新型インフルエンザの影響でINACは5/2以来の神戸開催。
一時はアルビ戦も危ぶまれるたが、マスク着用していた人は極々少数。
一応、落ち着いたのかな?
なでしこリーグ ディビジョン1 第9節
2009年06月07日 11:30K.O 神戸ユニバー記念競技場(348人)快晴 芝良 微風 主審 深野悦子
アルビレックス新潟レディース 1-0(0-0、1-0) INAC神戸レオネッサ
83分大石沙弥香1
この日はダブルヘッダー(和製英語)。関西では比較的ダブルヘッダーを行なっているイメージがある。
ユニバー記念競技場に集まったINAC・アルビレックス新潟レディース・高槻・岡山湯郷は、偶然にも、8/30(日)に予定されているなでしこリーグオールスター戦の”オールウェスト”である。(今年も東西対抗形式なら)
”西”と言われても今一つピンとこないのだが、この関西弁の方々とおそらく西が丘で連合軍を組むと思われる。
(残念ながらあと2ヶ月というのに未だにリーグからは音沙汰はないが。)
風はほぼ無風。たまにピッチを風が駆け抜けると横断幕が下から巻き上げられて大変だった。
「神戸のニューヒロイン」と銘打ったINACのポスター。格好良い。
”ニュー”というのはやはりTASAKIを意識したキャッチなのか?それとも他の団体スポーツも含めて神戸全体の女子スポーツを指すのか?
あくまでも兵庫ではなく神戸なのね。姫路や丹波ではないわけだ。
[INACレオネッサ]
------海堀------
-甲斐-藤村--宮迫-柳井-
------那須------
----田中---櫨----
-川澄---原----米津-
SUB:DF堰、DF坂井、MF高良、FW中島、FW高瀬
監督:田渕径三
55分 原→高良
81分 川澄→中島
プロ契約の鈴木やジナは怪我でベンチ入りできず。アマ中心の布陣。
絶対的なエースは川澄。その川澄とベテラン原をどう抑えきるかがこの試合の課題。
リーグ一の超攻撃的なシステムを採用しているINACとは2部時代に高槻市で対戦して勝って以来勝利がない。
[アルビレックス新潟レディース]
----菅澤--大石----
小原---上尾野辺--法師人
------川村------
山本--詫間--東山-波佐谷
------大友------
SUB:GK諏訪、DF井上、MF口木、MF中村、MF斎藤
監督:奥山達之
61分 法師人→中村
66分 菅澤→口木
スタメンは前節と変更なし。DF井上選手をリザーブに。この試合は守備が重要なので当然だろう。
スタンドには往年の名選手である池田さんや大谷さんなど元TASAKIの方々が集結。
仲井さんや元スタッフの方もいらっしゃったのでさながら同窓会のようにお見受けした。
当然、岡山湯郷や高槻の関係者も先乗りしている。
朝は曇っていたのに、昼近くになると晴れてきて汗ばむ陽気の神戸ユニバー記念競技場。大学サッカー関係者ならお馴染みの競技場である。
300人程の観客に見守られて強豪INACとの一戦は定刻、国際審判深野さんの笛でキックオフ。
序盤は両チーム共にラインが高く、ガチンコ状態。
次第にINACがアルビ陣内に侵入するも、東山選手らアルビDF陣の早い寄せで決定機にはさせない。
前半はINACがアルビ陣内で攻め、アルビDF陣が耐えて、カウンター狙い。そういうシーンが続く。
前半15分、左SH小原選手にボールが渡りINACゴール前へ。が、藤村のスライディングでチャンスを逃す。
逆にINACの攻勢に出て、ゴール前で川澄・原と繋がれるがここはDF陣が踏ん張る。
前半19分、アルビがカウンターでゴール前へ。大石選手のシュートはゴールの枠を外す。が、大石選手には点が取れそうなオーラが出まくっている。
攻められぱなしのアルビだが、24分、押し返してCKを蹴るのは上尾野辺めぐみ選手。
が、INACにカウンターを食らい、一機にアルビゴール前へ。一旦キープした田中から川澄へパス。ゴール前、絶体絶命のピンチは、そのままボールがゴールラインを割って難を逃れる。危ない。
さらに28分、米津がゴール前でGK大友選手と1対1に。シュートが外れてピンチを逃れる。危ない。
せっかく取ったボールも中盤で川澄にボールカットされて逆襲に。高い位置で(アルビにしては低い位置で)ボールを奪われるものだから、ゴール前でピンチの連続。そのたびに東山選手のスーパークリアーが出てボール奪取。さらにこの日のGK大友選手はハイボールの処理が素晴らしく、思い切った出足でINACが横から縦から放り込んだボールを悉くキャッチしてしまう。
38分、何と原からのパスがゴール前の川澄に通ってしまう。GK大友選手と川澄選手の1対1。日体大を支えてきたOG同士の勝負。昨年のオールスター戦ではこのシーンでシュートを撃たれてしまった。そして川澄の選んだのはパス。米津が外して難を逃れる。危ない。
その後もFK有り、CK有りのINACペース。GK大友選手が密集の中で安定した守備を見せる。
前半の大半を守備に費やしたアルビレディースだったが、あと5分というところでカウンター。菅澤選手がキープして大石選手にパスが通って、GKと1対1。大石選手の放ったシュートは海堀がぎりぎりセーブ。場内から大拍手。これって撃った大石選手に向けたものなのか、防いだ海堀に向けたものなのか、この時点では判断がつかなかった。
その後もアルビが耐えて、前半を0-0のスコアレスで終了。あの猛攻を無失点で切り抜けたのは後半に繋がると実感した。
圧倒的なINACペースの中でも左サイドから上尾野辺選手と小原選手の2人はボールを運べているし、菅澤選手のポストプレーは正確だ。
大石選手にボールが渡れば1チャンスで何とかなりそうな雰囲気が漂っているので、それにはあと45分、守備を頑張るしかない。
本日の東山教室の生徒さんは川村選手。こんな緊張感のある教室で授業が受けられるっていうのは最高の環境である。
負荷が大きいほど人間は進化できるはずだ。
HTでINACは櫨に代えて高瀬を投入。アルビレックス新潟シンガポールにいた高瀬の妹。北海道文教大学明清高校OG。大先輩にあたるアルビの波佐谷・詫間両選手にとっては絶対に押さえ込みたい。
アルビレディースの交代は無し。
いきなり高瀬のミドルシュートが飛んできたがGK大友が落ち着いてセービング。相変わらずのINACの猛攻。
後半6分、原がピッチ外でへ。再びピッチに戻るが様子がおかしい。
そんなことは構わずにまたまた高瀬がシュートの枠の外。
原、再びピッチ外へ。結局×印でINAC緊急交代。後半10分、高良が入る。
INACの攻撃は続き、田中、川澄と立て続けにシュート。が、全て枠の外。
どうしても川澄を止められない。
後半16分、アルビ奥山監督は右サイド法師人選手を俊足中村選手に代えINACの流れを止めようとする。
さらに後半21分、ポストプレーヤーの菅澤選手に代え口木選手を投入。運動量を上げていく。
ようやくINACの猛攻も勢いがなくなり始め、アルビの時間帯もできてくる。
後半32分、相手DFの裏に抜けたフィードに口木選手が追いついてGK海堀と1対1に。迷わず撃ったシュートは枠の外。
後半36分、田渕監督は川澄に代えて中島を投入。これでアルビの選手は自由に。
後半38分、INAC陣内でボールの奪い合い。ゴール前右に詰めていた大石にボールが渡り、この日3回目のビッグチャンス。今度は一回キックフェイントを入れてGK海堀の目線を振ったところで、ゴール左に弾丸シュート。決める時は決める。格好良~い!
場内は大拍手。そう半年前まで育ててもらった神戸の人達は大石選手を応援していたんだね。
1-0で先制点を残り7分で奪う。
負けられないINACは前線にボールを集めようとするが、東山選手らDF陣がヘディングで押し返す。
上尾野辺選手や小原選手が左サイドへ侵入してコーナー付近でがっちりキープ。巧い。
右SBの波佐谷選手も右SH中村選手も相手ボールへのプレスをする為に走り続ける。必死だ。
川村選手は中盤で競り負けない。強い。
FWの大石選手は攻撃の時はトップにいるのに、攻められるとCB付近まで戻って懸命の守備。凄い運動量だ。
CKを撃たれてもGK大友選手がハイキャッチして右サイドの小原・上尾野辺選手へキックしてまたまたキープ。
ロスタイム2分が過ぎ試合終了。1-0。アルビの勝利。
実はこの試合のもう一方の主役は国際基準で裁いてくれた深野主審としっかりと走ってくれた2人の男性の副審だと思う。
アルビとINACの試合はこれまでも荒れがちなのだが、男子の試合と見間違うくらい流していて、逆に倒れると立て立てとプレーを止めることを許さなかった。
もちろんアルビもファールは取られたのだが、皆が納得のいくものばかりだった。
毎試合、これくらいの感じでやれると良いのだけど、来週は真逆になるかもしれないのが女子サッカーの奥の深いところ。
大喜びのアルビレックス新潟レディースの選手達。
シュート数アルビ5本に対しINAC14本。前半だけだともっと差を感じる。
本当によく守ったものだ。
ただ課題も明らかになってきていて、シュート数を増やすにはやはり右サイドの選手がもっと頑張らないとこの差は埋まらない。
右SBの波佐谷選手は試合勘が戻ってきたようで守備がだいぶ安定してきたが、クロスが相手のカウンターの起点になってしまっていたので、もうちょっと正確性を上げてもらえると菅澤選手も大石選手もいるのでペナルティエリア内で勝負になれそうだ。
本当によく走っているので、そこのところをよろしく願いたい。頑張ってもらいたいな。
もう一人の右サイド法師人選手は正面場だ。第1クールのトップ下からチーム事情で第2クールは右SHに入っているのだが、どうも厳しい。
メニーナ特有の巧いのだけどボールの持ち過ぎがゆえに敵に狙われているのだと思う。
簡単にボールの受け渡しが出来ないと囲まれるのであの小さな身体だと苦しい。
次はベレーザ戦。第1クールは法師人選手とタイプの違うガテン系アスリート落合選手の活躍で勝ち点1を奪ったが、さて第2クールはどうだろうか?
もし法師人選手が出場なら相当頑張らないと、左サイドの小原選手側でしか突破口がなくなるのでチャンスが限られてくる。
ベテランには夏場の連戦は厳しいかもしれないが、ここをやりきって新境地を開拓してほしいな。怪我だけは絶対にダメだけどね。選手生命に関わる。
最後にサポーターのお話。
今回は若きコールリーダーの下で応援。
コールに気持ちが伝わってきて応援していて気持ちが良かった。
人数が少なかったのもあって皆一様に必死だったということもあるが。
次節はホームなのでまた大勢の人で応援して強豪中の強豪の日テレ・ベレーザを倒せるように援護ができれば良いね。