休みだったので存分に寝坊した。だが八時五分前に覚醒してタブレットの電源を入れワンセグを受信、NHKを観る。宮崎美子と杏がくさい演技をたっぷりで「ええい巨人はもういい!希子を!希子を映せ!」とタブレットを振ってテム・レイばりに念じたら希子ちゃんが笑顔を見せてくれたのでさわやかな朝になった。
イノッチもウドーさんもいないし、余は外に出て落ち葉を掃除した。向かいの爺さんもうるさいし。うるさいだけなら放置してもよいのだが、余が縁側でくつろいでいるところろにわざわざ、説教しにきたりする。そうさせない為の予防策でもある。一度など奥さんが「もう体がきつくて・・・握力もこれだけしか無いのよ」といって余の手を握ったことがある。目を潤ませた老婆の小ささに思わずきゅん!となって必死に自分を呼び戻す余なのであった。落ち葉掃除をしてしまえばもう、縁側でくつろぐだけである。冬の太陽が真横から入り空気がキラキラキラキラ幾重にも反射する。暖かい。ああ、田舎に越してよかった。スマホで馴染みの床屋に電話して予約を入れる。12月だし土曜日だし覚悟はしてたのだが夕方しか空いていなかった。さてそれまで何をしてすごそうか。近所の近所の人監督が通りかかったので挨拶をする。近所の人監督も午前中の空気を楽しんでいる様子でウキウキしているカンジ?さてビールは切らしてしまったので日本酒かウイスキーか芋焼酎か。お茶かコーヒーもあるが日本酒にする。理由は無い。文庫本で「夢の木坂分岐点」を読む。古本屋で適当に買った本である。最初の十数ページは面白くもなかったが、途中からはルールが解ってきて読み応えが出てきた。食べ物がおつとめ品のシールの貼られた里芋しかなかったので皮を剥いて鍋で煮た。煮ている間に文庫本をぐいぐい読み進めた。太陽が西に移動して縁側に日が当たらなくなると途端に寒くなった。芋煮を食ったら美味かった。二階にまだ日が当たる場所がある。太陽を追って二階の万年床に移動した。寝転がって●●●●をした。40過ぎて●●●●などとはもっと若い頃の余には想像も出来なかったが、これが現実なのである。湯船に浅く湯を張った。貧しているので節約である。湯船で石鹸もシャンプーも使ってみる。洋画のような泡泡の風呂にならないのは永年の謎である。少し寝た。けっこう寝たかもしれぬ。床屋に入ったのは予約の時間丁度である。ここん家はマスターがハサミ、マダムがカミソリの担当である。余がいちどSWのホルスターをベルトにしたままなのを見つけて大喜びしたのがマダムである。余が刑事モノの映画が好きで・・・と言い訳したらそれ以来映画の話を振ってくるようになった。最近なにか見ましたか?と問われたので夢と狂気の王国が面白かった、と答えたらフーン、といって月曜日にかぐや姫を見に行くんです、とルンルン気分で教えてくれた。床屋だから月曜日なのだな、と思って余はフーン、と言ったのである(ry