もなか姫が大変お怒りになられています。
私目が、たまたま「NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版」という雑誌を開いていたら、生物の分類の話題が掲載されており、これについて「ふむふむ」などと判ったような態度を取っていたことが、まずは、お気に召さなかったようです。
もなか姫「おい。ちょっと。生物を勝手に分類するのは、お前ら人間の自由ではあるが、もう少し謙虚になったらどうか?」
ワタクシ「え!? とおっしゃいますと?」
もなか姫「判らぬか? この驕り高ぶった人間どもが!」
ワタクシ「全く、心当たりがありませぬ」
もなか姫「それでは、我々猫のことを、お前らはどう分類している?」
ワタクシ「ネコですか? 確か、食肉目 ネコ科 ネコ属 イエネコ でございます」
もなか姫「そうだな。それでは、人間のことはどう分類している?」
ワタクシ「ヒトですね。確か、霊長目 ヒト科 ヒト属 ヒト だったと思います」
もなか姫「霊長目の『霊長』とは何のことか?」
ワタクシ「この『霊長』とは、『万物の霊長』という言葉から引用されたもの」
もなか姫「『万物の霊長』とは、どのような意味か?」
ワタクシ「それは、全ての存在の中で最も優れているもの、という意味で‥。あは、いや!?」
もなか姫「無礼者‼ 自らのことを『霊長目』などと分類しよって! 驕り高ぶるにも程があるであろう。この不埒者が‼」
ワタクシ「大変申し訳ございません。何と申し開きをしたら良いか‥」
もなか姫「この愚か者。たかだか、この200~300万年の間で、食物連鎖の頂点に立ったからと、驕り高ぶりよって。500万年前であれば、お前ら猿人は、全てネコ科の餌だったわ!!」
もなか姫「ようやく、ヒトとネコ科が同等に成れただけなのに、自分のことを『霊長』と呼ぶのか! この大アホが‼」
もなか姫のお怒りは、当分の間、収まる気配はございません。しかし、お怒りになるのは御尤も。『霊長目』などとは、人間の驕り高ぶり以外の何物でもありませぬ。
そういえば、どこかのプロ野球球団が、自分のことを『球界の盟主』などと呼んでいた時期がございました。さすがに、今は恥ずかしくて『球界の盟主』という言葉は死語になったようです。
そろそろ、われわれ人類も、自らの種族のことを『霊長目』と呼ぶのを止めた方が良いのではないでしょうか? 生物学会の方、いかが!?