お燈まつり・お灯まつり  「おとう」に上ってきました。その5

更新がだいぶあいてしまいました。すみません、では、おとうの続きです。

 

氣付いたら神倉神社の石段の下でした。村上さんが「下でお賽銭入れてきましたが、参れましたね…じゃ、参れるようなので、賽銭入れてきましたが、もう一度参りましょうか。」と…

自分もちょうど、同じことを思って村上さんに話しかけよう と思っていたところでした。

「はい、自分もそう思ってたところです。」「参りましょう。参りましょう。」と石段を上がり二人でお参りしました。自分は、本殿向かって左側でお参りさせていただいたのですが、とびらの向こうに、おそらく神職の方だと思うのですが、左側に体を真横に向いて、片膝か正座かしておられるのが見えました。他にも何人かの人の氣配を感じました。

お参りしてから、神社の前の階段を下りてきた時、月明かりの中、石段の中くらいの位置の右側がちょうど二人分空いていました。自分たちが何段か下りていくと、石段を上ってきた、親子連れが先にそこに下りました。てっきりそこに座ると思ったのですが、そこから先にどんどん行かれました。もう一人別の方が、その場所の横に立ったのですが、その方も下りる氣配がなく、後ろから来る村上さんに「ここ、行きましょうか?」と…「そうしましょう。そうしましょう。」の返事で月明かりの中、石段から右側に下りて、岩肌に腰を下ろしました。最初、傾斜していますので、わらじの鼻緒が指の指の股にくい込んで痛かったのですが、村上さん共々、足を置く場所をさがして…この場合、手探りでなく足探りというのでしょうか…やっと、お互い、岩の隆起みたいなところに足場を確保しました。

引本君から、松明の花を集めて、お尻に敷くと岩肌から直接冷えないので、温かいよ と聞いていたので早速そうしました。そのまましばらく、待っておりました。時計をはめてなかったので、詳しい時間はわかりませんが、自分の左横の村上さんのところから上がった石段には、たくさんの介釈の方達が集まってきました。そこにいる上り子は、後ろの上方に見える神倉神社を見上げております。静寂の中、神事が行われ、暗闇の中にほのかな明かりが見えました。扉が開いて、ほっかぶりをした熊野速玉大社の上野宮司が御神火を持って出て参りました。そして、扉から石段に向かって左側のところで、集められていた木々と大松明の花にその御神火が点けられました。かなりの高さまで、火炎が上がります。暗闇の中にあったごとびき岩と神倉神社が明るく照らされます。その火の中に、介釈の持つ大松明が入れられます。炎は、さらにますます夜空に向かって高く上がります。今頃、神倉山のふもとの新宮の町からは、真っ暗だった山頂が、明るく見えていることでしょう。

介釈達の動きが、あらあらしくなってきました。自分たちの真横の石段には、この大松明を作った大工のKさんもおられました。大松明をあずかる、介釈は、大松明を燃やし続けます。それを、近くで固唾をのんで見守る介釈、石段に数段おきに大きく足を開いて斜めの姿勢で立つ介釈棒持つ他の介釈達と自分たち上り子の視線が、大松明に注がれます。

石段の数段おきに立つ介釈のリーダー達が、次々に大声をあげます。

 

「おーい、もう少しやどぉ、」 

 

「道、開(あ)いたあーるかぁ」

 

「開けとけよー、」 「開いたあーるかぁ」

 

とこのことばを聞いた、介釈が次の介釈に大声で送っております。介釈棒を、上に上げて、それに答える介釈の姿も…

何回か、同じことばを聞きます。

 

「そろそろやぞぉ、おーい、開けとけよー」

 

「開いたあーるかぁ?」

 

大きな炎にくるまれた大松明が、かかげられます。

 

「おーい、おりるぞ、 開けとけよー」

 

大松明の前で、二人の介釈がそれぞれの真新しい介釈棒を×地に合わせます。そこに炎が上がる大松明をのせました。

 

いよいよ、大松明の迎え火が中の地蔵におります。

 

「よっしゃー、行くぞぉ、おりるぞ、」

 

とたくさんの介釈に守られて、石段を迎え火が下りていきます。

 

迎え火の大松明は、石段を下りきって、左に90度曲がりました。その瞬間通路にいた上り子達が、首をすくめました。

 

介釈と上り子のたくさんの怒号が聞こえます。その声が、だんだんと遠くになっていきました。

 すみません、もう1回つづきます

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )