エリック・サティ展
サティの生まれた街 オンフルール
サティの生まれた街 オンフルール
現在企画中の展覧会、「エリック・サティ」展。
エリック・サティは、「ジュ・トゥ・ヴー(おまえが欲しい)」「エンパイア劇場のプリマドンナ」を始め、誰もが口ずさむことのできるシャンソンから、演奏者に840回もの繰り返しを要求する「ヴェクサシオン」、今や定番の「ジムノペディ」「グノシェンヌ」まで、世紀末パリにおいて音楽の新しいスタイルを考案しては、振り向きもせずに新しい実験に夢中になった作曲家です。
20歳でモンマルトルのカフェ=コンセールのピアノ弾きを始めて以降、既成の価値観にとらわれないサティの音楽はドビュッシーやラヴェルなど同世代の音楽家の感性と共鳴し、さらにはジョン・ケージやマン・レイなど、20世紀の芸術家にもその発想を紡いでいます。
サティ音楽の根底には、当時のカフェ=コンセールに溢れていたブラック・ユーモア、ボヘミアンな風潮が影響していますが、さらに遡ると、ノルマンディの港町オンフルールの情景に辿り着くことができます。
オンフルールの旧港。現在はこの景色と一緒にムール貝とシードルを楽しむレストランが沢山あります
19世紀末にはウジェーヌ・ブーダンやモネなど、印象派の画家たちに愛されたオンフルールですが、21世紀の現代においてもなお、風光明媚な港町として多くの人を魅了しています。
サティが音楽を習い始めたのはこの街の教会でした。聖カトリーヌ教会のオルガン奏者の指導のもと、グレゴリオ聖歌はじめ、ノスタルジックなこの街で、サティは次第に中世教会音楽の世界に引き込まれていきます。
サティの生家も、現在はサティ・ワールドを堪能出来る観光名所となっていて、その人柄を思わせるユーモラスなインスタレーションが見どころとなっています。
内容とはあまり関係ありませんが、個人的には自動演奏ピアノをメインとした最後の部屋で、YAMAHAを使用していたことに親しみを覚えました。
(おそらく同じ親しみを覚えた方がYoutubeに動画をアップしています。http://www.youtube.com/watch?v=y8XYo_UZOuw)
サティの家より。
まだ始まったばかりのサティ企画。
これからも少しずつご紹介していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。