6月からスタートした2歳戦、当Blogでは全レースを一寸評でお伝えしておりますが、正直言って、ここまでのところ、例年比較でみると『小粒感』が否めません。
まず2歳牡馬。6月4日東京デビューのモーリス産駒ノッキングポイントの評価が総じて高いのですが、これはラスト3ハロンの33秒2の上りが過大評価されている感じ。馬場の良い府中で、前半ペースが遅ければ、このくらいの上りで勝つ2歳馬は、これから幾らでも出てきます。
もちろん、今までのところではトップクラスであることは確かですが、同じ6月4日中京デビューのサトノダイヤモンド産駒ダイヤモンドハンズも、大物感タップリでしたし、6月26日阪神デビューのシルバーステート産駒カルロヴェローチェ、7月10日函館デビューのハービンジャー産駒ブラストウェーブ、7月9日福島デビューのシルバーステート産駒ゴッドファーザー、7月3日福島デビューのモーリス産駒フロムナウオンも、それほど差はありません。
ここで挙げた6頭は、ほとんど団子状態と言えると思います。上記の馬の中から、札幌2歳Sや新潟2歳S、あるいはサウジアラビアRCに何頭かは出てくると思いますが、出てくれば、相応に人気になると思います。なお、本当のスター候補は、まだデビューしていないのかもしれません。9月10月デビュー組に期待したいと思います。
次は2歳牝馬。7月10日小倉デビューのキタサンブラック産駒ラヴェルの評価が高いですね。新馬戦の勝ち方と時計が良かったことが理由ですが、今年の小倉は例年以上の高速馬場。あまり時計を鵜吞みにはできませんが、大物感が十分なことは確か。
その次あたりに名前が出てくるのが、6月18日東京デビューのロードカナロア産駒ウンブライル。卓越したスピードがあって、マイルまではギリギリ大丈夫そう。それから、6月11日中京デビューのジャスタウェイ産駒マラキナイア。今のところ、ワタシ個人の評価では、この馬が牝馬NO.1。そして、7月16日小倉デビューのキズナ産駒コンクシェルも良かった。あとは6月5日東京デビューのエピファネイア産駒モリアーナ、7月17日小倉デビューのドゥラメンテ産駒エレガントルビーも差がありません。
牝馬路線も、この馬の中から、新潟2歳SやアルテミスSに何頭かは出てくると思いますが、出走すれば、かなりの人気になると思います。なお、キタサンブラック産駒の2歳馬は使いづめが苦手な馬が多いので、ラヴェルの第2戦は、秋後半になるかもしれませんね。
それにしても、サンデーサイレンス産駒、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒がいた頃は、大物感溢れる新馬勝ち、未勝利勝ちのシーンが毎週のように繰り広げられていた気が致します。
もちろん、ドゥラメンテ産駒やモーリス産駒、エピファネイア産駒やキズナ産駒も、良い馬が揃っていることは認めますが、サンデー・ディープ・キンカメとの比較において、AEIがあまりに低くて、ベースとなる品質に圧倒的な差があるように思えてなりません。
せっかく、芝の世界では、欧州やアメリカと並ぶか、凌駕するレベルになった日本競馬なのに、こんなところで足踏みしていると、また競馬二流国へ逆戻りしてしまいます。
そろそろ、ディープインパクト以来の真のスーパー種牡馬の出現を祈りたいと思います。