医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

異端カタリ派の美風5

2007年03月06日 12時07分11秒 | Weblog
 5~6世紀のイングランドの伝説の王、「アーサー王と12人の円卓の騎士伝説」にも聖杯伝説が編みこまれていきました。

 ここでも12という数字です。

 一方、聖杯とテンプル騎士団の関係も多くうわさされ、テンプル騎士団がカナダかアメリカに聖杯を持ち去ったという説だとか、ダヴィンチ・コードのようにテンプル騎士団が逃れたスコットランドのロズリン・チャペル(ソロモン神殿の複製だとも)説もあります。

 またテンプル騎士団とフリーメーソンの関係にも話題に事欠きません。

 そして<聖杯=San Greal>と、<王家の血脈=Sang Réal>に基づいて、「レンヌ・ル・シャトーの謎」が書かれ、それをぱくったかどうかは争われておりますが、ダヴィンチ・コードの聖杯はソフィそのもの、というストーリーにつながりました。

 「レンヌ・ル・シャトーの謎」では、フランスの画家ニコラ・プッサンの代表作『アルカディアの牧人たち』に注目し、南フランスの山中のレンヌ・ル・シャトーにあるとしました。

 「聖杯伝説」はさらにはブライアン・フェリーのロキシーミュージックが歌う伝説のAvalonに向かっただとか、アトランティス大陸説まで登場します。

 イングランドのスタンフォードシアにあるリッチフィールド家の庭園にあった記念石碑の暗号と聖杯の関連が言われ、ナチスドイツが第二次世界大戦中に開発した暗号機エニグマを破った男、オリヴァー・ローンが、2004年この暗号解読を試み、「Jesus (As Deity) Defy」(イエスの神性を受け入れない)という異端の立場を示したものと発表したということです。

 実際にある聖杯としては、エルサレム付近の教会にあったとされ現在は不明のもの、ジェノヴァ大聖堂、バレンシア大聖堂、メトロポリタン美術館にあるものなどが真の聖杯であるとも言われております。

 ダヴィンチ・コードでは、キリストの死後エルサレムでの迫害を逃れたマグダラのマリアはマルセイユ付近に流れ着き、カタリ派ではイエスとマグダラのマリアが結婚していたという説が伝えられているとされておりました。

 だからといって、仮に聖杯があったとしても、レイダースのように、雷を発したり、科学を超越した神秘の力が宿ったり、不老不死を得られたり、病気を治す奇蹟があるとは僕は思いません。

 でもなんだかワクワクしちゃうんですよ。