本日から、8月22日(火)23日(水)の両日、将棋の王位戦七番勝負の第5局が、徳島県徳島市の「渭水苑」で行われます。今までのところ、藤井聡太王位が3勝1敗とリード。そして、抜群の勝率を誇る先手番ですから、圧倒的に藤井聡太王位の優位という見方で衆目一致しております。
確かに、藤井聡太王位の先手番でのここ10戦は、10戦全勝。後手番だと6勝4敗なので、その差は大きいと言えます。
ただし、挑戦者の佐々木大地七段との対局では、先手番でも、後手番でも、終盤近くまで、将棋AIによる形勢判断は五分五分であることが多く、最後の最後で、藤井聡太王位が仕掛けた罠に嵌るか、嵌らないかが勝負の分かれ目であることがシバシバ。
それだけ、藤井聡太王位の将棋を、佐々木大地七段が深く細かく研究している成果が出ていることが判ります。
新聞やTV報道だけを見ていると、結果としてタイトルを1人で独占しようとしている藤井聡太七冠と、それ以外の棋士の差が開いているように思いますが、リアルなタイトル戦の最前線では、かつてのように、藤井聡太七冠が圧勝するケースが減っていて、最後までギリギリの勝負になっていることが多くなっています。
本日、ワタクシが言いたかったことは、この王位戦第5局は、おそらく藤井聡太王位が勝って防衛を成し遂げ、8月31日から始まる王座戦五番勝負でも、挑戦者の藤井聡太七冠が永瀬拓矢王座を破って、八冠独占を成し遂げるでありましょうが、そのあとに始まる竜王戦七番勝負や、王将戦七番勝負において、同じように藤井聡太一強時代が続くとは限らないということ。
すでに、新勢力である佐々木大地七段が、棋聖戦五番勝負、王位戦七番勝負で見せているように、藤井聡太の将棋への研究が相当に進みつつあり、これを打ち破る瞬間が徐々に迫ってきているように感じます。
王座戦のあとは、竜王戦七番勝負。ここには、藤井聡太竜王よりも若い伊藤匠七段が登場します。ワタクシは、この竜王戦七番勝負が、将棋界の分岐点になる気がして仕方がありません。藤井聡太竜王による八冠独占までで一つの潮流が終了して、そのあとに新たな時代が始まる予感がするのです。
ワタクシの予感が当たるかどうかも含め、ここから始まる将棋界の大イベントに注目いたしましょう!