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庚申さんの身代わり猿

2007-01-30 22:51:19 | ○ すろ~ 奈良 ○
ならまちのシンボル・・といえばコレ、ですょね。


奈良町の家の軒先には赤いころころした、人型のぬいぐるみが
ぶら下がっています。これは、「庚申(こうしん)さん」のお
使いの猿を型どったお守りで、魔除けを意味し、家の中に災難
が入ってこないように吊るされています。災いを代わりに受け
てくださる意味から、「身代り猿」とよばれているならまちの
守り神です。


また、背中に願い事を書いてつるすと、願いが叶うといわれ
「願い猿」ともいわれます。


ならまちの真ん中にある奈良町資料館には、「庚申さん」とよば
れる青面(しょうめん)金剛像がまつられています。

江戸時代に民間信仰として庶民にひろがった中国の道教の教えを
説く庚申信仰によると、人の体の中に三尸(さんし)の虫がいて、
庚申の日の夜に人が寝ているあいだに体から抜けだし、天帝にそ
の人の悪事を告げにいくといわれています。 その報告により寿命
が決まるというので、人々は六十日に一度回ってくる庚申の日は、
寝ずに「庚申さん」を供養したということです。

 徹夜の習わしはなくなったが、身代り猿をつるし、庚申さんを
まつる信仰は、今もこの町に息づいています。


「庚申信仰」に関しては諸説がありますが、中国の道教の守庚申と
いうのが、奈良末期に日本に伝来され、日本固有の信仰と交じり合
い発展したのではないかといわれています。仏教が極楽往生を説く
のに対し、道教では現世利益が叶えられるとあって江戸時代には民
間信仰として庶民に広まりました。奈良町資料館にも青面金剛像
(しょうめんこんごうぞう)をまつり、庚申信仰が受け継がれてい
ます。


「庚申さん」と親しみを込めて呼ばれている「庚申」とは「かのえ
・さる」つまり十干(甲乙丙・・)と十二支(子丑寅・・)の組合
せによるもので、昔は月日をこのようによびました。その組み合わ
せは60通りあり、60日に一度めぐってきます。


「庚申」の日の夜には人々は寝ずに一夜を明かす守庚申を行います。


言い伝えによると、人のお腹のなかには「三尸の虫」という虫がい
て、庚申の日の夜に人々が寝静まってから体からぬけだし、その人
がしてきた悪事を天帝に告げにいくといわれています。すると、天
帝が天の邪鬼に命じてその人に罰を与えるので、人々は三尸の虫が
ぬけださないように寝ずに過ごしたというわけです。

それでも心配な人は天の邪鬼が嫌いな「身代り猿」を家の中に吊
るしたり、三尸の虫の嫌いなコンニャクを食べて悪魔を退散させる
のです。

「庚申まつり」には、コンニャクを食べる習わしがあり、奈良町
資料館では3000人分ものコンニャクの田楽を参拝者にふるまわれて
きました。しかし、2005年の夏に猛威をふるった病原性大腸菌O157
の影響で、「庚申まつり」は中止せざるを得なくなりました。

「身代り猿」のルーツは敦煌にあり、シルクロードを通って奈良
にきたのではないかと注目されています。
1987年に奈良県立美術館でイギリスの「大英博物館所蔵日本・中
国美術名品展」が開かれた時のことです。展示品 の一つに、敦煌
石窟の祭壇等にかける祭具として使われた唐代の垂れ幕(縦51m、
横l83cm)に、「庚申さんの身代り猿」と同じものがついていたの
です。手足をくくり、お腹に帯をしているところまで「身代り猿」
とそっくりで、新聞やテレビで放映されました。


中国では猿は悪魔退散のお守りと考えられて、三蔵法師も旅の道
中のお守りに猿のぬいぐるみを馬の鞍につけていったといわれて
います。
それが後世には、法師をお守りする孫悟空の物語になったと伝え
られています。


飛鳥時代、奈良時代、奈良は中国からの文化交流の拠点だったん
ですね。
その時代、今よりもっとインターナショナルだったのかも・・。





ならまちで文化と歴史に出会えるカフェ
NARACAFE 由庵
http://www.naracafe-youan.com





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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
奈良の風物詩 (バロンもっちゃん)
2007-01-31 09:01:40
何の写真家と思っていたらこの説明でした。いい話をありがとう。今年は暖冬でいつもより過ごしやすいのでは・・。
奈良は先日の土砂崩れの件で今注目の場所となりましたね。陸の孤島は大変な生活を余儀なくされているのでしょう。
返信する
Re: (ann)
2007-02-01 15:33:07
風物詩?山焼きのときのことでしょうか・・?
mixiでは、庚申さんのトップ画像に惹かれて覗かれる方もいらっしゃるょうで。
ならまちファンにはたまらないょうです。

最近、いい面でも悪い面でも奈良の話題が続いてる気します。
亥年、温暖化・・何かもっと大きな災害の予兆でないことを祈るばかりです。
返信する
奈良町資料館 (好好爺)
2007-02-01 23:13:38
今日、西大寺の帰りに奈良町資料館に寄りました。
いつもただ通り過ぎるだけでしたが、今日はゆっくりと見せていただきました。
身代り猿と庚申まつり、勉強させていただきました。
なら町、ひとつ一つに歴史があるんですよね。
返信する
Re: (ann)
2007-02-02 10:23:38
好好爺さんお久しぶりです。
奈良町にこられてたんですか?
資料館に行かれたんでしたら前通られてたかも?!

由庵の2月からのメニュー、またアップしますがこんにゃくも入ってますょ♪
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