7月4日(月)に千葉県木更津市の「竜宮城スパホテル三日月」で行われた棋聖戦五番勝負の第3局は、先手番の藤井聡太棋聖が激戦を145手で勝利、2勝1敗となって、棋聖位防衛に王手をかけました。
戦型は、先手番の藤井聡太棋聖が角換わりを選択。この両者の対局では、相掛かりと角換わりが本線となりますが、ここでは角換わり。両者ともに研究範囲が広く、そして深い領域ですので、手順が進むのが早い。午前中だけで、もう73手。先手が☗2二歩と打ったところで、ようやく手が止まりました。すでに中盤から終盤近くに突入しており、昼食休憩後の展開に注目が集まりました。ひょっとすると、三時のおやつ前に終わるかも! という意見も出るくらい。
ここまでは、普段から『リモートでの研究仲間』ですので、途中では、ふと、いつもの研究会の感覚が蘇っていたのかもしれませんが、ここからが激闘の本番でありました。85手目の☗6三角打ちで正式な終盤戦へ。
攻める藤井棋聖に対して、耐える永瀬王座。何とか耐えきって、逆襲で先手玉を打ち取りたい永瀬王座と、着実に手順を進めて寄り切りたい藤井棋聖。力が入る四つ相撲。
結果的には、86手目以降で、永瀬王座には敗着らしい敗着はありませんでしたが、藤井棋聖がジリジリと後手玉を追い込んでいって、ラストはきっちり詰め切って勝利してしまいました。
すなわち、85手目の☗6三角打ちの段階で、藤井棋聖の勝利が揺るがなかったということ。ここから投了までは60手もあるのですが、その間、後手が全てを最善手を選択しても、相手が藤井聡太である限り、勝ち目がないという意味。
終盤戦に入った段階で、藤井聡太にリードを奪われていたら、もう殆ど勝ち目がないというのは、プロ棋士にとっては絶望的な闘いであります。藤井聡太に勝つ為には、とにかく序盤中盤でリードを奪って、そのまま、持ち時間を消費しないまま、一気に終盤に突入するしかありません。先日の王位戦第1局で豊島九段が見せたような将棋です。
その王位戦第2局は、7月13日(水)14日(木)に札幌市の「ぬくもりの宿 ふる川」で行われます。また、その直後の7月17日(日)には、名古屋市の「亀岳林 万松寺」で棋聖戦第4局が行われます。
将棋界の頂上対決による大激闘2局を楽しみに致しましょう!!