いよいよ秋競馬が始まります。
気になっていた矢作芳人厩舎のパンサラッサですが、次走は「凱旋門賞」ではなく、「天皇賞秋」に決まりました。
「凱旋門賞」の方は、僚馬であるステイフーリッシュに託すことになったようです。なお、ステイフーリッシュの前走は、仏ドーヴェル大賞(GⅡ)を果敢に逃げての惜しい2着で、見所満載のレース内容でした。あの様子であれば、本番の凱旋門賞でも、思い切った逃げ戦法を選択してくれると思います。ステイフーリッシュが離した逃げを敢行して、2番手グループの中にタイトルホルダーとディープボンド、中団待機にはドウデュースという形が理想的な展開だと思います。世界最強馬バーイードの参戦が伝えられているだけに、出来るだけお天気の馬場での世界一決定戦となるよう期待したいですね。
今週末の9月11日(日)には、凱旋門賞の前哨戦であるニエル賞(GⅡ)にドウデュースが出走します。同世代の欧州3歳牡馬たちに、力の違いを見せつけてほしいと思います。
さてもう一つ、パンサラッサが天皇賞秋に出走する決定がなされたため、札幌記念に続いて、もう一度、ジャックドールとパンサラッサによる、スピードスターの競演が府中芝2000mで見れることになりました。札幌記念の時にも申し上げましたが、ジャックドールとパンサラッサの2頭は、スピードの持続力を極めて高いレベルで実現できる稀代の先行馬。
天皇賞秋では、この2頭の先行馬が再度激突することとなり、史上稀に見る「スピードの持続力」対決と、史上稀に見る「消耗戦」による府中芝2000mのレースになることが決まりました。
もちろん、札幌記念同様に、前々2頭による決着というケースも想定されます。しかし、府中芝2000mの天皇賞で、過去逃げ切ったことがある馬は、1987年のニッポーテイオーまで遡らなくてはなりません。そう、あのタマモクロスのライバルだったニッポーテイオーです。あとは、1991年のプレクラスニーも逃げ切り勝ちと言えば逃げ切りでありますが、これは1着入選のメジロマックイーンが18着降着になっちゃったからなので、これは除外。
そう、つまり、この2頭のスピードの競演と、これを追いかけてもスタミナを失わずに、切れ味鋭く差し切ることが出来る差し馬との胆力比較も、微妙に絡んできます。また、札幌記念の時は出番のなかったステイヤータイプの馬たちも、前2頭のスピードが少し激しすぎただけで、一気に勝ち負けの主役に躍り出る可能性があります。
そして、競馬ファンにとっての永遠のテーマ、「もし、サイレンススズカとディープインパクトが府中の芝2000mで闘ったら?」の答えが、今回の天皇賞秋の結果で、ある程度分かるのかもしれません。
今から、天皇賞秋と凱旋門賞が待ち遠しくてたまりません。秋競馬が始まりますよ‼