１９２月もの加入期間を脱退手当金でもらっていた男性

ひさびさのフィクション。７０過ぎの男性から電話がありました。

「私は一時金をもらっちゃって期間が足らないんです。期間が出てきたんですが、何とかなりませんか？」

素人さんの話はチンプンカンプンですから、想像力を駆使します。『厚生年金の脱退手当金をもらって、老齢年金の受給資格期間に少し足りないのかな？　そこに大昔の加入記録が少し出てきたのかな？』。

そう思って、とりあえずお越し願って話を聞いたら、なんと！　この男性、１９２月もあった厚生年金加入期間（中高齢加入の特例には当たらず）を脱退手当金でもらっちゃったんですって。しかも平成１２年に。

やれやれ。で最近、大昔の厚生年金加入期間が１３月出てきました。が、この男性は脱手でもらった１９２月と、今回見つかった１３月以外は加入期間なし。それ以外の国民年金（１号）の期間は、まったく保険料を納めていません。

ちなみに、脱退手当金としてもらった１９２月は、ふつうはカラ期間になりますが、それは昭和６１年４月前にもらった場合。６１年４月以後に脱退手当金をもらったときには、その期間はカラ期間にはなりません。

となると、この男性の受給資格期間は今回見つかった１３月だけ。これでは手の施しようがない。

この男性。奥さんも無年金だそうです。この先、どうやって生活していくのかなあ。