金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【北米リーディングサイヤーの推移 考察①】 サンデーサイレンス不在の影響は大きかった!

2023-01-27 05:30:33 | 競馬

 第二次世界大戦後の世界の競馬をリードしてきたのは、明らかにアメリカ競馬であります。アメリカが育てた戦後のスピード競馬が、本家の欧州の競馬も、日本、香港、豪州や南米の競馬も、大きく変えていきました。

 その北米の歴代リーディングサイヤーの推移を追っていくと、気が付くことが1つあります。それは、時代を支配した幾つかのスピード系統が、繰り返し、繰り返し、また北米のリーディングサイヤーのトップに顔を出してくること。

 

 例えば、1955年~1970代まで北米を席巻したナスルーラー ⇒ ボールドルーラーの血脈は、その後も、ワッツアプレジャーラジャババ三冠馬シアトルスルーと続いて、本流のシアトルスルーからは、A.P.インディタピットが北米リーディングサイヤーに輝き続けています。

 また、ボールドルーラー時代を終わらせた、戦後最も偉大な種牡馬ノーザンダンサーの血脈は、リファールダンチヒデピュティミニスターストームキャットと多岐に広がり、そのストームキャットからジャンアントコーズウェイイントゥミスチーフが、そして欧州のサドラーズウェルズ経由でキトゥンズジョイまでも北米リーディングサイヤーに輝いています。

 さらに、北米血脈の基礎と言っても良い、ネイティブダンサー ⇒ レイズアネイティブの血脈は、ミスタープロスペクターアリダースマートストライクと広がり、本流のミスタープロスペクターからはイルーシヴクオリティディストーテッドヒューマーアンブライドルズソングという北米リーディングサイヤーを続けざまに生み出しています。

 最後に、スピード血脈の集大成とも言える、ターントゥ ⇒ ヘイルトゥリーズンの血脈は、名種牡馬ヘイローを生んで、その子のセイントバラードが2005年には北米リーディングサイヤーとなっています。

 

 このように、上記の4つの系統、すなわちアメリカ競馬が育てた4つのスピード系統は、世界の競馬の潮流の源になっているだけでなく、繰り返し、繰り返し、北米の競馬をリードする存在として、北米リーディングサイヤーを生んでいることに気づきます。血の力の底力を感じざるをえません。

 

 それから、よく見ていると、もう一つ気が付くことがあります。

 それは、4つの系統の中で、最後のターントゥ ⇒ ヘイルトゥリーズンの血脈だけが北米内で弱まっていること。それは、けしてこの血脈が弱体化したということではなく、本来、ここに存在すべき偉大な種牡馬が、北米から消えてしまったことが原因だと思われます。

 その馬こそ、サンデーサイレンス本来、北米に存在するはずだった偉大な種牡馬が消えてしまったその影響が、北米の生産界にも顕在化してしまったいうことだと思います。(明日に続く)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【スーパーボウルへの道 ①】 29日にAFC・NFCチャンピオンシップ すなわち準決勝です!

2023-01-26 05:12:51 | アメリカ文化

 いよいよスーパーボウル(現地2月12日開催)が近づいて参りました。

 それに先立って、まずスーパーボウルへの出場チームを決める、AFC・NFCのチャンピオンシップが現地1月29日に行われます。

 

 まずAFCチャンピオンシップですが、今年のAFC第1シードのカンザスシティ・チーフスが堂々と進出、そして昨年のAFCチャンピオンのシンシナティ・ベンガルズもここに登場。我がベンガルズにとっては、何としても念願のスーパーボウル初優勝に向けて、負けられない闘いとなります。

 

 そしてNFCチャンピオンシップですが、今年のNFC第1シードのフィラデルフィア・イーグルスが、こちらも堂々と進出。これに対して、古豪サンフランシスコ・49ersが昨年に続いてNFCチャンピオンシップに登場。この闘いも激しいものになることが必至であります。

 

 日本の地上波では観ることができないため、インターネットかラジオ観戦ということになりますが、このアメリカ文化のコア中のコアを堪能したいと思います。

 

 2月12日のスーパーボウル直前には、また特集記事をお送りしたいと思います!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【将棋】 20歳の銀河皇帝 強すぎる藤井聡太五冠だが、彼に青春のトキメキは不要なのか⁉

2023-01-25 05:47:42 | 将棋

 昨日に続いて、将棋の話題をいたします。

 

 

 王将戦の第2局では、羽生永世七冠が良い勝ち方をしてくれたので、少しホッといたしておりますが、今の将棋界は、とにかく藤井聡太五冠が強すぎて面白味がなくなっております。本当に、呆れてしまうぐらい、藤井聡太五冠が強すぎるのです!

 タイトル戦というのは、今が旬のプロ棋士同士が、互いの研究成果をぶつけ合って勝敗を決める場なので、どんなに力の差があっても、上位棋士が取りこぼす対局が発生しやすいもの。したがって、タイトルを取り続けることも、防衛を続けることも難解な場なのです。にもかかわらず、藤井聡太五冠は、タイトルを5つもガメている上に、いまだに防衛の失敗もなく、すでに通算タイトル獲得数を11期としています。

 将棋のプロ棋士は、もちろん、みんなが進化し続けているのですが、藤井聡太五冠の進化のスピードだけが突出しているため、誰もまともに相手が務まらない状態になっています。

 注目の王将戦の第1局でも、あの羽生永世七冠が『何が悪かったかが分からない』と、対局後の記者の問いかけに呟きました。つまり羽生さんは敗着がないまま、藤井聡太王将に負けてしまったと嘆いたのです。また、1月のA級順位戦でも、かつての天敵 豊島将之九段を相手に完勝。もう、これらの勝負の中身を記事にすることすら意味がないので、ワタクシとしても、将棋をテーマに当blogで取り上げることを、暫くの間、躊躇っていたくらいなのです。

 そのくらい、道を究め続ける、藤井聡太が強すぎる!

 

 でもね・・。

 20歳の若者ですよ! 藤井聡太君は‼

 

 昭和の時代の20歳で、しかも自らの力で億円を稼ぐ若者だったら、「とにかく、彼女が欲しい!」とか、「すぐにでも、〇〇〇に行きたい!」とか、頭の中はピンク色に広がるのが普通だったと思います。ちなみに、親の脛をかじって大学に通っていた20歳の頃の小生といえば、当面の目標だった大学受験を終えて、自由とモラトリアムの4年間を、ゆっくりと羽を伸ばして過ごしておりました。お金はそんなになかったので、少ない小遣いを貧乏旅行と名画鑑賞に費やしながら、絶対に実らない恋に悶々とする日々を過ごしておりました。まぁ、20歳の頃の若者とは、ワタクシだけでなく、だいたいそんなもんだと思います。

 にもかかわらず、藤井聡太という20歳の若者は、将棋の奥義を極めるために、禁欲につぐ禁欲で、将棋に集中しながらタイトル戦に臨んでいる訳であります。今のコンプライアンスだと、有名人がマッチングアプリで彼女を探す行為ですらグレーに扱われますし、女子アナとの合コンなどに参加したりすると『藤井聡太が合コンで女子アナ相手に轟沈!』とか、すぐに週刊誌にバラされて、ちゃんとした青春時代のトキメキなどは経験できない状態に据え置かれています。令和の時代に「そっと見守る」という度量が、社会から消えているのです。

 何という不幸、何という不遇! 100年に一人の天才を、このままの状態に放置して良いのでしょうか?

 それとも、女流棋士の中に、かつての林葉直子さんばりの肉食系女子が居て、すでに藤井聡太五冠に張り付いているのでしょうか?

 

 ちなみに、スターウォーズの銀河皇帝は、若い頃に『隠し子』をつくってしまって、それが結局は、最終的な自分の野望を阻止する存在になったという顛末でありました。少なくとも、どんなに Ambitious な人間でも、若い時に燃えるような恋を経験することは、けして悪いことではなく、人間として大きな糧になる経験だと思います。藤井聡太君に、そのような『青春のトキメキ』の機会を与えなくて良いのでしょうか?

 若いうちには、経験すべきことがあるのであって、それを素通りしてしまうと、いい年になってから中原誠先生のような事件が発生してしまいますから、ハイ。藤井聡太君には必要な経験の場を用意すべきだと思います。

 

 あ~あ。今日は、久しぶりに将棋の話題でちゃんと話をしようと思ったのに。

 結局、藤井聡太君の『青春のトキメキは⁉』しか、テーマに出来ませんでした。でもね、藤井聡太君。気を付けてね。あなたが女性と一緒に映画館とか、焼き肉屋に入るところを狙って、東京の週刊誌のカメラマンが365日待ち構えています。昭和の時代だったら、『そうか、そうか』と見逃してくれていたのに・・。今の時代は、何か世知辛いことが多くなりましたから。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【王将戦 七番勝負第2局】 先手番の羽生永世七冠が押し切り勝利! 1勝1敗のタイへ‼

2023-01-24 05:38:02 | 将棋

 1月21日(土)22日(日)に大阪府高槻市「山水館」で行われた王将戦七番勝負第2局は、先手番の挑戦者 羽生善治永世七冠が101手で快勝対戦成績を1勝1敗のタイに戻しました。

 

 

 戦型は、大方の予想どおり、相掛かり。26手目で角交換となりましたので、ここからは、どちらからでも一気に攻撃の火蓋が切って落とされるかと緊張感が続く中、飛車交換のあと、羽生永世七冠の51手目の☗2一飛車打ち、そして59手目には意表を突く☗8二金打ちと挑戦者の攻勢が続き、一気に終盤へ。

 藤井聡太王将も何とか形勢を戻そうと必死の抵抗を見せますが、羽生永世七冠にミスは全くなく、そのまま寄り切る形で快勝となりました。

 それにしても、この第2局を見ると、藤井聡太王将が得意とする「相掛かり」に対する研究を、AIを使って深く行っていた形跡がところどころで見られました。特に59手目の☗8二金打ちは、周囲には意表を突く1手であっても、羽生永世七冠にとっては「予定どおり」に見えました。この手を研究によって準備していたということ。

 

 いずれにしても、ここまでは、それぞれ先手番での勝利を飾っただけ。テニスで言えば、サービスキープをしているということ。次の第3局は藤井聡太王将の先手番で、勝率は95%を超えます。ここで、羽生永世七冠がどれだけ研究成果を見せることが出来るか? 第1局では、ミスらしいミスはなく、それでも藤井王将の序盤からの構想力に押し切られました

 

 復活の兆しを見せる平成の怪物と、無敵の令和の怪物のぶつかり合い。王将戦七番勝負の第3局がますます見逃せなくなってきました。第3局は、来週の28日(土)29日(日)に石川県金沢市の「金沢東急ホテル」で行われます。期待いたしましょう!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【重賞回顧】 AJCC・東海S

2023-01-23 05:19:03 | 競馬

 まずは中山のAJCC勝ったのは、モーリス産駒の5歳牡馬ノースブリッジ4番手追走で脚を溜めます。逃げたシャムロックヒルの前半1000mのラップは1分1秒3と、今の重い中山の馬場としては流れるペースに直線に入ると、馬場の内側を突いてノースブリッジが早め先頭に立って、そのまま後続を突き放します。外からルーラーシップ産駒エヒトと、ゴールドシップ産駒ユーバーレーベンがノースブリッジに迫ってきますが、ノースブリッジは3/4馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは2分13秒5。2着にはエヒト、さらに3/4馬身差の3着にユーバーレーベン

 勝ったノースブリッジは、昨年のエプソムC以来の重賞2勝目。そのあとは毎日王冠5着、天皇賞秋11着でしたが、この2レースはスーパーGⅠ級の相手に差のない負けであり、ここは地力の違いを見せつけた感じ。この春はいよいよGⅠでの勝ち負けが期待できそうです。

 2着のエヒトも大外から強いレースを見せてくれました。3歳陣でルーラーシップ×ディープインパクトの活躍ぶりが目立ちますが、古馬でもこの血脈のブームが起こりそう。3着のユーバーレーベンも、いよいよ復活の狼煙。今年は楽しみです。

 1番人気のガイアフォースですが、同じ中山2200mといっても、秋の軽い野芝の2200mと、冬の重い芝では異なるということ。菊花賞で距離が持たなかったのと同様で、地力を得るのはもう少し鍛錬が必要に見えました。父親のキタサンブラックにはファンが多かったので、その産駒には過大な期待がかかり気味です。過剰な人気になりやすい産駒なので、気をつけましょう。

 

 そして東海S勝ったのは、マジェスティックウォリアー産駒の6歳牡馬プロミストウォリア好スタートからマイペースの逃げへ。直線に入っても、後続を寄せ付けず、そのまま2馬身差をつけて逃げ切り快勝でした。ダート良の勝ちタイムは1分51秒2。2着には、6番手から差してきた1番人気のキズナ産駒ハギノアレグリアス、そこから2馬身差の3着には、2番手からゴールドアリュール産駒ハヤブサナンデクン

 勝ったプロミストウォリアは、これで4連勝による重賞勝ちで、勢いが止まりません。また鞍上のムルザバエフ騎手は、暮れのホープフルSに続いてJRA重賞2勝目。こちらも驚きの活躍ぶりです。プロミストウォリアについては、このままフェブラリーSへ行くのだと思いますが、さすがにこのまま府中ダート1600mを逃げ切れるとは思えません。穴人気になるのであれば「本番では切り」の選択か。

 それから1番人気で2着のハギノアレグリアは、最後の直線で落馬したヴァンヤールが邪魔になり、追い続けることが出来ませんでした。この2着は不運としか言えませんので参考外で良いと思います。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする