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DAZN観戦 2020年J2リーグ第7節 V・ファーレン長崎vs京都サンガFC

2020-07-28 18:14:51 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(3節・福岡戦)
※前回の京都の記事はこちら(5節・北九州戦)

無敗、しかも引き分けも僅か一度だけと無類の強さを発揮している長崎。
しかし4節(愛媛戦・2-0)以外は全て1点差での勝利と、相手を圧倒して……という試合では無いのがミソでしょう。
果たして相手との僅かな差を悉くモノにしているだけなのか、あるいは点差以上の横綱相撲を発揮しつつあるのか。

開始直後の前半2分、右サイドからのフリーキックを得た長崎。
キッカー秋野のファーサイドへのクロスを、フレイレが折り返すも二見には僅かに合わず。
しかし問題はその後で、着地に失敗したフレイレは、あろう事か競技場部分のコンクリートに身体を叩きつけてしまいます。
肩を激しく痛め、その後復帰して気丈にプレーしたものの、早くも不安要素を抱える事となった長崎。

それでも長崎は序盤からゲームを支配。
試合毎に微妙にフォーメーションを弄り、3-4-2-1や4-2-3-1も併用する中、この日は基本形であろう4-4-2。
2センターバック(フレイレ、二見)+ドイスボランチ(秋野、カイオ・セザール)のボックス型でのビルドアップを基調とし、攻撃の形を作っていきます。

その長崎のビルドアップの様子を観ていると、時間帯ごとに、テーマを持っているような感じが見受けられました。
序盤のセットプレー攻勢が終わった後、16~18分には、FW富樫が降りて来てのポストプレイを絡めての攻撃。
そこから17分には、亀川の左からのクロスが跳ね返された後カイオが拾ってミドルシュート。(ゴール左に外れる)

京都の反撃を挟んだ後の23~24分、今度はフレイレの右→左へのサイドチェンジのパス、これが3度も行われます。
これを受けた亀川はいずれも中央のカイオへパス、という所までパターン化していたこの時間帯。
結局ルアンの遠目からのシュートがゴール上に外れた(24分)所で、飲水タイムに突入。

そんな遅攻の長崎と相対した京都。
前年は「3トップのポゼッションスタイル」として名を馳せ昇格争いに絡んだものの、今季はポゼッションでは目立った数字を残せず。
今季から監督を務めるのは實好礼忠氏、コーチとして前年のサッカーに拘わっていましたが、やはり大幅に選手が入れ替わっては継続するのは困難なのか。

ビルドアップは3バックの両CBが左右に開き、そこにボランチ・庄司が降りて来るという、「ミハイロ・ペトロヴィッチ(現札幌監督・以下ミシャ)式」と呼ばれる形。
それをなぞってはいるものの、前半はまるでボールを前に運ぶ事が出来ず。
ミシャ式の申し子というべき森脇が故障離脱中なのも響いたか、長崎にペースを握られっぱなしで時間を消化していきました。

飲水タイム明けも長崎の攻勢は変わらず。
右サイドでのボール奪取からショートカウンターを2度見せた後の、29分でした。
左サイドで亀川のスルーパスを受けた澤田、奥まで進入するも戻して遅攻の構え。
ボランチのパス交換からさらに最終ラインに戻り、ここからゆっくり押し上げるかと思われた刹那、フレイレが左へ縦パス。
これを左ハーフレーンで受けた澤田、京都の中央が整う前にエリア手前からクロスを上げると、ボールは守備の居ないファーサイドへ。
FW富樫が素早く落下点に入り、目一杯跳んでのヘディングシュートは見事ゴール右を捉え、先制に成功。
遅攻から一転しての縦に速い攻撃が炸裂した瞬間でした。
これまで同じパターンの攻めを繰り返し、印象付けに成功したのも京都の対処の遅れに繋がったでしょうか。

その後は前半終了まで、サイドハーフのルアン・澤田の左右が入れ替わりを見せた長崎。
34~36分には、長い縦パスからビクトル・イバルボがポストプレイする場面が目立ち、36分の好機に繋げます。
イバルボからのポストプレイを受けたのはルアン、その後秋野と何度かのパス交換の後、エリア内へロングパス。
イバルボが京都ディフェンスの裏を取り、エリア内左で切り返してからシュートを放ちますが、ヨルディ・バイスのブロックに阻まれゴールならず。

前半終了も間近になり、反撃に出たい京都の攻撃回数が増えていきます。
中々仕事が出来ていないエースのピーター・ウタカも、中盤まで降りてボールを貰いに来るシーンも。
しかしその甲斐無くシュートを撃てないでいると、アディショナルタイムに長崎にビッグチャンスが。
秋野がパスカットに成功してそのまま縦パス、イバルボが入れ替わって受けて抜け出し、エリア手前で右にパス。
受けた富樫はエリア内で完全フリーとなり、飛び出してきたGK若原の上を抜くシュートを放つも、ゴール寸前でバイスがクリア。

完全に1点もののシーンでしたが、追加点を奪えなかった長崎。
さらに終了直前、フレイレが限界を訴えてハーフタイムに交代する破目に。(徳永が出場)
結果的に嫌な流れを呼び込んでしまっての前半終了となりました。

代わって入った徳永、FC東京で15年間もプレーしていた事で有名な大ベテラン。
ディフェンスラインの何処でも出来る利便性で、J1通算386試合出場というキャリアを重ねてきました。
しかし今季はこれがまだ2試合目の出場と、アクシデントによる出番故試合勘がどうなっているか気掛かりな所。

果たしてその不安通り、後半立ち上がりは京都の攻勢が続きます。
同点に追い付かんとする京都に攻撃機会で圧倒され、シュートこそ枠外に終わるものの一方的に攻められる長崎。
その流れの悪さを受けてか、先手を打って後半9分に早くも2枚目の交代枠を使用(ルアン→大竹)。
対する京都も12分に2枚替えを敢行(飯田→石櫃・宮吉→野田に交代)。

シュート意識の強さを見せるFW野田、今季はそれが良い方向に働いているようで、ウタカ以外で得点を挙げているのは野田ただ一人という現状の京都。(ウタカ5得点・野田2得点)
早速交代直後の13分、彼の下に好機が。
荒木が左サイドから中央へ向かいドリブルで前進、彼のパスをエリア内でウタカがポストプレイをするも、野田はシュートを空振り。
しかしそこから京都は押し込み、荒木が拾ってシュート(ブロック)→右サイドにこぼれた所を石櫃走り込んでシュート(ブロック)→ウタカ拾ってクロスと攻撃を続け、最後は野田がヘディングシュート。
しかしGK徳重に片手でセーブされ、蜂の巣状態だった攻撃を締められず。

この攻勢を逃すと、長崎の交代効果もありペースは一転。
17分、スローインからイバルボ→亀川→澤田→大竹と渡り、大竹が富樫へラストパス。
富樫はワントラップで巧くエリア内に進入してシュートするも、ボールは惜しくもゴール左に外れてしまいます。
19分は中盤での富樫のパスカットから、澤田がドリブルで一気に前進。
彼のパスを受けたイバルボがエリア内に入りシュートするも、これも惜しくもバイスのブロックに阻まれます。
追加点を奪えなかった長崎、しかもこのシュートでイバルボが足を捻ったのか倒れて動けなくなり、再びアクシデントによる交代を余儀なくされます。(畑が出場)

飲水タイムを挟み、尚もゲームを作っていく長崎。
最終ラインが代わった影響か、前半とは一転して、ボランチ1人が降りて来る「丁の字型」でのビルドアップも何度か見られます。
29分の攻撃は徳永から右へ展開されると、パスワークで中央→左へと渡り、亀川のドリブルも交えて相手を揺さぶる遅攻。
そしてカイオの右へのサイドチェンジから毎熊→畑→大竹と渡り、再び大竹からエリア内の富樫へラストパス。
受けた富樫は反転シュートを見せたものの、GK若原がセーブ。
この日何度も決定機があった富樫、1得点を挙げたものの物足りないように映ったのはそのせいもあるでしょう。
試合前にはJ2で100試合出場のセレモニーが催されたのもあり、何時しか彼にチャンスが舞い降りる試合展開になっていたのか。

前半とは一転して、ボールを握る時間が増えた京都。
しかし絶好機を作るのは速攻から、という側面が目立ちました。
31分、バイスの長いパスからカウンター攻撃、荒木が左サイドのドリブルからエリア手前でカットインしようとした所を長崎・毎熊に倒されて反則。
このFKからの攻撃で再び蜂の巣状態に持ち込む京都、庄司のミドルシュート(ブロック)→こぼれ球を金久保落として混戦に→エリア内左でウタカがシュート(ブロック)→ウタカが再度シュート(ブロック)と放つも、最後は野田のハンドで攻撃終了。
そして41分、長崎のパスミスから庄司が縦パスを出して一気にカウンター。
ウタカがエリア内に持ち込み、GK徳重を引き付けた上で野田にラストパスを送ると、エリア内右からの野田のシュートはゴールポストを直撃。
最高の形は作るものの、決められない京都。

長崎側も40分、カウンターから畑がシュートするもゴール上に外してしまうシーンを作るなど、前半とは打って変わって入り乱れての好ゲームの様相に。
それでも43分に長崎は富樫→加藤大へと交代。
FWを減らしてボランチを投入という、解り易いクローズの体制へと入りました。
4-2-3-1で加藤大がトップ下に入りましたが、その後カイオが足を攣らせるというアクシデントにまたもや見舞われ、カイオがトップ下へと変更。

ATに入り、バイスが前線に上がる総攻撃体勢を採る京都。
CKからのこぼれ球を庄司が拾い、ミドルシュートにいった所、ブロックした毎熊に勢い余って削られて反則。(毎熊に警告)
終了間際で直接FKという、最後の好機を京都が迎えましたが、キッカー・バイスの直接シュートは上に大きく外れてしまい万事休す。
そしてそのまま試合終了を迎え、長崎は早くも6勝目となりました。

前半の一方的な展開からしてどうなる事かと思われましたが、結局はどちらも見せ場が多かった好試合に落ち着いた一戦。
その中で故障者を2人出してしまい、犠牲を払っての勝利という色合いにもなった長崎。
今後予想される苦境も、この日見せた組織力の高さで跳ね返せるでしょうか。


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