金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【ウクライナ情勢①】 弱腰バイデンを見越したプーチンの強気!

2022-02-16 06:16:05 | ウクライナ情勢

 習近平への遠慮から、北京オリンピック期間中は静かにしているはずだったプーチン大統領のロシア。そんなことは全くお構いなしに、属国化しているベラルーシ側から、ウクライナ国境沿いにロシア陸軍の機甲師団を配置。いつでも、ウクライナの首都キエフを一気に占領する気配すら見せています。

 もともとは、親ロシア市民が多数を占める、ウクライナ東部・南部のロシア国境近くだけ(クリミア地方周辺だけ)の侵攻のはずが、北部のベラルーシ側は上記のとおり、かつ西部のモルドバ側でも、沿ドニエストル地域を親ロシア化したので、東西南北からウクライナを包囲する形で、ウクライナの国自体を占領、および属国化しようと企てているのが現状。

 

 この1年、プーチンが急激にこうした方向へ舵を切った理由は2つ。第一に、ロシア経済が厳しいため、プーチンの政治基盤が弱体化していること。ここでロシア系住民が多いウクライナ情勢を緊迫化させ、一気に国内からの支持率をアップさせようという狙い。そして、もう一つの理由は、米バイデン大統領があまりに弱腰であること。プーチンには、NATO諸国はいざとなっても軍事行動には出ないとの読みがあるからです。

 アメリカという国は、いざとなれば狂ったような軍事行動を辞さないから皆が恐れてきたのですが、バイデンは、かつてのオバマ同様、最初から「ロシアがウクライナへ侵攻すれば、こちらは経済制裁で対抗する」と、すなわち「軍事行動はやらない」と宣言してしまう『お人好し』です。

 ちなみに、トランプ前大統領は欠点だらけのリーダーではありましたが、習近平の訪米中に、彼が見ている前で、シリアへのミサイル攻撃を命令して実行してみせました。習近平に『こいつはイカレている!』と感じさせることに成功した瞬間でした。 「いざとなると、何を仕出かすか分からない」と思わせることが、一番の抑止力になる訳ですが、バイデンにはこの力がありません。プーチンは、それを見越して、ここまでの行動に出た訳です。

 

 さてそれでは、プーチンがウクライナに侵攻するタイミングはいつか?

 さすがに、中国には気を遣うと思いますから、20日に北京オリンピックが終わるまでは行動を起こさないと思います。一方で、ウクライナ周辺地域には、軍事進攻を実行するには極めて難しい時期が存在します。それは『凍土が溶ける時期=3月』です。ウクライナでは、3月には凍った土が溶け始めて沼地化します。そうなると、戦車をはじめとする軍事車両の機動力が失われてしまい、ウクライナ兵に配布されている、ハンディバツーカ砲やミサイル弾の格好の餌食になってしまいます。

 

 すなわち、このままでいくと、ウクライナ侵攻は2月20日過ぎに発生して、3月までの1週間以内に、首都キエフは制圧されるということになります。(続く)


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