装いの力―異性装の日本史
装いの力―異性装の日本史展 チラシ表面
まだ暑い日が続いておりますが、朝夕は涼しく少しずつ秋の気配を感じられるようになりましたね
みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
先日弊社スタッフは、渋谷区立松濤美術館にて開催中の「装いの力ー異性装の日本史」展の内覧会に行って参りました
今日において、男性か女性かといった2つの性別によって区分する考え方は私たちの中に深く根付いておりますが、
古来からこの性の境界を装いによって越える試みがしばしば行われてきました。
本展は衣服や化粧によって生まれながらの性の越境を可能とする「異性装」による装いの力についての展覧会です
展示されている作品は、一般に日本最古の歴史書と言われている古事記に記された異性装にまつわる記録、女武者の武具、歌舞伎役者が描かれた絵画、手塚治虫氏による異性装のキャラクターが活躍する「リボンの騎士」、ダムタイプの舞台芸術作品「S/N」などバラエティ豊か。
作品群を通して、日本では古くから「異性装」による表現が続いており、それは自己表現の一つであることがよくわかります
中でも印象に残っているのは、女歌舞伎図屏風です。
今では歌舞伎は男性の演目とされていますが、実は歌舞伎はもともと男装した出雲阿国(いずもの おくに)という女性が演じた演目が起源だと言われています。
しかし、女性が異性装をし、演じられていた歌舞伎はいずれも風俗を乱すという理由で禁止されるようになり、
以降歌舞伎役者は男性のみになったそう。
本作は、歌舞伎の起源と言われている異性装をした女性が音楽を奏でる様子や踊りなどが細かく描写されており、
当時流行した女歌舞伎の様相を見ることができる一作だと思いました。
このほかにも日本における「これまでの異性装」が時代ごとに展示されており、
これからの異性装や私たちの文化に深く根付いている男らしさ、女らしさについて考えさせられる展覧会でした
「装いの力ー異性装の日本史」展は10月30日(日)まで開催中です。
ぜひみなさまも足を運ばれてみてはいかがでしょうか?
展覧会の詳細は下記URLよりご確認いただけます