7月29日(土)にロイヤルアスコット競馬場で行われた、欧州競馬の上半期総決算、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GⅠ:芝2390m)。勝ったのは、ジム・クローリー騎手とコンビを組んだ4番人気フクム(イギリス=オーウェン・バローズ厩舎、牡6歳)。昨年の英GIコロネーションカップに次ぐ2度目のGI制覇を成し遂げました。
レースはポイントロンズデールとボリショイバレエが先行して、パイルドライヴァー、ルクセンブルクが続く形。フクムは中団のインにつけて、1番人気の英愛ダービー馬オーギュストロダンはその後ろからレースを進めた。勝負どころを迎える前の時点で、オーギュストロダンはライアン・ムーア騎手のアクションに対して全く反応がなく、最後の直線に入る前には鞍上が追うのを諦めてスピードダウン。これと対照的に、前ではウエストオーバーとこれを追うフクムの激しい叩き合いが繰り広げられ、そこにキングオブスティールも加わった。最後はしぶとく伸びたフクムがウエストオーバーをアタマ差かわしてV。勝ちタイム2分33秒95(稍重)。
フクムは父シーザスターズ、母アガリード、母の父キングマンボという血統。通算成績は17戦11勝。キングジョージ6世&クイーンエリザベスSは、オーウェン・バローズ調教師、ジム・クローリー騎手ともに初勝利。
なお、1番人気のディープインパクト産駒オーギュストロダンは、最終コーナー手前の段階で前へ進もうとせず、鞍上のRムーア騎手も追うのを止めました。レース後の診断では故障はなかった模様ですが、途中で完全に走る気を無くしていましたので、何か体調面で問題があったか、あるいは、今年は世界中で猛暑が続いていましたから『夏バテ』だったのか。
英2000ギニーの時も、途中で同じように走るのを止めていましたので、あの時と同様、重馬場以外に共通の「走ることを止めてしまう原因」が発生していたのか。いずれにしても、この英愛ダービー馬は、メンタル面に何かを抱えている可能性がありそう。
ひょっとすると、極めて大切な血脈であるため、無理はさせずに、早期に種牡馬入りの可能性もあるかもしれません。