
こんばんは
さて、僕は現在、週3回内科外来をやっています。大体、しゃべるのが好きな人間なのでカルテが積まれない限り(そのうち積まれるのですが)、話を聞いて説明は丁寧に・・・のスタンスで外来をしています。
今日も相変わらず「生活習慣病」を中心に、「十二指腸潰瘍」疑いの人が2人+α。この方々は出血はなさそうだったので、GW明けまで込みまくっている内視鏡はやらずに治療を開始して
「3日以内に症状の改善がなければ原因が違う可能性がある」
と具体的に言って、検査的治療で終わっている人もいます。
もしかしたらプラセボ効果もあるかもしれませんが、病歴や身体所見、その他では十二指腸だと思うので・・・・。
他にも胆石だとか、いろいろいたのですけど・・・
そんな中、外来で一人気になる患者さんが来ました。 精神科からのコンサルトだったのですけど、「発熱精査」。
本人の話を聞いていると、ちょっと大変だったのですが(Bipolarの高い時期なのかな?)、結局・・症状の中心は「発熱、倦怠感」で実は他の症状はなさそう。
こちらから聞くと「そういう症状もある」というが、診察していた30分(長かった)の間・・・咳も何もなかったし、身体所見で異常所見はとれず。
血液検査ではWBC14000、Neutro90% CRP 3.0mg/dlのほかは特記すべき所見なく、尿検査も何も引っかからず(亜硝酸塩とかにも期待したんだけど)
胸部Xpもあとで僕以外の先生にも見て貰ったが「異常所見なし」で一致。
実は歯科治療が切欠で起こっているので、これが原因か(歯科治療後発熱。そのあと出されている抗生剤で解熱(しかもCRP6→1まで低下)とも思ったのですが、内服終了後再び上昇したという事。
一応、歯科治療原因の可能性を考え、抗生剤を投与しました。内服終了後、再び発熱するようであれば「血液培養2回」と「心エコー」の指示を出しました。
心雑音は聞こえなかったのですが、大きすぎる穴なら聞こえにくくなるでしょうし・・・そもそも発熱のためか頻呼吸で聞こえないし・・・・。
さて、この人が「細菌性心内膜炎」であったら、精神科では手に負えないかもしれないな・・・・どっちがメインで見るのかな?
さて、気になる患者さん(僕って結構ヒット率高いんですよね。急性喉頭蓋炎とか、緊張性気胸なりかけとか)の事も書き終わりましたし、今日の記事に行きたいと思います。
今日はキャリアブレインから2件です
「長寿医療制度でここがよくなる!!」
厚生労働省はこのほど、75歳以上の高齢者を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の“メリット”を解説した「長寿医療制度でここがよくなる!!」と題する4ページの資料を作成し、各都道府県の担当者に送付した。資料では、「ご安心ください。今までと同じ医療を受けることができます」と繰り返し強調し、医療関係者の連携によるきめ細かな訪問診療や、退院前後のサポートの充実などをアピールしている。
資料では、在宅、入院、外来の各医療などに分けてポイントを解説。在宅医療については、「住み慣れた自宅で自分らしい生活を送りたい人には、多様できめ細かな訪問診療を提供します」と説明している。しかし、急に病状が悪化した場合には、「あなたの病状をよく分かっている病院」に入院できるとしている。
入院医療については、「安心して退院できるように、退院前後の医療・福祉のサポートが充実する」とした。今年度の診療報酬改定では、長期入院している高齢者を自宅に戻すことを評価する「後期高齢者退院調整加算」が新設されたが、「医療が必要な高齢者を追い出す」との批判もある。資料では、こうした批判に直接答えず、「医療・福祉のサポート」という表現で理解を求めている。
外来医療では、後期高齢者の主治医(高齢者担当医)の役割を赤い文字で強調。「希望すれば、こうした医療の流れ(在宅医療、緊急入院、退院調整)をあなたの選んだ担当医が継続して支えてくれます」とした。
今年度の診療報酬改定で、厚労省は高齢者への重複投薬や重複検査などが医療費を圧迫しているとして、高齢者の受診を総合的に管理する主治医が受け取る「後期高齢者診療料」を創設したが、「自由な受診(フリーアクセス)を抑制する」との批判が絶えない。
高齢者担当医制度について、資料ではQ&А方式で解説。「医療が制限されることはなく、必要な医療はこれまで通り受けられます」「病状に合わせて、いつでも好きな病院に行くことができます」「患者さんの希望で、いつでも担当医を変更できます」などと回答している。
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この制度に関して、まず批判的な一言を
「システム」を構築してから、○○が出来ますといってほしい
現時点で「医療関係者の連携によるきめ細かな訪問診療」や、「退院前後のサポートの充実」をどうやって実施しようとしているのだろうか?
訪問診療を決め細やかに実施するための施策はなんでしょう?
僕なら・・・・一大プロジェクトになりますが「高齢者の方々に、体調の悪化を感じたら連絡が行くようなボタン」を渡しておいて、緊急時に駆けつけられるようにする? まぁ、実施可能かどうかはわかりませんが
医療関係者の連携による決め細やかな訪問診療をどのようにして実施するのか? 現場の状況を見ていっているのだろうか? 机上の空論になって、いつも現場や受給者たちが困るのだと思うけど・・・・。
という事を感じる。
退院前後のサポートもほぼ同様の考えです。
この制度に関してはフリーアクセスは制限していますし(抑制というか制限ですよね)、医療が必要な高齢者を追い出すのもその通りだと思います
この制度を前向きに評価するならば「将来の年金などに関して、若干の余裕が出る」ということでしょうか
将来の財源確保の当てがないために「年金」も恐らくは少なくなるでしょう。
今払っている人は・・・例えば自分自身で100払っていますが、もらうのは110.余分な10は今の現役世代から。
今の現役世代、特に僕ら以下くらいは「120払ってもらうのは90」になるでしょう。これが「120払えば100」くらいで抑えられるかもしれない。というのが前向きな考え方です。
後ろ向きかもしれませんがw
僕なら最善を尽くした上で、自分たちも乗り越えられる第三案を考え出しますけどねw
最初から無理だと思っているから、こういう制度を作ってしまったのでしょう。
さて、続いて次の記事もこの系統です
各地の医師会が批判-後期高齢者医療制度
4月に始まった「後期高齢者(長寿)医療制度」について、各地の医師会が批判的な見解を示している。反対や撤回に加え、新たな診療報酬として設定された「後期高齢者診療料」の届け出や算定の自粛を呼び掛ける動きも出ており、同制度は施行から1か月もたたないうちに見直しを求められる事態になっている。
茨城県医師会は「高齢者の生活は、社会が支えなければなりません!」と題した会長の声明をホームページ(HP)に掲載。同制度について「医療費抑制のため、年齢により人間の価値を差別する制限医療を目的にしていることが明白」などと厳しく批判している。
「同制度に反対であり、撤回を求めて運動する」として、同医師会では「こんな高齢者いじめの制度が許せますか!」と訴えるポスターを作成するとともに、署名活動を展開している。
また、宮崎県医師会は「後期高齢者診療料の算定について」という文書をHPに掲載している。同診療料は、▽「主病」に対する一医療機関での管理▽年間診療計画の作成▽医師の4日間の研修-を要件として、月6,000円(600点)に設定されているが、同医師会では「一患者に一主病のみ、そして一人の主治医のみが治療する、という厚生労働省の考えが明瞭(めいりょう)に表れている」と指摘。
これは、一つの医療機関が同診療料を算定すれば、他の医療機関では同診療料だけでなく、主病は一つとの理由で他の医学管理料も算定できないことを意味しており、同医師会では「医療制度を根本的に揺るがしかねない大きな問題点をはらんでいる」として、会員に同診療料の届け出や算定の自粛を要望している。
さらに、大阪府、宮城県の両医師会も、「後期高齢者診療料」の算定についての見解を発表している。 大阪府医師会は23日の「府医ニュース」で、「75歳を区切りに医療内容が変わることはあってはならず、同診療料の算定については慎重に対処してほしい」と呼び掛けた。宮城県医師会も「制度には多くの検討すべき点が指摘されており、算定に当たっては慎重な姿勢が必要」としている。 このほか、兵庫県医師会は「『長寿』とは片腹痛し。医療の現場では、むしろ命を縮める制度であると、かなり批判が多い」との「会長所感」をHPに掲載している。
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ここに書いている太字のところが僕の意見とほぼ一致なので、今回はあえて書きません。
将来が不明確なのは仕方がないですが、現在を犠牲にして不明確である未来に対応しようということが、僕には理解できない事です
さて、長くなりましたが・・・後期高齢者医療制度。主目的は医療費の抑制、もしかしたら高齢者が志望していくことでの年金受領者の削減(そこまでいうとこの国の官僚はすさまじく悪者になってしまいますが・・・)、未来の対策がないことによるもの(まずは無駄を省く、回せる金を適切な分野にまず回す)だと思います。
この制度に関してはやはり良くない、何とかしなくてはならないと思われる方、応援をよろしくお願いいたします
「体に異変が合ったときに、連絡がいくようにするボタン」
なんてものを作ったら、維持費と作成費でとんでもない額になるかもしれないですねw
国は金をださんだろうな~w
今日も当地は何気に暑い・・ですう。ふう。
私は同制度には根っから大反対で(怒)以前からコツコツと署名も集めています。
ホンとは施行前に是非つぶしたかったのですが(涙)まにあわず。。悔しいですうう。
保険証が配られてからの変更では、またさらに大変かも知れませんが、私の政治生命?をかけて(大げさだなー)がんばっていますよ。
Dr.参議院議員の桜井充先生の「国会で決めたことなら、国会で覆せる」のせりふが支えです。
こんばんは、コメントありがとうございます
札幌も暑かったです。ただ、明日からは少し肌寒くなりそうですね。
僕はひろみさんのように、「署名活動」などは出来ませんが、自分のできることをやっていきたいと思います
後期高齢者医療制度、何とかつぶしておきたいと僕も思います。各個人ができることを少しずつでもやっていければと考えております
ひろみさんも大変だと思いますが、頑張ってください
また、コメントいただければと存じます