技法紹介①アヴェンチュリン彩について
左から、《花器》ヴィンツェ・ヴァルタ1905–1910年、
《孔雀文花器》ルイス・カンフォート・ティファニー1898年以前
(すべてブダペスト国立工芸美術館所蔵)
みなさまこんにちは!
本日から、パナソニック汐留美術館にて開催中の
「ブダペスト国立工芸美術館名品展ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ」に
出品している作品で使用されている技法についてご紹介していきます
今回はヴィンツェ・ヴァルタの花器とルイス・カンフォート・ティファニーの孔雀文花器に使用されている
「アヴェンチュチン彩」についてです
ヴィンツェ・ヴァルタの花器とルイス・カンフォート・ティファニーの孔雀文花器は過去のブログでも
ご紹介しています。下記リンクから作品紹介ブログをご覧いただけます
ヴィンツェ・ヴァルタの花器
ルイス・カンフォート・ティファニーの孔雀文花器
さて、アヴェンチュリンとは、砂金石ともいい石英系の鉱物に属する結晶化しやすい鉱物のことを表します。
表面にきらきらと輝く小さな点が見えるのが特徴です。
天然石のお店で見かけたことがある!という方もいらっしゃるかもしれませんね
陶器においては、銅を入れて過飽和させた釉薬を還元焼成(酸素が足りない状態で燃焼が進行する焼き方)をすると
銅アヴェンチュリン彩となります
ガラスを装飾する際にはガラスに酸化銅を入れて飽和させると煌めく赤茶色の器表が現れます。
(左の写真「《花器》ヴィンツェ・ヴァルタ」参照)
緑のアヴェンチュリン彩は、酸化クロムをいれて過飽和させて釉薬を還元焼成することによって、
緑色に輝く器表が現れます!
(右の写真「《孔雀文花器》ルイス・カンフォート・ティファニー」参照)
同じ「アヴェンチュリン彩」という技法といえど、プロセスが変わることによって色に違いが生まれるのは、
とても面白いですね
ぜひ会場でキラキラと輝く作品を実際にご覧いただけましたら幸いです
ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへはパナソニック汐留美術館にて12月19日まで開催中です。
ブダペスト国立工芸美術館のコレクションを日本でご覧いただける大チャンスですので、
どうぞこの機会をお見逃しなく
*パナソニック汐留美術館では新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を実施中です。
ご来館の際は、下記予約サイトでの日時指定予約にご協力をお願いします。
https://www.e-tix.jp/shiodome_museum/
<パナソニック汐留美術館>
〒105-8301
東京都港区東新橋1-5-1
パナソニック東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 050-5541-8600
https://panasonic.co.jp/ew/museum/
■会期
2021年10月9日(土)~12月19日(日)
■休館日
水曜日 ただし11月3日は開館
■時間
午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで) ※11月5日(金)、12月3日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
■入場料
一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
■アクセス
下記URLよりご確認いただけます。