面白草紙朝倉薫VS安達龍真

夢と現実のはざまで

待つ人の為にこそ

2007年08月20日 | Weblog
 小説を書いている。明日が約束の日だ。楽しみに待ってくれているマネージャーのKくんの為に、彼が一番読みたいという「絆」という小説を書いている。Tはワープロ打ちの為に時間を空けて待っている。K社の編集長K氏に渡す約束はとっくの昔に過ぎている。

 こんなダメ人間の塊のような僕を見捨てないでいてくれる人達の為に、僕は首を吊らないでいる。大きな愛で生かされている。とうに夜半を過ぎて、夜明けは近い。僕の夜明けはまだ遠い。ただ懸命に生きている。然し、まだ足りない。じっと心の眼を凝らして自分を見つめる。記憶はいつも嘘をつく。心の奥底に沈殿した記憶が浮かび上がる時、気取った薄っぺらな、うわべだけの美しい記憶と化ける。醜い自分を引きずり出して陽光の下に曝け出し、乾かしてしまおう。情けないほど愚かな僕が見える。