医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

ドレスデン剛胆王の美感7

2007年03月14日 12時11分14秒 | Weblog
 当然ながらベットガーの錬金術が詐欺だと発覚し、ベットガーは怒った剛胆王から磁器を作るように命令されました。

 王様をだましたわけですから、磁器を作らなければ死が待っているだけのベットガーはしかし、3年をかけてついに白色磁器を完成させました。

 インチキ野郎も案外やるものですね。

 もともと磁器はカオリン(高嶺)と呼ばれる陶土から作られるのですが、カオリンはケイ酸アルミニウムだとか、カオリナイト鉱物(アルミナ質粘土鉱物)というものだそうです。

 ザクセン公国のアウエという所の白い土を原料に、カオリンを主成分とする中国磁器の製法を発見したようです。

 さらにマイセンでは、日本の磁器よりさらに高い1400度以上で焼くことのできる土を使用するために、高温でも崩れないように少し厚手になるそうです。

 そしてマイセンはカオリン含有率65%と、世界一の磁器質であるために、精細度も高く、非常に硬い磁器となるそうです。


 ではここで、よく「陶磁器」といいますが、「陶器」と「磁器」はどこがどう違うのでしょうか?

 「磁器はよりガラス質」、「陶器はより粘土質」というところが大きな違いです。

 「磁器は石もの」、「陶器は土もの」とも言われますよね。

 また「磁器」は撥水性、「陶器」は吸水性ですが釉薬が水を通さないようになっています。

 通常焼き物というのは、「長石」、「珪石」、「粘土」から成り立ちます。

 珪石が、以前ガラスのコーナーで書いたように、ガラスの主成分です。

 そして長石が珪石を溶かしますから、これが多いと「磁器」になるそうです。


 その配分はおおよそ、長石:珪石:粘土が、「磁器」では3:4:3、「陶器」では1:4:5だそうです。

 そのため「磁器」ははじくとチ~ンと金属音がします。

 「陶器」は「磁器」に比べ、ガラスが少ないために透けず、穴ぼこだらけだそうです。

 また「陶器」の粘土はカオリンを含みません。