金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【WBC/WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ】 井上尚弥選手が快勝 4階級制覇!

2023-07-27 01:53:09 | ボクシング

 ボクシングのWBC/WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ(25日、東京・有明アリーナ)は、前世界バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(30=大橋)が、王者のスティーブン・フルトン(29=米国)を8ラウンド1分14秒TKOで撃破し、4階級制覇に成功しました。

 

 

 強敵フルトンに対して、井上尚弥選手は、スタートから慎重に入り、自分の距離を保ちながら、パワーパンチを封印して、スピードを活かした左ジャブと切れ味を意識した右ストレートを繰り出します。速い左ジャブで相手に圧をかけて、ガードの上からでも遠慮なく切れ味鋭い右ストレートを当てていく。そして、ボディへのパンチも忘れません。

 第1ラウンドから第4ラウンドは井上尚弥選手のペースとなり、王者フルトンは自分のペースを取り戻すために、第5ラウンド以降、前へ前へ出てくることになります。しかし、これも当初からの井上陣営の作戦だったようで、ここでカウンターが取れればKO勝利も狙えるし、もし、相手が怖がって逃げてしまうのであれば、また左ジャブと右ストレートで圧をかけて、そのまま「判定勝利」でも良いと考えていたようです。

 

 狙ったチャンスは、第8ラウンドに訪れます。第5ラウンド以降、自ら仕掛けてペースを掴みかけていた王者フルトンが、ここでも自分から前に出ようとした瞬間、井上選手は左ストレートでボディ=レバーをヒット虚を突かれて王者の動きが止まった瞬間、井上選手の右ストレートがフルトン選手の顎を打ち抜きます。

 最初のダウンを奪ったのは、この右ストレートでありますが、のちにフルトン選手「1発目の左ボディパンチが見えなかった」と、むしろこのボディへのパンチが効いたと話していました。確かに、試合中に何度も繰り出していたボディパンチは、どちらかというと王者フルトンの左側ボディを狙ったものが多かったのに対して、この時のボディパンチは、明確に右側、すなわちレバー側へのストレートでありました。決定打になりやすいボディパンチは、やはり肝臓へのストレート。このチャンスを得るために、井上選手はわざと左側ばかりを狙って、相手のスキを作り出そうとしていたのでしょう。

 

 最初のダウンのダメージは大きく、このあとは井上選手のラッシュが続いたところで、レフリーストップ。

 

 それにしても、恐れ入りました。スーパーバンタムへ階級を引上げた初戦で、しかも無敗の王者フルトンを相手に、圧勝というパフォーマンスは驚き以外ありません。あらためて常識を超えたチャンピオンであることが判りました。

 

 次はまず、スーパーバンタム級での4団体統一王者を目指すのでしょうが、この階級は次から次へと強い挑戦者が現れてくる階級です。当面はスーパーバンタム級での闘いを見せて頂きたい気が致します。

 


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