2021年のダービー開催週に、当blogで取り上げた『ダービー特集①~③』は、①「1973年 怪物ハイセイコーの神話が崩壊した時」、②「1976年 天馬トウショウボーイ『出し抜け』に敗れる」、③「1998年 武豊とスペシャルウィークが翔んだ日」でありました。
そして昨年の2023年のダービー開催週には、④「2005年 衝撃の走り ディープインパクト時代の幕開け」、⑤「2007年 ウオッカの激走 女が強い時代の始まり」、⑥「2011年 震災の年に現れた狂気の天才オルフェーヴル」の『ダービー特集④~⑥』を掲載いたしました。
今年も、ダービー開催週に、その続編とも言える『ダービー特集⑦~⑧』をお届けします!
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2013年のダービーは、レース前には「三強対決」と呼ばれていて、皐月賞を快勝したロゴタイプ、2着のエピファネイア、そして別路線組で京都新聞杯から参戦のキズナが「三強」とされました。
レースは、逃げたアポロソニックが絶妙の平均ペースの流れを創り出して、直線ではロゴタイプを含む先行勢3頭がそのまま押し切るかと思われましたが、中団待機からエピファネイアが鋭い差し脚で前を捉えて、そのまま勝利!と思われた瞬間、さらにその外から鬼脚で追い込んできたキズナがゴール直前で1/2馬身差だけ前に出て快勝。
エピファネイアと福永祐一騎手の手からダービー勝利の栄冠がすり抜け、レジェンド武豊による歴史的な神騎乗に東京競馬場全体が歓喜に湧いた瞬間でありました。
キズナはダービーのあと、3歳秋に仏へ遠征して、ニエル賞(GⅡ)優勝と凱旋門賞(GⅠ)4着。4歳春に大阪杯を勝った後は、続く天皇賞春で骨折休養。5歳秋に引退して種牡馬となりました。
2着のエピファネイアは、ダービーのあと、秋の菊花賞でGⅠ初勝利を飾り、また4歳秋のジャパンカップでは2着に4馬身差をつける圧勝劇でGⅠ2勝目。この時に破った相手は、2着ジャスタウェイ、3着スピルバーグ、4着ジェンティルドンナ、5着ハープスターという蒼々たる面々。このあと5歳秋に引退して種牡馬となりました。
この2頭は、種牡馬となった後もライバル関係が続きます。
エピファネイアは、初年度産駒から三冠牝馬デアリングタクト、2年目産駒から年度代表馬エフフォーリアを出しました。また、今年の桜花賞馬ステレンボッシュもエピファネイアの産駒であり、クラシックで活躍する産駒をコンスタントに出している名種牡馬であります。
一方のキズナも、初年度産駒からエリザベス女王杯を勝ったアカイイト、天皇賞春を3年連続2着のディープボンド、2年目産駒からはGⅠ3勝のソングライン、そして今年は念願だったクラシックホース、皐月賞馬ジャスティンミラノを出しており、2024年のリーディングサイヤートップを走っている状況。
恐らく、このライバル関係はまだまだ続くものと思われます。キズナもエピファネイアも、ぜひ長生きしてもらって、優秀な産駒を数多く残してもらいたいものであります。