日本の競馬サークルの長年の夢は、日本馬による「凱旋門賞制覇」「米国ブリーダーズカップ制覇」、そして「英国ダービー制覇」「ケンタッキーダービー制覇」でありました。1981年に「ジャパンカップ」が創設された以降は、特にその想いが強くなっていきます。
そして、1991年に種牡馬サンデーサイレンスが日本に繋養された頃から、この長年の夢は、目まぐるしいスピードで実現に向かって走り出します。まずは芝の中長距離ホースで世界レベルの馬が続出して、1999年にはエルコンドルパサーが凱旋門賞で惜しい2着に。その後も、ディープインパクトが、オルフェーヴルが、キズナが惜しいところまで迫りますが、勝利の栄冠を得るには至っていません。
一方で、米国ブリーダーズカップについては、2021年のブリーダーズカップフィリー&メアターフ (GⅠ)でラヴズオンリーユー、ブリーダーズカップディスタフ(GⅠ)でマルシュロレーヌが勝利。また日本調教馬ではありませんが、日本のディープインパクトの直子であるオーギュストロダンが、2023年英国ダービーと2023年ブリーダーズカップターフを勝利。「長年の夢」の一角が実現し始めています。
そして、5月4日(土)には2024年ケンタッキーダービーが米国ケンタッキー州のチャールズダウンズ競馬場で開催されます。上記の4つの「長年の夢」の中でも、最も実現が難しいと言われてきたケンタッキーダービー制覇。そこに、現地でも4番人気に支持されるほどの有力馬として、日本から参戦する若駒がついに現れました。
リアルスティール産駒フォーエバーヤング。
JRA調教師の中で、常に海外競馬への挑戦の先頭に立ち続けている矢作芳人調教師の管理馬であり、その愛弟子である坂井瑠星騎手のお手馬であります。
もちろん、ケンタッキーダービーを日本馬が勝つのは難しく、フォーエバーヤングが勝利する確率は数パーセントといった程度だと思います。それでも、その可能性を秘める馬が出現して、有力馬として参戦する姿が見られるだけでも、長年の競馬ファンとして涙が出るほど感慨深いものがあります。
日本時間では5月5日(日)の朝でありますが、BS234のグリーンチャンネルが朝7:00から無料放送を予定していますので、是非に、この歴史的瞬間を観て頂ければと思います。
フォーエバーヤングと矢作芳人調教師、そして坂井瑠星騎手の歴史的挑戦を日本から大きな声援を送りましょう!