昨夜は、美瑛町の町民センターで「Christmas Lecture 2022 in BIEI」と題する理学博士佐治晴夫さんの講演とピアニスト北亜矢子さんの演奏と言う興味深いイベントに出かけて来ました。
佐治晴夫博士という人がどういう人かは理論物理学というあまりなじみのない世界にいる私達にはほとんど知られていないと思いますが、現在88歳、しかし頭や話し方は全く若々しい感じで、ウィキペディアによると宇宙のゆらぎの研究の第一人者だということです。
彼がどういういきさつからか2011年から美瑛町に住むことになり、美瑛町にある「丘のまち郷土学館・美宙(みそら)天文台」の台長に就任されていることから、毎年恒例のレクチャーとして今年で8回目の催しでした。
初めにこのポスターを見て、「星の話とピアノ演奏ならロマンチックでいいね」くらいの感覚で参加券をいただいたのですが、一方で結構高尚そうな内容で人が集まるのだろうかと疑問を持ちながら会場についてビックリ!町民センターの大ホールがほとんど満席でした。失礼ながら「侮れないぞ、美瑛町民」と思ったのですが、更にビックリはこのレクチャーはYoutubeで同時配信されてアメリカやオーストラリアからも視聴されているということでした。
8回目ということで、この佐治博士の話が面白いということと、ご自身がピアノを弾くこともあって多分昨日の選曲も彼が行ったのだと想像しますが、皆さん期待して来られていたのだと思います。
講演はいきなり真っ暗なステージに彼がオーバーコートとマフラーを巻いた姿でピアノに座りアベマリアの一説を弾くことから始まって、バックにはアインシュタインの有名な舌出し写真と次にアインシュタインが同じようなオーバーコート姿でピアノを弾く写真が写されました。そして彼がこの出で立ちとアインシュタインの来日からこの12月がちょうど100周年に当たるということから話し始めました。見事なつかみでした。
アインシュタインという人はピアノも弾くが、もっと上手いのはバイオリンであったとか、来日した時はちょうどノーベル賞を受賞した直後だったが東京駅には3000人もの人々が万歳を叫んでごった返したことで、アインシュタイン自身も驚いてその日記に「なんと日本人は科学に明るい人達なのか」と書いたエピソードなどが語られました。(もちろん彼は直接アインシュタインに会っているわけではなく、アインシュタインより15歳年下だったという彼の恩師から聞いた話だということでした。)
さすがに相対性理論の話はさわりだけで、長い教職時代に得た人生に対する考え方などがソフトなタッチで披露され、納得でした。
ピアノ演奏は講演の中間と最後に2曲づつ行われ、久々にリストのラ・カンパネラやシューマンのトロイメライなどを聞きました。
美瑛町、なかなかいいぞと思いながら帰って来ました。
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