一昨日に書いたとおり、隣国は何があっても「自分が悪い」とは認めない人たちです。だからこそ、力技で追い込む選択をしたのだという意見も官邸からは聞こえてきそうですが、それで本当に解決できる問題なのでしょうか?
隣国のこの性癖は、「中国」「ロシア」「戦前の日本」、そして「アメリカ」のような列強に囲まれてきた中で、何か騒動があれば、自らの存在自体を簡単にすり潰されるリスクに常に晒されているからこそ、「めんどくさい存在」として叫び続けることを選択していると考えるべきだと思います。すなわち、自らを守るための防衛行動として「騒ぎ続けている」のです。
1945年に日本の支配が終了したあとも、北はソ連軍に、南は米軍に占領されて、真の独立を勝ち取った訳ではありませんでした。そののち、1950年に始まった朝鮮戦争では国土の多くを焼いてしまい、しかもその間には、南でも北でも政治犯数十万人の虐殺が起こり、これから国を指導するはずだった優秀な人材を数多く失ってしまっています。
朝鮮戦争の休戦後も、北・南ともに独裁国家として、冷戦の最前線基地となりました。独裁国家ですので、北にも南にも、優秀な官僚組織が構築される訳でもなく、ノブレスオブリュージュは育たず、真のデモクラシーを成し遂げるパワーは見当たりません。あえて言えば、優秀な人間は軍人として力を蓄えて、国の指導層へ登っていくぐらいで、政治的にはまだ未成熟な国家と考えるべきです。
官邸では、輸出規制の次は、海外への送金等に必要な信用状への保証を邦銀に止めさせるという手段が検討されているようですが、隣国の経済を叩きのめして、誰が一番喜ぶでしょうか? 本来の敵である北朝鮮や中国がほくそ笑んでいるのは間違いありません。
今の官邸の本気度からすると、参議院選挙が終わっても、このゴタゴタが収束する気配はありません。信用状の保証停止については、官邸が隣国のカントリーリスクを引き上げるだけで実現可能ですし、今まではある意味、親切でやっていた保証業務を取りやめるだけなので、文句を言われる筋合いではないと言い切ることも可能です。しかし、ここはいったん、冷静になって考え直すべきでしょう。はらわたが煮え狂っているのかもしれませんが、官邸の皆さんに、もう一度、冷静な対応を、と申し上げておきたい。
次のスイッチは、もう逆戻りができない最後のスイッチだと考えるべきです。