぐむ間に、先制点を奪わんと好機を作っていく大宮。
しかし前節と違い、中央を固める栃木に対してそれは叶わず飲水タイムに突入。

すると再開後、次第に栃木もシュートに持ち込む場面が増えてきます。
26分、右サイドバック・大島(本来はFWとの事)が右サイド手前から低いクロス。
ニアサイドで韓が潰れ、明本がスルーをした先に居た森がシュートするも、GKフィリップ・クリャイッチがキャッチ。
32分は敵陣で禹相皓(ウサンホ)がボール奪取し榊→韓と渡るもこぼされ、拾った大島が遠目からミドルシュートを放つも枠外に。
38分にも禹からで、彼のスルーパスから左サイド奥でパス回しの後左サイドバック・瀬川がクロス。
DFに当たって中央へこぼれ、大島がそのボールをシュート。
これはゴール右に外れてしまいますが、相手陣内奥で形を作り、かつサイドバックが奥に入る攻めを見せた栃木。

大宮サイドも応戦。
30分は小島が右サイドへロングパスを出し、走り込んで受けた渡部がクロス。
クリアされたボールに小島が走り込み、シュートを放つも当たりが悪く枠外に終わります。
40分はシノヅカが個人技を見せ、右サイドでの組み立てから、パスを受け取るとエリア内へカットイン。
そして斜め45度ぐらいから果敢にシュートを放ちますが、綺麗なグラウンダーのボールはゴール左に外れ得点ならず。
結局スコアレスで前半終了の笛を迎えます。

奇跡的ともいえたJ2残留からオフを経て、選手編成も大幅に入れ替わりを見せる事となった栃木。
目立つのは矢野・エスクデロ競飛王・韓・有馬と攻撃的な選手の補強ですが、この日スタメンのGK塩田・センターバック高杉・ボランチの佐藤・禹と、その他のポジションでも戦力アップを図っています。

ホームで今季初めて有観客試合となったこの日の栃木県グリーンスタジアム。
本来ならば、新スタジアムである「カンセキスタジアムとちぎ」が5月にこけら落としとなるはずでしたが、延期の影響で取り消し・未定に。
芝のコンディションに不安を抱え(一応オフに張り替え予定との事だったらしいが敢行されたのだろうか)、かつ施設面でのライセンス不備(屋根・トイレの不足)という旧本拠地を現在も継続使用。
何処と無く、前年終盤の白兵戦ともいえる戦いを継続している栃木の現状を示しているようでもあります。
戦力が大幅に入れ替わっても、行われているサッカーの変化は見られない栃木。
田坂和昭監督の覚悟が伝わってくるようで、そこにはかつて大分・清水で監督を務め降格に関与してしまった姿はもう無い、とは言い過ぎでしょうか。

天候の悪さもあり、白兵戦の様相が一層強まった感のあるこの試合。
栃木は後半から、警告を受けていた韓に代えて矢野を投入します。
後半は激しい身体のぶつかり合いで幕を開け、その際に大宮・戸島が脳震盪を起こしたか後半3分に途中交代。(ネルミン・ハスキッチを投入)
リズムが乱れた大宮を尻目に、序盤ペースを掴む栃木。

1分にいきなり矢野の落としから森がボレーシュートを放った(ゴール右に外れる)のを皮切りに、何度もエリア内に入り大宮を脅かします。
8分は森のパスカットから右サイドで明本がクロス。
矢野が合わせにいくもクリアされ、こぼれ球を森がエリア外へ戻し、瀬川が走り込んでシュート。(枠外)
9分はゴールキックから、空中戦を矢野が収めて攻撃開始、パスを受けた瀬川が左サイドをドリブル。
瀬川のクロスを矢野が胸で落とし、拾った森がエリア内左を抉るもシュートは撃てず。
交代出場の矢野が、ベテランらしい味のあるポストプレイを何度も披露し好機を作っていきます。

そして13分。
切欠は大宮GKクリャイッチのキックミスで、左サイドを狙ったフィードが伸びずに明本がカット。
そのままドリブルで一気にエリア内に進入し、大宮ディフェンスは河面・石川が対応するも、石川のスライディングで明本が倒れてしまいます。
そして主審の笛が鳴り反則・PKとなる、GK含めた大宮ディフェンス陣にとって高く付いた格好となりました。
このPKを任されたベテラン・矢野が冷静にゴール中央へ蹴り込み、ネットを突き刺し先制に成功した栃木。

ビハインドとなった大宮、すかさず石川→大山・シノヅカ→奥抜と2枚替え。
失点に関与してしまった石川、その直後に交代と不本意になってしまいましたが、ドイスボランチを揃って代えて挑んだ(三門・小野はともにベンチ外)事が仇になったという絵柄に。

反撃したい大宮ですが、相変わらず堅守かつ球際に激しい栃木に対し苦戦気味。
開幕節以来の出場となったハスキッチですが、バックパスが乱れてタッチを割ってしまう(18分)など、新助っ人にとって定番の課題である連携面で今一つ。
役割の一つであるポストワークも目立った所はありませんでした。
大宮が4-4-2にシフトし、終盤にシュートシーンが何度か見られただけに、1トップには不向きなだけかもしれませんが。

そしてこれまでの試合は異なる「ボールを持たされる」展開を強いられる大宮。
こうなると爆発力が無いという弱点が最後まで付き纏う事となります。
逆に栃木は露骨なカウンター狙いにシフトし、以降も19分の矢野のヘディングシュート(GKクリャイッチキャッチ)など好機を散発的ながらも見せます。
37分のかなり手前からのフリーキック、キッカー・エスクデロ(榊と交代で出場)のクロスに、ファーで柳の折り返しを高杉がボレーシュートしたシーン(マクシメンコのブロックに阻まれる)が最も惜しかったでしょうか。

30分、大宮は山越に代えてヴィターリス・マクシメンコを投入。(同時に翁長→近藤と交代)
これでクリャイッチ・マクシメンコ・ハスキッチの新助っ人3人が同時にピッチに立つ事になりました。
マクシメンコは初出場ですが、後の2人もこの日が2試合目なので大して変わらずと、フィットする事の難しさを痛感します。
しかしマクシメンコは本職のセンターバックでは無く左サイドバックに入り、それと同時に4-4-2にシフト。

布陣変更もあり、その後も中々攻めれずにいた大宮ですが、試合終了が近付くにつれて馴染んできたか好機を作ります。
マクシメンコが奥まで進入してクロスを上げる場面が目立ち始め、アディショナルタイムにはハスキッチが2本シュート。
1本目は大山のロングパスを収めてから撃ったシュート。(枠外)
そして2本目、河面のロングパスから渡部ヘッド→近藤落としを受けてのシュート、これがGK塩田が足で辛うじてセーブする惜しいものでした。

最も悔やまれた大宮の好機は45分。
マクシメンコのグラウンダーのクロスを奥抜がエリア内中央で受けると、栃木のマークはフリー。
当然奥抜はシュートを放ちますが、枠を捉えられず(ゴール上に逸れる)という結果に終わりモノに出来ず。

結局同点に追い付く事は無く、大宮は初黒星で2位に後退する事となりました。
気掛かりなのはやはりドイスボランチで、前年組む事が多かった石川・小島。
気心知れており不安は無いはずでしたが、石川は今季初スタメン、小島は中断明け後初スタメン(開幕節ではスタメン)となった事が災いしたでしょうか。
三門がベテラン故無理が効かず、小野は今季が実質1年目というのが現状のレギュラーなので、両名をカバーするためにも今後の2人の奮起が待たれる所です。


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