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DAZN観戦 2020年J2リーグ第4節 FC琉球vs徳島ヴォルティス

2020-07-15 18:18:38 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(1節・ヴェルディ戦)

前年旋風を巻き起こした琉球の序盤戦。
J2に昇格したてのチームが、まさかの開幕4連勝。
ホームでの不敗神話も手伝って、僻地からやって来た男達は只者に非ずという印象を残しました。(前年6月22日・19節甲府戦で不敗神話はストップ)

しかし今季の滑り出しは正反対で、未だ勝利無く。
前節・北九州戦は0-4の大敗、ポゼッションでもシュート数でも下回る良い所無しの結果に終わりました。
折しも今節から観客動員出来るようになったホームに戻り、サポーターの力を受けてこの苦境を跳ね除けたい。
何かに縋りたい状況、といえば失礼でしょうか。

同じポゼッションスタイルを基調とする徳島との一戦。
「相手の良さを消す」のではなく「自分たちのサッカーを貫く」というイメージが強い徳島が相手という事が影響したか、この日は前節とは一転して持ち味を出す事には成功します。
しっかりと後方からビルドアップし、ポゼッションだけで無く、フィニッシュまで持っていく攻撃を見せる琉球。

前半7分、中盤での知念(この日J初出場のセンターバック)のパスカットから敵陣でパス回し。
風間宏希がボールを散らした後、兄弟の風間宏矢が縦パスを出し、阿部のポストプレイを受けて果敢にミドルシュート。(GK長谷川セーブ)
前節までの嫌な空気を払拭するには十分な攻撃でした。

対する徳島も攻勢に出て、試合は撃ち合いの様相に。
10分の徳島、岩尾縦パス→河田ポストプレイ→杉森ドリブルを経て、杉森がエリア手前右から果敢にシュート。
DFに当たってコーナーキックとなり、梶川のニアサイドへのクロスに岸本がヘディングシュートを放つも枠外に。
20分の琉球、李栄直(リヨンジ)から右に展開し鳥養→風間宏希と渡り、風間宏希は果敢にミドルシュートを狙うもGK長谷川が片手でセーブ。

お互いにシュートを撃つ展開ながら、GK長谷川のセーブが目立っていた分琉球が多少優勢に見えた序盤戦。
しかしその直後、先制点は徳島の下へ。
22分、石井のパスカットから岩尾が難しい体勢で前線へ繋ぎ、受けた西谷がドリブル。
エリア手前で切り返してから、これまた果敢にシュートを放つと、コース上に居た杉森に当たってコースが変わりゴールの中へ。
西谷の積極性が生んだゴール(得点は杉森)でしたが、杉森に当たった際に腕に当たったようにも見え、琉球サイドからすれば釈然としない得点でもありました。

先制した徳島でしたが、その後はペースダウンしたようにも見え、マイボールになっても深入りする場面は殆ど見られず。
3バックの左右片方を大きく張り出させてのビルドアップは今季も健在ですが、内田裕斗(鳥栖に移籍)を失った現在は、そこからの攻撃の迫力に欠けている印象。
ドゥシャンが故障離脱中なのもあり右センターバックは内田航平、左CBには新人の安部という、苦しそうな陣容なのも影響したでしょうか。

そんな相手方の事情もあり、先制された琉球は以後攻勢に。
ポゼッションだけで無く、中盤でのディフェンスも目立ち、数多くチャンスを作ります。
特にこの日トップ下で今季初スタメンとなった小泉の動きが光り、度々パスカットに成功していました。

30分、パスワークから一転して風間宏希がエリア内右へロビングを上げると、鳥養が頭で折り返し。
こぼれ球となり、走り込んだ茂木が浮き球をダイレクトシュートするも枠外に。
35分にはCKから、クロスの跳ね返しを小泉がボレーシュート、これを阿部が触ってコースを変えるも枠内には入れられず。
41分には小泉がパスカットしてそのまま攻め上がり、エリア手前でキープを見せたのちエリア内左へパス。
受けた茂木がシュートを放つもサイドネットで得点ならず。
攻勢は見せた琉球ですが、ビハインドのまま前半を終えます。

後半頭、先に動いたのは徳島の方で、西谷→渡井・安部→田向と2枚替え。
やや良くない前半終盤の流れだったのが影響したでしょうか。

後半立ち上がりは激しいボールの奪い合い・身体のぶつかり合いで幕を開け、双方中々チャンスを掴めず。
そんな展開から、先に琉球が好機。
後半5分右サイドで攻撃を組み立て、阿部ドリブル→風間宏矢クロス→茂木落としという流れから、沼田のボレーシュートが炸裂するもまたもGK長谷川がセーブ。
リバウンドを風間宏希がシュートするも惜しくもゴール上に外れます。
しかし流れは掴んだ琉球、その直後でした。
敵陣でのルーズボールを茂木が拾い、彼のパスを受けた小泉が、相手のエリア内の陣形が整わないうちに早めにクロス。
これが功を奏し、走り込んだ阿部が右足で合わせると、GK長谷川のセーブも及ばず左サイドネットの内側に突き刺さりました。

早い時間に同点に追い付き、ホームのボルテージも上がります。
尚も10分、風間宏矢の右サイドのドリブルからパスワークで中央へ。
小泉のパスから風間宏矢がシュートを放つもゴール左に外れます。
13分は左サイドで沼田・茂木がパス交換の後、戻してから右に展開。
鳥養のクロスに小泉がヘディングシュートするも、ブロックに遭いゴールならず。

続く琉球の攻勢に、徳島がどう対応するかの様相にもなってきた試合。
既に2枚替えを行っていたものの、尚も12分に河田→垣田に交代。
18分には清武→藤田に交代(右ウイングバックに入り、岸本が左WBに移動)と、早めの動きを見せるリカルド・ロドリゲス監督。

2節・愛媛戦で、前半に3点リードを奪いながらも大逆転負けという結末を描いてしまって以降、今一つリズムに乗れない印象の徳島。
前節(京都戦)は苦しみながらも1-1の引き分け、そしてこの日もこれまでペースを握られ苦戦中。

今季から背番号10を付けているのは渡井。
新人時代であった前年の活躍を評価しての事でしょうが、今季の彼の出足は順風満帆とはいかず。
故障の影響で開幕には出遅れ、中断が長引いたため復帰するも、途中出場でピッチに戻った2節にあろう事か上記の大逆転負けを経験してしまいます。
思えば前年のプレーオフ決定戦も、渡井の途中出場から潮目が変わってしまい、同点に追い付かれる結果に。
彼の責任とは言い難いですが、こうした結果が続けば「ツキが無い」というイメージにも繋がりかねません。
払拭するには自身の大活躍が必要である。
そんな事を勝手に思っていましたが、この日の渡井はここから十二分の結果を叩き出す事となります。

4枚目の交代の直前の16分。
ゴールキックを中盤で垣田が落とし、ここから杉森がドリブルで好機。
左に展開し、清武のクロスに垣田が合わせにいくも倒されて撃てず、反則無しで攻撃終了。
シュートは撃てなかったものの、ロングボールからの攻撃が一つ形になった事がヒントになったでしょうか。

23分、琉球が一挙に3枚替え(風間宏矢→田中・茂木→富所・阿部→上原)を敢行した所で飲水タイムへ。
その後琉球の攻勢が続き、25分・26分ともに敵陣でのパスカットからエリア内に持ち込む好機。(シュートは撃てず)
これを受けた徳島は27分、内田のロングパスで一気にビルドアップ。
一旦奪われるも藤田が取り返し、垣田→杉森と渡り、杉森がエリア手前左からシュート。(GKカルバハルセーブ)
そして28分に鈴木を投入(杉森と交代)し、これで交代枠全てを使い切り勝負を賭けた徳島。

渡井の躍動はここからでした。
31分、梶川が右に展開し、受けた藤田が一気にスルーパス。
走り込んだ渡井は、琉球・知念のアタックを振り切り抜け出し、奥からカットインでエリア内へ。
そしてGKカルバハルと対峙すると、ゴロのシュートで見事にカルバハルの股抜きに成功し、貴重な勝ち越しゴールを挙げました。

得点に執念を燃やしていた所に、冷水を浴びせられるような失点をした琉球。
前半のプレースキック役は風間宏希・茂木と流動的でしたが、この勝負所ではベテラン上里が全て担当します。
34分に徳島・藤田の反則で得た左サイドからのフリーキック、上里のクロスから上原がヘディングシュートを放つも、GK長谷川がセーブ。

どうしても特典が奪えずにいた所に、徳島のカウンターが炸裂したのが36分。
鈴木が左サイドのスペースへスルーパス、これに垣田が走り込んで受け、一気にエリア左脇まで駆け上がり。
そしてグラウンダーでクロスを入れると、ニアサイドに走り込んだ渡井が左足インサイドで合わせてゴールイン。
この日2点目は決定的な追加点となりました。

その後も琉球は攻めるのを止めず。
相手を押し込み、CKも4本得たものの、最後まで2点目が生まれる事は無くタイムアップ。

見事に背番号10に恥じない活躍を魅せたこの日の渡井。
前年10番を務めていた狩野(先日引退を発表)があまりピッチに姿を見せなかっただけに、「徳島の10番」というイメージを定着させられるか。
その勝負は始まったばかりですが、重要なシーズンとなるでしょう。

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