金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【SELECT SALE 第2日目】 今度は、コントレイル産駒の当歳牡馬が5億2000万円!

2023-07-11 17:27:53 | 競馬

 今朝がた、キタサンブラック産駒の1歳牡馬に3億2000万円という価格が付いたというニュースをお知らせしましたが、本日は当歳=0歳の競り市で、無敗の三冠馬コントレイルの当歳牡馬に5億2000万円という価格が付きました。

 この当歳牡馬の母は、コンヴィクションⅡというアルゼンチンでGⅠを勝った牝馬で、もちろん良血なのですが、コントレイルの主戦騎手だった福永祐一調教師が、コントレイル産駒の第1世代の中で最も馬体が素晴らしいとほれ込んだ仔馬だったようで、そのため、コントレイルのオーナーだった前田オーナーが新厩舎スタートのお祝いのために、意地で競り落としたというのが、5億円を超えてしまった真相のようです。

 前田オーナー曰く、本来は3億円くらいのつもりだったようですが、もう後には引けないと覚悟を決めて、競り落としたのでしょう。

 

 それにしても、まだ産駒が全く走っていないコントレイルの産駒に、5億円もの値段が付くこと事態、かなり異常な状況と言えます。確かにコントレイルは、歴史的種牡馬であるディープインパクトの、最後にして最高の後継者候補であることに変わりはありませんが、まだ産駒が1頭も走っていない中でのこの値段は、世界中からもやや疑問視する向きもありそう。

 

 競りというのは熱くなりやすいのは事実でありますが、なるべく冷静に、冷静に・・

 それにしても、消費税だけでも5000万円を超えてしまうとは・・ 想像を超えた驚きであります。

 


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【SELECT SALE 第1日目】 キタサンブラック産駒の1歳牡馬が3億1000万円!

2023-07-11 03:50:57 | 競馬

 今年も、SELECT SALE の季節がやって参りました。

 SELECT SALE とは、日本生産のサラブレッドの競り市の名称で、数ある競り市の中でも、最も高価なサラブレッドが出展される日本一のサラブレッド競り市であります。

 ここには、ノーザンファーム、社台ファームなどの日本を代表する大牧場で育てられた1歳馬と当歳馬=0歳馬が取引されます。1億円や2億円を超える馬も数多く出てくることで有名な競り市ですが、今年も第1日目から、いきなり3億円を超す値段が付けられた馬が出て参りました。

 それは、キタサンブラック産駒の1歳牡馬で、母親が米国GⅠを勝った Include という良血で、何と落札価格が3億1000万円。これに消費税10%が加算されるので、売買価格は3億4100万円ということになります。

 種牡馬キタサンブラックは、初年度産駒から世界ランキングNO.1のイクイノックスを出し、2年目産駒からも皐月賞1着、日本ダービー2着のソールオリエンスという大物を出していますので、人気になるのも頷けますが、この種牡馬人気の栄枯盛衰は激しいものがあります。

 

 例えば、初年度産駒からアーモンドアイステルヴィオダノンスマッシュというGⅠ馬を出して、2年目からもサートゥルナーリアという皐月賞馬を出したロードカナロアは、あっという間に種付け料が2000万円まで上昇。その時の1歳馬の競り市では、1億円を超える馬が続出いたしました。しかし、その後、ロードカナロア産駒は、やはりマイル以下が得意距離だということがハッキリすると種付け料も2000万円⇒1500万円⇒1200万円と低下。それに伴い、産駒の価格も低下気味へ。

 同じく、初年度産駒から牝馬三冠馬デアリングタクト、2年目産駒から年度代表馬エフフォーリアを出したエピファネイアも、あっという間に種付け料が1800万円へ急上昇しましたが、産駒の4歳以降の勝率が急低下する傾向から、早熟の疑いがかけられて、種牡馬としても産駒としても人気に陰りを見せており、SELECT SALE でも落札額が今一つ伸びない傾向にあります。

 

 というように、初年度・2年目の産駒の成績が良くても、その後、急速に『課題』が顕在化することもあります。したがって、3世代目、4世代目の1歳馬競り市で、3億円超の馬を買うのは、けっこうな冒険ということが出来ます。もちろん、サンデーサイレンスディープインパクト、あるいはキングカメハメハという種牡馬たちの3世代目、4世代目というのは、そのあとも活躍馬が続出していたので、相応の値段で購入しても、結果的にはまだ割安だったということもあります。

 ただ、それでも3億円を超す値段というのは、これを取り返すには、普通のGⅠ勝利くらいでは無理なので、引退したあとの種牡馬の価値や、繁殖牝馬としての価値も含めて値段を付けているということ。すなわち、無理やり、将来価値も上乗せして値段をつけていると言えます。

 

 このあたり、企業買収=M&Aの時の値付けにも似ています。仲介業者の口車に乗って高い買い物をすると、結局、元を取ることが出来ずに酷い「減損」をせざるを得ないことになりますが、SELECT SALE も全く同じ。4億円とか、5億円も出した馬で、上手くいった事例をワタクシは知りません

 ちなみに、あのディープインパクトは、セレクトセールで7000万円で取引された馬でした。

 

 競り市は、とにかく熱狂しがち。冷静に、冷静に・・

 

 


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