金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【ウクライナ情勢②】 3月になると凍土が溶けて戦車が動けない!

2022-02-17 06:16:10 | ウクライナ情勢

 ウクライナ情勢について、昨日の続きです。

 

 プーチンがウクライナに侵攻するタイミングはいつか?

 さすがに、中国には気を遣うと思いますから、20日に北京オリンピックが終わるまでは行動を起こさないと思います。一方で、ウクライナ周辺地域には、軍事進攻を実行するには極めて難しい時期が存在します。それは『凍土が溶ける時期=3月』です。ウクライナでは、3月には凍った土が溶け始めて沼地化します。そうなると、戦車をはじめとする軍事車両の機動力が失われてしまい、ウクライナ兵に配布されている、手持ちのバツーカ砲やミサイル弾の格好の餌食になってしまいます。

 その昔、スターリングラード攻防戦では、ドイツ軍のタイガー戦車やパンサー戦車が、この沼地化した地域で機動力を無くして、ロシア軍およびロシア市民兵に大敗いたしました。プーチンはこのことをよく知っていて、今まさに、前倒しで侵攻準備を完了してみせたのです。

 すなわち、ウクライナ侵攻は2月20日過ぎに発生して、1週間以内に首都キエフを制圧する可能性が高いと、私は見ています。

 

 そこからは、キエフに親ロシア政権を樹立。その後に、総選挙を実施して、親ロシア政権に正統性を持たせてから、ロシア軍をキエフから撤収するというシナリオでしょう。最大のリスクファクターウクライナが『内戦化』してしまうこと。内戦化を防ぐには、短時間でキエフを占領して、ウクライナ軍の武装解除を手際よく実現するしかありません。ここは、ソ連時代の知見を活かして、KGB出身のプーチンは瞬時に実現してしまうと思います。

 なお、その間、ロシアは欧米から経済制裁を受けることになりますが、何と言っても、今は原油価格も、天然ガス価格も高騰している時期。これは、コロナ禍とESGブームによるエネルギーボトルネックが背景にありますが、原油も天然ガスもロシアの大きな戦略資源であり、当面は高騰したエネルギー価格と中国のサポートのおかげで、国民生活を支えることが可能だと思います。

 これを受けて、当然ながらバイデンの支持率は急落するでしょう。秋の中間選挙でも共和党が圧勝すると予想されます。ますます、プーチンのシナリオどおりの展開に追い込まれていくバイデン。この人は、全く政治的なセンス、外交的なセンスに欠けた人物であります。

 さらに言えば、今のバイデンは、欧米諸国が慌てふためいているところをわざとプーチンに見せることで、相手に『満足感』を与えて、侵攻を食い止めようとしているように見えます。でも、そんなことでプーチンがウクライナ侵攻を止めるはずはありません。全くアホな作戦です。

 むしろ、他の地域にも悪影響を与えるでしょう。例えば、これを見ている中国の習近平が、どう思うでしょうか? もし、台湾へ武力行使を行っても、バイデンには軍事行動に打って出る勇気はないとすでに見極められているリスクがあります。台湾で有事が発生したら、日本も他人事では済まないことは、以前も、このBlogで述べたとおり。

 

 バイデンやジョンソン、マクロンやショルツに比べて、一枚も二枚も上手の役者であり、かつ演出家のプーチン。そして、それを横目で見ながら「なるほど」と頷いている中国の習近平。ますます民主主義・自由主義陣営が追い込まれている状況下、当然のように、世界中の先進国株価が冴えない動きをしております。


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