日本経団連の御手洗冨士夫会長と柳沢厚生労働相らが11日、東京都内のホテルで
懇談し、労働法制見直しなどについて意見交換した。経団連側は、一定条件の
会社員を労働時間規制から外し残業代を払う必要がなくなる「ホワイトカラー・
エグゼンプション」導入のほか、派遣労働者の期間制限や雇用申し込み義務の
廃止などを要請した。
懇談は経団連側の申し入れで初めて行ったもので、厚労省と経団連の幹部約40人が
出席。ホワイトカラー・エグゼンプションについて厚労相は「時間より成果で決める
考え方は分かる」と導入に前向きの姿勢を示す一方、「問題は適用範囲」として
年収要件が必要との同省の認識を示した。
派遣労働の規制緩和について厚労相は「日本の雇用慣行との調和をいかに図るかの
視点が不可欠。やむを得ず派遣社員になる人がさらに多くなり、固定化する恐れがある」
と述べ、これ以上進めることは否定した。
何でも横文字にすればかっこいい、という考えがあるのか知らないが、何なんだ、
このホワイトカラー・エグゼンプションというのは。はっきりと「賃金不払い制度」
と書けばよかろう。カタカナで書くと何やら素敵な制度のように聞こえるが、これは
新しい形の奴隷制度以外のなにものでもない。「毎週休日出勤しないとクビだぞ」
「夜12時前の帰宅は許可しない、もちろん残業代など払わん」という命令だって
OKになるわけで、過労が原因のうつ病や自殺がますます増えるだろう。いったい、
この国は何がやりたいのだ?
詳しいことは Wikipedia の「ホワイトカラーエグゼンプション」の項に書いてあるので
ここでは書かないが、この制度が施行されると過労死は労災扱いにならなくなる。
そのため企業としては過労死した社員の家族に対して多額の賠償金を払う必要も
なくなるわけで、社員を死ぬまで働かせることが「合法化」されることになるのだ。
これだけではない、この制度を悪用して、あの手この手で弱いものいじめをする
企業が山のように出てくるのは間違いない。他にも、この制度を導入することで
発生すると考えられる様々な懸念事項が山のようにある。
昨日も似たようなことを書いたが、所得格差は間違いなく国際競争力を弱める。
経団連は日本の国際競争力を高めることが狙いのつもりで、こんなアホなことを
考え付いたのか知らないが、現実をよく見ろ。単に苦しむ人を増やすだけだ。
誰かが潰れたらそのしわ寄せがそのまま別の人にいき、その別の人が潰れたら
その別の人の分と最初に潰れた人の分がさらに別の人にまわされるだけだ。
こんな苦しすぎる状況の中で、生産意欲を高めようだの生産効率を高める方法を
考え出そうだのと考える人間がどこにいる?よく言われることだが、「仕事とは、
できる人のところの集中する」のだ。あいつは仕事ができる、ということがわかれば
その人に仕事が集中するだろ。そしてその人が過労死に追い込まれる。せっかくの
優秀な社員をわざわざドブに捨てるようなものだ。
頼むから、もう少しましなことを考えてくれ。こんな世の中になってしまったら、
もう誰も未来に夢なんて持てないし、将来設計だってできない。いつ誰が被害者に
なるやらわからないのだ。しかも、これを推し進めていけば、一部の社員以外は
すべてこの制度の対象になりかねない。またすべての社員の所得をこの制度が適用
される条件を満たすように設定してしまえば、理論上は全社員を「奴隷」にする
こともできるのだ。そうなれば、全社員の2分の1近くをリストラして、残った
社員にその仕事をすべて押し付けることもできる。社員が過労死しようと、
経営者は「知ったことか」と言い切ることもできる。
この狂った制度で、一時雇用者もかなり増えることになるだろう。一時雇用者が
増えれば増えるほど国内需要が冷えきってしまうのは明らかなので、どうしても
この制度を導入するのであれば、一時雇用者の最低賃金は、正社員の最低賃金と
完全に同等に設定することを義務付けなければなるまい。そうでもしなければ、
あんたの会社は生き残っても、日本全体が死んでしまうからだ。
また、過労死者を減らすようにするためにも、過労死を1件でも発生させた
企業には、国が業務停止命令を出すことも義務づけなければならない。というと、
企業は必死になって隠蔽工作やら言い逃れをするだろうから、民間の審査団体やら
人権団体などが、もっと力をつけなければならなくなるだろう。
と、ここまで書いてきて、無力感に襲われてきた・・・・・。たとえばトヨタや
松下電器で過労死が発生したら、業務停止命令なんて出せるのか。国の基幹産業で
すらあるような企業の業務を停止させる命令を、国が出すことなんてできるのか。
できるはずない。そんなことしたら日本の稼ぎが減ってしまう。それに、その
下請け会社も全部仕事がなくなってしまう。業務停止命令でなくとも、何か効果的な
罰則を設けるしかないが、何ならいい?
経営陣を逮捕する?そんなことできやしない。大量の罰金を支払わせる?そんな
ことしたら、その支払った罰金を埋め合わせるべくますますコストダウンが進む
ことになるだろう。もう、どうしようもないのか。溜息しかでない。
懇談し、労働法制見直しなどについて意見交換した。経団連側は、一定条件の
会社員を労働時間規制から外し残業代を払う必要がなくなる「ホワイトカラー・
エグゼンプション」導入のほか、派遣労働者の期間制限や雇用申し込み義務の
廃止などを要請した。
懇談は経団連側の申し入れで初めて行ったもので、厚労省と経団連の幹部約40人が
出席。ホワイトカラー・エグゼンプションについて厚労相は「時間より成果で決める
考え方は分かる」と導入に前向きの姿勢を示す一方、「問題は適用範囲」として
年収要件が必要との同省の認識を示した。
派遣労働の規制緩和について厚労相は「日本の雇用慣行との調和をいかに図るかの
視点が不可欠。やむを得ず派遣社員になる人がさらに多くなり、固定化する恐れがある」
と述べ、これ以上進めることは否定した。
何でも横文字にすればかっこいい、という考えがあるのか知らないが、何なんだ、
このホワイトカラー・エグゼンプションというのは。はっきりと「賃金不払い制度」
と書けばよかろう。カタカナで書くと何やら素敵な制度のように聞こえるが、これは
新しい形の奴隷制度以外のなにものでもない。「毎週休日出勤しないとクビだぞ」
「夜12時前の帰宅は許可しない、もちろん残業代など払わん」という命令だって
OKになるわけで、過労が原因のうつ病や自殺がますます増えるだろう。いったい、
この国は何がやりたいのだ?
詳しいことは Wikipedia の「ホワイトカラーエグゼンプション」の項に書いてあるので
ここでは書かないが、この制度が施行されると過労死は労災扱いにならなくなる。
そのため企業としては過労死した社員の家族に対して多額の賠償金を払う必要も
なくなるわけで、社員を死ぬまで働かせることが「合法化」されることになるのだ。
これだけではない、この制度を悪用して、あの手この手で弱いものいじめをする
企業が山のように出てくるのは間違いない。他にも、この制度を導入することで
発生すると考えられる様々な懸念事項が山のようにある。
昨日も似たようなことを書いたが、所得格差は間違いなく国際競争力を弱める。
経団連は日本の国際競争力を高めることが狙いのつもりで、こんなアホなことを
考え付いたのか知らないが、現実をよく見ろ。単に苦しむ人を増やすだけだ。
誰かが潰れたらそのしわ寄せがそのまま別の人にいき、その別の人が潰れたら
その別の人の分と最初に潰れた人の分がさらに別の人にまわされるだけだ。
こんな苦しすぎる状況の中で、生産意欲を高めようだの生産効率を高める方法を
考え出そうだのと考える人間がどこにいる?よく言われることだが、「仕事とは、
できる人のところの集中する」のだ。あいつは仕事ができる、ということがわかれば
その人に仕事が集中するだろ。そしてその人が過労死に追い込まれる。せっかくの
優秀な社員をわざわざドブに捨てるようなものだ。
頼むから、もう少しましなことを考えてくれ。こんな世の中になってしまったら、
もう誰も未来に夢なんて持てないし、将来設計だってできない。いつ誰が被害者に
なるやらわからないのだ。しかも、これを推し進めていけば、一部の社員以外は
すべてこの制度の対象になりかねない。またすべての社員の所得をこの制度が適用
される条件を満たすように設定してしまえば、理論上は全社員を「奴隷」にする
こともできるのだ。そうなれば、全社員の2分の1近くをリストラして、残った
社員にその仕事をすべて押し付けることもできる。社員が過労死しようと、
経営者は「知ったことか」と言い切ることもできる。
この狂った制度で、一時雇用者もかなり増えることになるだろう。一時雇用者が
増えれば増えるほど国内需要が冷えきってしまうのは明らかなので、どうしても
この制度を導入するのであれば、一時雇用者の最低賃金は、正社員の最低賃金と
完全に同等に設定することを義務付けなければなるまい。そうでもしなければ、
あんたの会社は生き残っても、日本全体が死んでしまうからだ。
また、過労死者を減らすようにするためにも、過労死を1件でも発生させた
企業には、国が業務停止命令を出すことも義務づけなければならない。というと、
企業は必死になって隠蔽工作やら言い逃れをするだろうから、民間の審査団体やら
人権団体などが、もっと力をつけなければならなくなるだろう。
と、ここまで書いてきて、無力感に襲われてきた・・・・・。たとえばトヨタや
松下電器で過労死が発生したら、業務停止命令なんて出せるのか。国の基幹産業で
すらあるような企業の業務を停止させる命令を、国が出すことなんてできるのか。
できるはずない。そんなことしたら日本の稼ぎが減ってしまう。それに、その
下請け会社も全部仕事がなくなってしまう。業務停止命令でなくとも、何か効果的な
罰則を設けるしかないが、何ならいい?
経営陣を逮捕する?そんなことできやしない。大量の罰金を支払わせる?そんな
ことしたら、その支払った罰金を埋め合わせるべくますますコストダウンが進む
ことになるだろう。もう、どうしようもないのか。溜息しかでない。