三日月ノート

日々の出来事を気ままに。

読了:日本の気配/武田砂鉄

2018年06月24日 11時10分24秒 | 書籍

「一億総忖度社会の日本を覆う、危険な「気配」を追うフィールドワーク」と帯(帯が表紙の2/3を占めているので、これはもはや帯ではなく表紙の一部か?)にありますが、自己主張せずに大人しく、他人の顔色を伺いながら生きている日本人の生態を、様々な事象を織り交ぜながら淡々と切り取る本書。

毎日、ニュースなどで目にする「イラっ」を一つに掻き集めて絶望感を与えてくれる内容です。

政治に関する部分は言わずもがなで、うんざりくる事柄がこれでもかこれでもかと書かれているのですが、これが今の日本の現実。

最終章の「強いられるコミュニケーション」の中の「訃報をこなす感じ」は、大人になると通常は「不謹慎」のそしりを受けないよう、日常から最新の注意を払って生活してるんだなと、思い当たる節が多々ありました。

全般的に今の日本のダメさ加減を再認識させられ、ドンヨリした気分になる内容ですが、それでも筆者が言うように、

「ムカつくものにムカつくと言うのを忘れたくない。」

「改めて読み返すと、いちいちそんなこと言わなくてもいいのに、と思うのだが、今、いちいちこんなことを言わなくてはいけないのだ、と思い直している。」

最後はここに激しく共感したのでした。

『日本の気配』
武田砂鉄著/晶文社

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