ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2020年J2リーグ第7節 ジュビロ磐田vs徳島ヴォルティス

2020-07-27 18:54:16 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(4節・琉球戦)

ともに勝ち点10でかつ、J1昇格を目指す気満々のクラブの対戦。

3勝はいずれも複数得点差で勝利という具合に、地力の差を見せ付けている徳島。
しかし前節は、同じ上位の福岡相手にどうしても1点が取れずウノゼロの敗戦。
中下位が予想されるクラブ相手に取りこぼさないのも重要ですが、長いシーズン内には何処かで上位を叩かなければならない試合もあるのが常。
レギュラーの微調整が得意である(と個人的に思っている)リカルド・ロドリゲス監督も、今季は水曜に試合がある週が多いため、疲労によるターンオーバーが主で中々行われていない様子。
そんな中でも正GKが上福元→長谷川に代わったり、田向がディフェンスラインの一角に収まったりと、修正は幾つか見られています。

キックオフから、徳島は盛んに長短のパスを織り交ぜて敵陣に攻め込むも、決定打は出ず。
前半3分に、中央センターバックの石井から長いパスで左へ展開、これを受けた清武から田向へ。
すると田向はDFながらもドリブルで前進、そしてエリア脇からグラウンダーでクロス。(カットされる)
シュートには繋がらなかったものの、DFの果敢な切り込みが後の伏線となります。

磐田側が5分、松本のエリア内右からマイナスの折り返しに、上原が走り込んでシュート(ゴール左に外れる)というチャンスを見せた後の徳島の攻撃。
右コーナーキックを獲得すると、キッカー藤田征也はゴールからやや遠めの中央へクロス。
これに清武が後方から走り込んでノーマークでヘディングシュート、豪快にネットに突き刺して先制ゴール。
今季冴え渡るセットプレーをこの日も発揮しました。

その後磐田はボールを握って反撃体制に。
CBの右脇にボランチの一人が降りて来て(上原・山本どちらかは決まっていない)のビルドアップが基本形で、左右へのグラウンダーの長いパスを中心に組み立て。
これに縦パスからのルキアンのポストプレイを交えてパスを回していくスタイルで、何処にでも降りて来るルキアンの他、頻繁に逆サイドに張り出す左サイドハーフ・大森の存在もあり重厚な攻撃を仕掛けていきます。
18分にはルキアン・大森のそんな動きを交えつつの長いボールキープを経て、最後は上原がミドルシュートを放つも枠外に。

しかしボールポゼッションは徳島自身のスタイルであり、見慣れたものでもあるでしょう、徳島守備陣を揺さぶる事はあまり出来ずに時間を浪費。
すると21分の徳島の攻撃、藤田征の右サイドからのクロスがブロックされてのスローイン。
エリア内に投げられたボールを垣田がポストプレイ、これに内田が後方から走り込んで受け、そのままエリア奥に入ってシュート。
ブロックに入った藤田義明の振り上げた腕に当たり、当然ハンドの反則でPKに。
内田の果敢なプレイで得たPK、キッカーの岩尾がしっかりとGK八田の逆を突き、早い時間帯で追加点。
前年盛んに見られた、DFが積極的に仕掛ける徳島の攻撃がようやく戻って来たと思わされた序盤でした。

直後に飲水タイムを挟んだ後、互角の展開を描いた後は、磐田が一方的に攻撃を仕掛ける展開になっていきます。
31分の右からのCK、キッカー山本の中央へのクロスがこぼれた所を伊藤がシュート、徳島・内田にブロックされた後さらにエリア外で上原がシュートするもゴール左に外れます。
43分、右サイドで山本のパスがこぼされたボールを松本が拾い中央へ。
その後小川大貴→小川航基→ルキアンポストプレイと繋がり、小川大がシュート。
徳島・内田にブロックされて右CKとなり、山本の中央へのクロスに、これまで消え気味だった小川航がヘディングシュートを炸裂させるもGK長谷川がセーブ。
ゴールバーに当たったボールをルキアンが詰めるも、突き刺さったのはサイドネットで得点ならず。
2点差のまま前半を終える事に。

前年J1最下位で2度目の降格と、汚泥に塗れた1年となってしまった磐田。
これで94年以降~J2創立前にJ参入を果たしたクラブは、いずれも2度以上降格を経験した事になりますが、京都・福岡そして磐田以外のクラブは現在J1。
湘南・柏・セレッソ・神戸・札幌の5クラブがその内訳ですが、苦労の末サッカーに一定のアイデンティティが確立された感がある顔ぶれ。まあ監督人事に成功しただけ、という側面もありますが

そんな訳で、磐田が再浮上を目指す道もまさにそこだと思われ、前年からフェルナンド・フベロ監督の続投が決定。
降格となってしまったものの、前年終盤には上昇の兆しが見られた星取でシーズンを終え、続投は至極当然であったでしょう。
継続性を持って今季に臨みましたが、J2という決して楽では無い舞台で果たして磐田のサッカーが確立出来るのか。

これまで6試合中、5試合でポゼッションで相手を上回っている辺り、一定のボールを握りたいという意思はあるようです。
しかしガチガチのパスサッカー、という感じでは無く。
ルキアンや大森を動かしつつ、スペースを作って崩していくのが狙いでしょうか。
しかし守備を固める徳島に対して、「リードされたチームがボールを持たされる」という域を出ず、それは後半も同様でした。

ルキアンのその能力の高さは、後半開始早々露わに。
後半1分に松本が右サイドへ長いパスを出すと、それを拾いにいったルキアン、徳島・田向をあっさりと追い越してライン際でトラップ。
大きくなったトラップを、尚も反転して拾いにいったルキアンにスピードで翻弄される田向、両者もつれ合って倒れてしまいます。(反則は無し)
彼の「何処にでも顔を出すポストワーク能力」を支える脅威のスピードが垣間見えたシーンでしたが、それが決定打にならないもどかしさ。

ルキアンとは反対に、中央に構えて守備を威圧する反面、この日はCKからの決定機以外はあまり目立たなかった2トップの片割れの小川航。
開幕節(山形戦)の2ゴールで一躍警戒される存在になり、以降は対策も進んだのか彼の得点力が火を吹く事は無く、日程を消化しています。
そしてこの日も同じで、そのまま14分に中野と交代。
彼が磐田を覆うもどかしさの殻を破る日は来るでしょうか。

ボールを握るも、前半と違いシュートに持ち込めない磐田。
それを尻目に徳島サイドは、後半頭から出場した渡井(杉森と交代・同時に清武→岸本に交代)が随所で積極的なプレーを見せます。
18分、クリアされたボールを渡井が拾いカウンターの流れに。
垣田にパスを出した後、その垣田のヒールパスを受け取りドリブル体勢に入るも、藤田義に倒され止められます。(こぼれ球が繋がったため反則無し)
この後西谷が拾いドリブルシュート(枠外)を放っただけに、見せ場を奪われた格好となった渡井。
21分には長いポゼッションでの攻撃から、右サイド奥でボールを受けた渡井。
磐田ディフェンスに囲まれるも、ここから2人かわしてエリア内に進入する突破力を披露。(この後クロスを入れるも合わず)
28分に先程のお返しというようなドリブルシュートを見せた(枠外)渡井、この日は結果には繋がりませんでしたが、地元への凱旋試合という事で気合十分のプレーは示せたでしょう。

34分、中野がエリア内左でボールを持ち、手前に切り返してからシュート。
これを顔面でブロックした徳島・田向が、鼻血を出してしまいピッチ外へ出てそのまま途中交代。(福岡と交代)
これが号砲となったか、終盤に来てようやく磐田がシュートを浴びせる展開に。
37分、針谷(山本と交代で出場)の縦パスをエリア内でルリーニャ(上原と交代で出場)が受け、右サイドに流れた後に櫻内(小川大と交代で出場)がクロス。
ファーサイドで中野がヘディングシュートをネットに突き刺すも、サイドネットで残念無念。
45分にはクロスをGK長谷川がパンチングするも、そのボールをPアーク付近の中野が拾う好機。
飛び出してきたGK長谷川をかわす中野のパスを受けたルキアンがシュートするも、戻りながら長谷川がセーブしてCKへ。
そのCK、キッカー針谷のクロスは跳ね返され上空へ上がると、これをルリーニャがヘディングシュートに持っていきますが惜しくもゴールの右。

結局得点が生まれる事は無く、アディショナルタイム3分頃から徳島がパスを回すシーンを描いたのち、試合終了と相成りました。
磐田のやりたい事は理解出来た試合でしたが、先行されて守りを固められるとやはり爆発力に欠けるため厳しいという印象でした。
それは今までの試合(特に岡山戦や福岡戦か)でも十分味わったはずで、今後改善して昇格のための勝ち点を稼ぎたい所でしょう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2020年J1リーグ第6... | トップ | DAZN観戦 2020年J2リーグ第7... »

コメントを投稿