金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【先進国株式の歪み】 GAFAばかりが物色される理由 ①

2021-08-31 07:03:31 | 金融マーケット

 久しぶりに、金融マーケットの話を致します。

 

 先進国株式市場は、コロナ禍の影響により、昨年春には乱高下が続きましたが、その後は一転して、コロナ後の世界経済の復活期待から、特に北米株式は、GAFAと呼ばれる成長銘柄によって牽引されて、最高値を更新し続けております一方、日本株については、今年に入ってから、ワクチン接種の遅れなども理由に、さえない展開が続いている状況(ちなみに、GAFAとは、Google、Apple、Facebook、Amazonを指す言葉。Microsoftを加えてビッグ・テックと呼ぶこともあります

 そもそも、ここ10~15年くらいのタームで先進国の株式市場を見た場合、低成長が続く欧州株式アベノミクスで復活が期待された日本株式常に成長に貪欲な北米株式 という嗜好の順序で物色されており、基本的には北米株式が最も優位な状況が続いておりました。ここ半年で見ても、結局は、投資家の最終的な判断基準は「成長力」に収斂しており、相対的に「北米株式」市場にお金が流れる状況が続いています。

 しかし、過去の株式市場を振り返ると、「成長力=グロース」が最も着目されるのは当然として、それが行き過ぎた時には、必ず「株式価値=バリュー」に着目した価格調整の時期訪れて、「グロース」⇒「バリュー」⇒「グロース」⇒「バリュー」⇒ ‥ と、マーケットが循環することが判っています。にも拘わらず、ここ10年近く、「株式価値=バリュー」に着目した本格的なバリュー相場が発生しておらず、「成長力」一辺倒の行き過ぎたマーケットが続いているのです。

 

 この点については、もう少し、投資家の状況を詳細に考察すると、なぜここまで、「成長力」一辺倒の投資判断が続けられているのかが明らかになってきます。(続く)


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