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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【安倍元首相国葬】:“使い回し”菅前首相が弔辞に“見てもない話”をギャンブルで盛り込んだと自慢! 弔辞の内幕自慢なんて一般葬儀でもありえないのに

2022-10-30 06:20:40 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【安倍元首相国葬】:“使い回し”菅前首相が弔辞に“見てもない話”をギャンブルで盛り込んだと自慢! 弔辞の内幕自慢なんて一般葬儀でもありえないのに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍元首相国葬】:“使い回し”菅前首相が弔辞に“見てもない話”をギャンブルで盛り込んだと自慢! 弔辞の内幕自慢なんて一般葬儀でもありえないのに

 安倍晋三・元首相の「国葬」で感動的だったと称賛を浴びている菅義偉・前首相の弔辞が、じつは使い回しだった件。この問題を本サイトが1日付で報じると、またたく間にSNS上で拡散され、大きな反響を呼んでいる(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2022/10/post-6232.html)。

使い回し菅前首相が国葬弔辞に見てもない話をギャンブルで盛り込んだと自慢! 弔辞の内幕自慢なんて一般葬儀でもありえないのにの画像1

『日曜報道 THE PRIME』で語る菅前首相

 内実が明かされ、とんだ赤っ恥をかいた菅前首相……と思いきや、当の本人は“パクリ弔辞”“コピペ弔辞”と揶揄されていることなどどこ吹く風。2日に出演した『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)では、またも弔辞の執筆について舞台裏を得意げに語り、そればかりか、さらにとんでもないことを喋っていた。

 というのも、菅前首相は自慢ついでに、弔辞のある部分について、なんの確認もしていない情報をギャンブルで盛り込んだことを、ポロリと漏らしてしまったのだ。
 
 それは、菅前首相の弔辞のなかのこの箇所について、だった。

 「ここ、武道館の周りには、花をささげよう、国葬儀に立ちあおうと、たくさんの人が集まってくれています。二十代、三十代の人たちが、少なくないようです。明日を担う若者たちが、大勢、あなたを慕い、あなたを見送りに来ています」

 こう聞くと、普通は、菅前首相は自分の目で、あるいは何かの映像で、国葬の開始前に一般献花に訪れた人の列を見て、「20代、30代が多いな」と感じたんだろう、と思うはずだ。ところが番組で、このくだりについて聞かれると、菅前首相は自ら、こう語り始めたのだ。

 「若者から安倍さんにお別れをしたいと、そういう人がたくさんいるだろうと、そう思いました。ある意味では予測だから、当たらないと大変なことになる。そこはあえて、20代・30代の人は安倍さんに対して来てくれると、そういう自信があった」

 つまり、菅前首相は見てもないのに、予測で「20代・30代の人がたくさん献花に来ている」と決めつけて、“ギャンブル”で弔辞に盛り込んだ、と自ら 明かしたのである。

 実際に20代、30代が多かったという話はあまり聞かないが、結果的に事実だったとしても、見てもないこと、確認してもないことを盛り込んだという のは、状況次第ではフェイクになりかねない話をたれ流していたってことじゃないか。国葬の弔辞で、こんないい加減なことをやっていいのか。

 「山縣有朋の短歌の使い回し」問題についてもそうだったが、こういう指摘をすると、安倍・菅応援団やネトウヨ連中はきっと、「ただの言いがかり」「そんな細かいことどうでもいい」などと必死でかばおうとするだろう。

 しかし、そういう連中に言っておくが、これは税金を使って開かれた国家的行事の国葬における弔辞であって、前首相がやったことなのだ。

 故人が別の人を偲ぶために使った歌を、なんの説明もなく、自分が“故人がその歌を好きだったことを見つけた”かのように語るなんて、普通の葬式でもありえないのに、国葬でそれをやるなんてNGに決まっているではないか。

 今回も同様だ。メディアの見込み報道などとはレベルが違う。国葬の弔辞で、見てもない話をさも見てきたかのように語っていいわけがない。

 しかも、菅前首相がひどいのは、そのことを本人がまるでギャンブルに勝った自慢話のように、“当たった”と語っていたことだ。このヒト、国葬の弔辞をめぐるインタビューと、飲み屋の内輪自慢裏話大会の区別もついていないのではないか。

 ◆弔辞の自慢話をする菅義偉 突っ込むどころか「感動的」と大絶賛するメディア

 実際、菅前首相の国葬後の言動が問題なのは、この“見てもない話の盛り込みポロリ”だけではない。

 菅前首相が“弔辞の内幕”を自慢げに語るのは、ABEMA NEWSチャンネルの独占インタビューに続いて、『日曜報道 THE PRIME』で2回目。しかし、そもそも、弔辞というのは故人を偲び、故人に捧げる言葉。メディアに出て、故人を偲ぶのならともかく、弔辞をこう考えてつくったとか、こういうギャンブルでこういう表現を盛り込んだとか、いちいち自慢話する人なんて、見たことがない(普通に考えて、一般人の葬式でもそんな弔辞自慢する人って、ほとんどいないだろう)。
 
 まあ、菅前首相といえば、「令和おじさん」としてメディアで話題になった際も、ABEMAやniconicoといった御用メディアの独占インタビューに応じ、意気揚々とその舞台裏を語っていた。その後、首相になって、ポンコツぶりと説明能力のなさを散々批判されていたのが、久しぶりにほめそやされて、「夢よ、もう一度」と調子に乗ったのだろう。

 しかし、問題は、その菅前首相の自慢話について「弔辞自慢というのがそもそもおかしい」という指摘をするどころか、「感動した」と大絶賛し、裏話を感心しながら傾聴している御用メディアや評論家たちだ。

 今回も、『日曜報道 THE PRIME』では、安倍氏に総裁選に出馬するよう焼鳥屋で口説き落としたことを菅前首相が弔辞で「私はこのことを、菅義偉生涯最大の達成として、いつまでも、誇らしく思うであろうと思います」と語ったことについて、菅政権内閣官房参与に引き立てられた宮家邦彦氏は本人を前に「お世辞抜きに日本の外交にとって決定的に大きな達成だった」と称賛。さらに、同じく菅前首相と親密な関係にある橋下徹氏も「安倍氏を総理にしたことが自分の人生のもうすべてだという関係は、なかなか普通の社会人ではこんなことない。この言葉で、なにか菅氏のすべてを感じた」などと熱く語った。

 しかも、弔辞が“感動的”だったというだけで、御用マスコミや政権応援団の間からは「菅氏が再登板すべき」などという“首相返り咲き待望論”まで出てきている始末だ。

 まったく何をバカな、という話だろう。言わずもがな、菅前首相は総理在任中、新型コロナ感染拡大期に東京五輪を強行開催させ、現在の岸田文雄首相よろしく「説明が足りない!」と批判を浴びただけでなく、説明と称するものがまったく説明になっておらず、「ポンコツ」と揶揄されるように。国会も開かず、まともなコロナ対策も取らずに権力闘争に明け暮れ、その結果総裁選不出馬に追い込まれて事実上ケツを割った無能中の無能首相ではないか。その「ポンコツ」を、“エモい弔辞”ひとつで再評価するなど、トチ狂っているとしか言いようがない。

 ◆再登板狙い? 萩生田光一と接近する菅義偉 菅と統一教会との関係は…

 しかし、菅前首相本人はこの“菅ブーム”に調子づき、どうやら「再登板」に向けてアクセルを踏みつつあるらしい。しかも、とんでもない方向に向かって暴走しようとしている。

 というのも、国葬がおこなわれたあと、菅前首相は、統一教会とズブズブで集中砲火を浴びた自民党随一の“壺政治家萩生田光一政調会長とふたりきりで会談していたからだ。

 萩生田氏のブログによると〈この夜はお互いの日程の合間をぬって菅前総理と二人で安倍さんを偲び献杯しました〉というが、最近、永田町では、岸田政権の内閣の支持率がダダ下がりしているなか、“首相返り咲き”を狙う菅氏が、萩生田氏を安倍氏の後継者と見立てて接近しているというという話が、しきりに流れていた。そこへ、このあからさまな会談である。

 菅前首相は、萩生田政調会長と統一教会とのズブズブの関係をまったく問題にしていないことになる。

 しかし、それも当然なのかもしれない。メディアでは大きく報じられていないが、菅前首相もまた、統一教会との関係が指摘されているからだ。

 ジャーナリストの鈴木エイト氏も、発売されたばかりの著書『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)のなかで、統一教会と安倍政権の「共存共栄関係におけるバイプレーヤー」は菅氏であると指摘している。

 実際、2013年の参院選において統一教会の全面支援を受けていたと指摘されている自民党の北村経夫・参院議員の問題では、北村議員の元選挙スタッフが「当時の菅官房長官が、北村候補に(統一教会の関連団体である世界平和連合を)選挙支援として差配した、支援団体としてつけた」と証言(菅事務所は事実を否定)。

 また、9月8日に公表された自民党の「点検」結果でも、菅氏が牛耳る神奈川の自民党議員9人が、統一教会と関係があったことが判明した。しかも、菅氏の子飼いである山本朋広衆院議員、山際大志郎経済再生担当相はとびきり濃厚な関係を持っていたことがわかっている。

 にもかかわらず、菅前首相と統一教会の関係が大きく追及されないのは、菅前首相がメディアに対して睨みを利かせているからだと言われている。

 そういう意味では、萩生田“壺”政調会長も同じだ。一時は集中砲火を浴びていた萩生田氏だが、本サイトの記事でも指摘したように、政治部を通じて各社に圧力をかけるようになったと言われ始めた頃から、マスコミは萩生田氏の問題についてほとんど報じなくなった。それどころか、2日放送の『日曜討論』(NHK)にまるで無関係の人間であるかのような顔をして登場し、所轄の大臣でもないのに「統一教会に対する解散命令は難しい」などと発言しても批判されないでいる。

 このまま菅前首相と萩生田政調会長が手を組めば、圧力をかけまくって統一教会問題そのものが報道できなくなる可能性すらある。

 弔辞ひとつで菅前首相を再評価しているようでは、この国はあっさり「ポンコツと壺」に乗っ取られかねない。そのことをメディアは肝に銘じるべきだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【告発】  2022年10月04日  05:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2022年10月28日 今日は?】:「ドーハの悲劇」サッカーW杯予選イラク戦で日本が終了直前に追いつかれW杯出場逃す

2022-10-30 00:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2022年10月28日 今日は?】:「ドーハの悲劇」サッカーW杯予選イラク戦で日本が終了直前に追いつかれW杯出場逃す

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2022年10月28日 今日は?】:「ドーハの悲劇」サッカーW杯予選イラク戦で日本が終了直前に追いつかれW杯出場逃す

 ◆10月28日=今日はどんな日

  中国から寄贈されたジャイアントパンダのカンカン、ランランの2頭が上野動物園到着(1972)

 ◆出来事

  ▼サッカーW杯予選イラク戦で、日本が終了直前に追いつかれW杯出場を逃す「ドーハの悲劇」(1993)

93年10月、イラクと引き分けに終わりW杯出場を逃し、ピッチに座り込むカズ93年10月、イラクと引き分けに終わりW杯出場を逃し、ピッチに座り込むカズ

 ◆誕生日

  ▼斉藤暁(53年=俳優)▼倉木麻衣(82年=歌手)▼野呂佳代(83年=タレント)▼椿原慶子(85年=フジテレビアナウンサー)▼スザンヌ(86年=タレント)▼菜々緒(88年=タレント)▼吉川愛(99年=女優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2022年10月28日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界Web】:質問権、準備の質が結果左右 教団被害者救済、実効性が重要 菅野志桜里さんインタビュー

2022-10-29 15:00:30 | 【事件・未解決・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・オウム事件・旧統一教会を巡る事件他】

【政界Web】:質問権、準備の質が結果左右 教団被害者救済、実効性が重要 菅野志桜里さんインタビュー

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界Web】:質問権、準備の質が結果左右 教団被害者救済、実効性が重要 菅野志桜里さんインタビュー

 安倍晋三元首相への銃撃事件を契機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の「霊感商法」や高額寄付の問題がクローズアップされた。与野党は被害者救済のための法整備に着手。消費者庁の有識者検討会は17日、教団への調査の必要性や被害者救済策について提言をまとめた。検討会のメンバーで元衆院議員の菅野志桜里さん(議員時代は山尾姓)に、救済策のポイントや与野党に求めることなどを聞いた。(時事通信政治部 眞田和宏)<button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">インタビューに応じる菅野志桜里さん=24日、東京都内</button>

     インタビューに応じる菅野志桜里さん=24日、東京都内(時事通信社)

 【図解】旧統一教会への調査の流れ  

 ―8月末に検討会に加わる前はこの問題をどのように捉えていたか。検討会に加わった経緯は。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(弁連)やジャーナリストが旧統一教会問題の追及を続け、多くの真実を明らかにしてきたにもかかわらず、社会はそれを見過ごし、政治に至っては、放置してきた。私はその一員だっただけではなく、(霊感商法も契約取り消しの対象とした)2018年の消費者契約法改正では、委員会の議論に参加していた。私自身も実効性に疑問があると指摘していたが、それを良い形で実現せずに終わって、ここまで来てしまい、社会の一員として今こそ解決しなければいけないと思っていた。

 その時、消費者庁の職員から検討会の委員になるよう依頼をされ、議員時代のやり残しの宿題でもあるので引き受けた。政治経験が多少なりともあるので、どうやったら政治的な実現に近づけることができるのか、その理想と実現の橋渡しの役割を意識的に果たそうと努力した。

 ◇解散命令請求の要件に該当と確信

 〈宗教法人法は「著しく公共の福祉を害する」「宗教団体の目的を著しく逸脱した」といった場合、裁判所は文部科学相らの請求を受けて「解散を命ずることができる」と規定している。それに先立ち、解散事由に該当する疑いなどがあれば、文科相らが法人側に報告を求めたり質問したりすることを認めている〉

 ―消費者庁の検討会がまとめた提言では、宗教法人法に基づく質問権の行使が大きな柱だ。岸田文雄首相も調査手続きに入るよう文科相に指示した。

 世論調査で8割が解散命令請求することに賛成という結果もあり、岸田政権が支持率回復のために踏み込んだという話が散見されるが、このことは世論の求めや政治的思惑で判断すべきことではない。

 教団の組織的な違法行為を認めた民事訴訟の確定判決は、30弱も積み上がっている。宗教法人法の条文と結び付けたときに、自然体で考えると質問権の発動要件に当たるし、解散命令請求の要件に該当すると確信があった。

 ―首相は18日の衆院予算委員会の答弁で、解散命令請求の要件に民法の不法行為は当たらないとの認識を示したが、どう思ったか。

 率直に言って岸田政権は大丈夫かと思った。私は「民法は要件に当たらない」と答弁したことが、解釈変更だったと見るべきだと思う。これまでの政府見解は、一般のいろいろな法規が当たるとして、むしろ民法が入る余地を十分残してきた。文化庁も、オウム真理教への解散命令を例に、「刑法の事案なので…」と民法でやらない意思を強くにじませることはあったが、解釈については語尾を濁してきた。それを首相が一切なくすという答弁をしたことは重大な解釈変更で、驚がくした。

 ここは注目して今後分析すべきだと思うが、今ある30弱の民事の確定判決を基礎事実から外す答弁をした上、まだ雲をつかむような将来の刑事事件の可能性をにじませて先送りすることで、「質問権は行使はするが、解散命令請求はしない」というシナリオが透けて見える答弁だった。

 ―野党は反発し、翌19日の参院予算委で首相は「民法の不法行為も入り得る」と答弁を変えた。

 18日の夜に関係省庁が集まって会議をして、先を見越した検討をしたと感じた。それは19日の答弁で、要件に組織性、悪質性、継続性のある行為も対象とし、(教団の)使用者責任も入ると言ったからだ。

 それによって、教団が行為者として不法行為責任を負った二つの判例だけでなく、行為者は信徒だが使用者として教団が不法行為の責任を負うとした二十数件の判例も入り、継続性という要件を満たすことになる。あるべき方向に整えられてきたと思う。<button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の日本本部</button>

         世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の日本本部(時事通信社)

 ◆反論機会として質問権行使を

 ―質問権行使に当たってのポイントは。

 最初に質問を当てる前段階の準備の質が結果を左右する。犯罪捜査と違って、資料を押収するといった強制力はない。裁判資料や証言、流出した内部資料、文化庁にある会計書類といった教団の外にある資料を分析する必要がある。その上で事実を明らかにし、悪質で組織的で、継続的に行われた行為だという法的な整理を固めた上で、反論の機会を与える意味での質問権行使に踏み切ってほしい。

 ―検討会で、寄付に関する被害救済のため寄付要求についての「一般的な禁止規範」の法制化を提言した狙いは。

 (法的な)契約かどうか判然としない献金事例が増えている。それが契約に当たるか当たらないか判断が難しい事案も救えるように、献金(寄付)についての一般的な禁止規範を定めようということだ。これは寄付募集に関する禁止行為を定めた公益法人法が参考になる。宗教法人はこの法の対象から抜けているので、選択肢としては宗教法人法の改正をするのか、あるいは新法を作るかだと思う。

 きちっとその禁止規範を作れば、今後その規範に対して違反したことが、解散命令請求の基礎になりやすいメリットもある。

 ◇野党法案は検討に値  

 ―提言では霊感商法などによる被害救済のため、取り消し権の対象範囲の拡大を提言したが、そのポイントは何か。

 2018年の消費者契約法改正で、霊感商法の取り消し権が入ったが、これが使われた裁判例は見当たらないということだった。これを使うには「このつぼを買えば、確実に先祖の霊が救われます」というようなセリフが出て、それを立証しなければいけない。そしてマインドコントロール下にある人にはここまで言う必要すらない場合も多く、実際に使われていなかった。

 そのため、もっと包括的な要件で取り消すことができるようにしなければいけない。フランスの反カルト法が参考になるが、合理的判断ができないような心理状態につけ込んだ契約という要件にして、取り消すことができるようにしたらどうかということだ。

 ただ、家族による取り消しの問題は難しい論点で、今回は今後の検討事項ということにしてある。

 〈立憲民主党と日本維新の会が17日に国会に提出した霊感商法や高額献金の被害救済に向けた法案では、年収の4分の1を目安に物品購入や献金などをさせる行為を「著しい損害」と認定。家族らが被害者本人に代わって取り消し請求できる規定を盛り込んだ。対象団体への立ち入り検査や是正命令も可能とし、応じない場合は刑事罰を科せるとした〉

 ―野党の法案では家族にも取り消し権を与えたが、評価は。

 マインドコントロール下にある人の個々の献金行為を家族も取り消せる仕組みについては、救済の実効性と、個人の財産権の保障のギリギリのバランスだと思うが、今の状況でいえば、検討に値する提案ではないかと思う。

 ―一方、自民党側はこれに難色を示している。家族が損害賠償請求できる仕組みも案として検討されている。  野党案という具体的なたたき台があったからこそ、こういう別の工夫が出てきたと思う。

 本人がマインドコントロール下にあって本人自身の取り消しが、およそ望めない事案が多い。その家族も取り消せるという形を作るのか、それとも何か損害賠償責任を家族も提起できるようにするのかなど、幾つか法的なアイデアがあると思う。その中からベストチョイスをするのが現実的な案だと思う。

 それを決めるときには弁連の意見をしっかり聞いてほしい。弁連は家族による取り消しが認められない中でも、教団を行為者とした不法行為責任を勝ち取った経験もある。何が今までハードルとなって、返金させられなかったのかを一番知っている。どうすれば一番実効的に解決できるか、そこは尊重してほしい。<button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">旧統一教会被害者救済に向けた法整備の与野党協議に臨む、自民、公明、立民、維新の関係者=21日、国会内</button>

 旧統一教会被害者救済に向けた法整備の与野党協議に臨む、自民、公明、立民、維新の関係者=21日、国会内(時事通信社)

 ◆必要な議論には時間かけて

 ―与野党は今国会中にも救済法案を成立させることを目指して協議しているが、まだ先は見通せない。議論する上で欠かせないポイントは何か。

 まず早い方が良い、厳しい方が良いというような、政治的な思惑がもし仮にあるんだとしたら、そこはためらいを持ってほしい。

 大前提として、野党のたたき台があって、それに与党が乗っかって、できるだけ早く解決しようというこの流れ自体は大歓迎だ。

 消費者契約法をベースにした救済拡大は、元があるのである程度スピード感をもって対応しやすいとは思う。一方で献金についての一般的な禁止規範を作ることは、それなりに影響力も大きいので、実効性があるとともに、過度な規制にならないようバランスを探す作業をしっかりやってほしい。

 今国会という政治的目標にあまり自縛をされ過ぎず、できるものは仕上げつつ、本来だったら半年ぐらいかけてしっかり理論を詰めて実効的な法案に仕上げていくべきだと思う。

 他の宗教団体や、その信者の信教の自由にも触れてくるし、個人の財産権の本質にも関わってくる。そこは憲法上の議論も飛ばさないで、必要な議論には必要な時間をかけて、実効性あるものを仕上げてほしい。

 個人的には、野党案をベースに、そこから年収の4分の1を著しい損害とする部分や、慎重な検討が必要な刑事罰の規定をなくすと、実効性と過度な制約にならないバランスの良い法案になると思う。

 ―寄付金の上限規制をどう考えるか。  金額規制や割合規制は数値が出るので、政治家がその判断基準として使いたくなる気持ちは分かる。ただ、リスクや過度な制約にわたるというデメリットもある。むしろその宗教団体に信者の収入を把握することのお墨付きを与えるという本末転倒のリスクもある。他の宗教団体に対しても信者の収入把握を事実上求めることにもなりかねない。慎重に考えた方がいい。  

 ◇政界復帰は…  

 ―弁護士として今回アプローチしているが、議員時代との違いは。

 法律と政治の接点をつくっていくことは議員時代からも心掛けてきた。議員ではなくなったことで、特定の政党の色にとらわれず発言することもできる。また、理想を政治的実現まで引っ張っていく作業を、与党・野党というくびきがないので、やりやすいと感じている。

 今は政党色のない民間人なので、政治的実現ということに向けて集中できる。

 ―今後の政界復帰の可能性は。

 議員ではないからこそできることをやっているので、全くそういうつもりはない。政治家以外の政治参画のルートをつくっていきたい。

 ■菅野 志桜里さん(かんの・しおり)

 東大法卒。検察官を経て09年衆院選愛知7区で旧民主党から出馬し初当選。衆院議員を3期務め、旧民進党政調会長、国民民主党憲法調査会長などを歴任した。21年衆院選に出馬せず政界を引退。国際人道プラットフォームを立ち上げ、弁護士の立場で人権問題などに取り組んでいる。48歳。

  元稿:時事通信社 JIJI.com 政治 【政局・連載「政界Web」】  2022年10月29日  15:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権】:自民の要求首相丸のみ 官邸「拒めば政権が沈みかねない」 経済対策、一夜で4兆円積み増し

2022-10-29 09:51:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田政権】:自民の要求首相丸のみ 官邸「拒めば政権が沈みかねない」 経済対策、一夜で4兆円積み増し

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:自民の要求首相丸のみ 官邸「拒めば政権が沈みかねない」 経済対策、一夜で4兆円積み増し

 28日閣議決定された総合経済対策の編成過程では、政府が一夜で4兆円を積み増すという異例の対応が取られた。岸田文雄首相は今回の取りまとめを「政治主導、大局観を発揮することを重視した」と胸を張るが、原案の予算規模に猛反発した自民党からの増額要求を首相がすんなり丸のみしたのが実情。政権を直撃する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題に収束の兆しはなく、一連の対策で局面打開を図れるか、綱渡りの政権運営が続く。<button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-fZXIOb ikbkOs" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">岸田首相</button>

岸田首相

 ■「つまらないプリンス」が首相就任会見で見せた「らしくない」顔  

 「トップダウンで万全の対応を図り、経済対策を国民の皆さんに徹底的に活用いただけるよう全力を挙げる」。首相は28日の記者会見で、生活に直結する物価高対策を中心に「出来栄え」を強調した。

 その成果品となる2日前の26日午後。首相は官邸で鈴木俊一財務相から25兆1千億円の原案説明を受けた。「一度持ち帰らせてくれ」。首相は返答を避けた。

 ほぼ同時刻、自民党本部であった総合経済対策を議論する会合では、複数の党幹部が主張する「30兆円」には程遠い予算規模に怒号が飛んだ。会合後、首相は茂木敏充幹事長、萩生田光一政調会長と協議し増額を決断。夜に再び鈴木氏を官邸に呼び出し「世界経済の下振れリスクを考え、カバーできる金額にしてくれ」と指示した。翌27日、差し替わった補正予算案は29兆1千億円まで膨らんだ。

 首相は、目玉の光熱費支援でも与党への配慮に腐心した。当初は電気料金の抑制のみを想定していたが、ガス業界の不満を踏まえて公明党がいち早く支援を要請。電気に比べてガス料金の値上がりは小幅なため、官邸内は「激変緩和という趣旨にそぐわない」(政府高官)と慎重論が根強かったが、「首相の政治判断」(側近)で盛り込んだ。

 10月の時事通信の世論調査では内閣支持率が27・4%と、危険水域とされる20%台に突入。今臨時国会でも旧統一教会の調査に関する法解釈を1日で覆したり、山際大志郎前経済再生担当相の更迭判断で後手に回ったりと、首相の指導力不足を指摘する声は党内外で広がっている。

 年末にかけて、安全保障関連3文書改定などの政治課題が山積する中、肝いりの総合経済対策が順当に着地し、国民世論の納得を得られなければ、首相のさらなる求心力低下は避けられない。「今、与党の要求を拒めば党との関係が壊れる。政権が沈みかねない」。緊張感が漂う官邸で側近は声を潜めた。(岩谷瞬)

 ◆目先の対策が柱 物価高克服は見通せず

 元稿:西日本新聞社 主要ニュース 政治 【政局・岸田政権】  2022年10月29日  09:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:総合経済対策 賃上げの具体策を欠く

2022-10-29 07:49:55 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説①】:総合経済対策 賃上げの具体策を欠く

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:総合経済対策 賃上げの具体策を欠く 

 政府は物価高騰に対応する総合経済対策を閣議決定した。財源を裏付ける本年度第二次補正予算の一般会計は二十九兆円を超え、大半を赤字国債の発行でまかなう。
 
 対策の軸は電気・ガス料金の軽減だ。小売り事業者に補助金を出し一世帯当たり月計三千円程度の軽減を目指す。ガソリン補助金も延長し、エネルギー関連の家計負担は来年一〜九月で平均四万五千円程度が浮く見込みという。
 
 ロシアのウクライナ侵攻を背景とした資源高で当面、電気・ガス代は上がる。ただ料金体系が多様化する中で一律に軽減しても具体的な効果は感じにくい。さらに軽減策は富裕層にも恩恵が回ることになり不公平感も増す。
 
 軽減策を打ち切る時期も見通しが立ちにくい。延長を重ねたガソリン補助金はすでに三兆円以上が予算化された。価格上昇が沈静化しないまま軽減策をやめるのは難しく、財政負担が際限なく増えるシナリオは容易に想像できる。
 
 効果もやめ時も不透明なら政策として体をなさない。政府はより効果が見える仕組みを工夫する一方、対策の縮小・停止に向けた出口戦略を明示すべきだ。
 
 補正予算額についても懸念がある。自民党の世耕弘成参院幹事長は「去年が三十兆なら、少なくとも三十兆は必要」と述べ、茂木敏充幹事長も「去年並みが必要だ」と同調した。
 
 限りある予算は使い道と効果を見極め支出しなければならない。自民党幹部の姿勢は財政規律の軽視であり猛省を促したい。
 
 対策には岸田文雄首相が提唱する「新しい資本主義」に関連して学び直し(リスキリング)の拡充策も盛り込まれた。
 
 ただ各省庁が政権の方針に便乗して予算拡大を図る手法は横行している。国会審議では便乗型予算について目を光らせるよう強く求めたい。
 
 岸田首相は「物価上昇に見合う賃上げの実現」を掲げる。円安で追い風を受けた大企業を中心に五百兆円以上の内部留保が存在し、賃上げ実現は可能だ。
 
 ただ対策は賃上げに向けたメニューの具体性を欠く。世帯の可処分所得増に効果的な減税は議論された形跡すらない。
 
 給付型のばらまき策には限界がある。政府は税制を軸とした賃上げ強化策と、消費税も含めた減税を本格的に検討すべきである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年10月29日  07:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

 

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【社説①】:南海トラフ確率 根拠の説明が不可欠だ

2022-10-29 07:49:40 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説①】:南海トラフ確率 根拠の説明が不可欠だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:南海トラフ確率 根拠の説明が不可欠だ 

 政府の地震調査研究推進本部が南海トラフ地震の三十年以内の発生確率を70〜80%と算出する際、高い値が出るよう特別な計算法を採用し、計算法の根拠も曖昧だったことが本紙の取材で分かった。
 

 一般的な方法で計算すると20%程度。併記すれば20〜80%程度になるが、防災の必要性を印象づけて防災予算を獲得するため、高い値だけが発表されたという。

 
 南海トラフ地震は最短九十年程度で繰り返した記録がある。昭和時代に起きた前回の地震から八十年近くがたち、危機感を十分に持つべき時期に来ている。
 
 政府は発生確率の根拠と防災での位置付けを丁寧に説明し、いつでも起こり得る大規模地震への備えを呼び掛けるべきではないか。
 
 地震発生の確率予測は一九九五年に発生した阪神・淡路大震災を機に始まった。
 
 当時の検討会では「確率が高いのか低いのかとらえ方が分からない」「地震を確率で表すと大変小さい数字になる。数字だけ見ると安心情報につながる」「不確定性があり、数字の低い地域でも地震が起こる」などが指摘された。
 
 ただ、そうした懸念は置き去りにされ、地震調査研究の成果として確率予測の発表が続いた。
 
 強い地震の確率が数%とされた北海道や九州などでは安心をうたって企業を誘致する自治体もあったが、北海道地震(二〇一八年)や熊本地震(一六年)が起きて大きな被害を出した。
 
 地震の危険性や確率の不確かさが丁寧に説明されていれば、過大な数値を発表する必要もなく、不確かな安全性に基づく企業誘致もなかっただろう。
 
 日本地震学会は、一一年に起きた東日本大震災の反省から、翌一二年に「社会に対して等身大の地震学の現状を伝えていく」などの行動計画を打ち出してはいる。
 
 しかし、南海トラフ地震の発生確率を巡る予測は「等身大」と言えるだろうか。今後も発生確率を使い続けるのなら、政府も研究者も、地震予測の現状と確率の意味を丁寧に説明すべきだ。そうしないと逆効果になりかねない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年10月28日  07:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説②】:精神保健法改正 強制入院への懸念残る

2022-10-29 07:49:35 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【社説②】:精神保健法改正 強制入院への懸念残る

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:精神保健法改正 強制入院への懸念残る 

 精神科病院での強制入院の根拠となる精神保健福祉法の改正案が国会に提出された。強制入院の大半を占める医療保護入院を存続させ、入院手続きの簡便化を図るなど懸念の多い内容だ。
 
 改正案は障害者雇用促進法改正案など関連五法案と一括した「束ね法案」として提出された。
 
 しかし、多くの問題も含み、ほかの法案との関連性も薄い。一括して審議するのは問題だ。束ね法案から切り離して審議し、強制入院などを巡る懸念が解消されなければ、法案を撤回すべきだ。
 
 国連障害者権利委員会は今夏、日本の政策を初めて審査し、改善を勧告した。特に精神科医療については強制入院を問題視し、制度の根拠となる法律の全廃を要請したが、今回の改正案は勧告を無視した内容と言わざるをえない。
 
 日本の精神科病床数は経済協力開発機構(OECD)加盟国全体の四割弱を占める。この異様な数字は入院の半数弱を占める医療保護入院によるところが大きい。
 
 現行の医療保護入院では、入院には指定医とともに家族などの同意が必要だ。患者に身寄りがないなどといったケースに限り、市町村長が同意を代行している。
 
 今回の改正案は、家族が意思表示しない場合でも市町村長の同意で入院を可能とする。現場で医師が入院の必要性を説けば、行政がそれを拒むとは考えにくい。
 
 障害者団体が改正案に対し、不要な入院の増加を懸念するのは当然だ。そもそも入院の原則は本人意思による任意入院にあることを忘れてはなるまい。
 
 改正案を作成した厚生労働省は当初、有識者検討会で「医療保護入院の将来的な全廃を視野に」と説明していたが、病院団体の反対で「信頼できる入院医療の実現」へと方向転換した。改正案に反対する障害者団体などは、政府への不信を強めているのが実情だ。
 
 改正案は、病院内で後を絶たない患者への虐待に関し、職員らを対象に都道府県への通報義務や通報者保護を盛り込んではいるが、実効性には疑問が残る。
 
 人権保護が主眼の障害者虐待防止法の対象に精神科病院を加えるのではなく、医療が主体の精神保健福祉法の枠内での手直しだからだ。福祉法にはすでに指導監督制度はあるが、第三者性に乏しく機能していない。改正案がその二の舞いになることを懸念する。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年10月28日  07:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説①】:反習派の一掃 独裁の足音が聞こえる

2022-10-29 07:49:20 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、残留孤児、国家による抑圧統治】

【社説①】:反習派の一掃 独裁の足音が聞こえる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:反習派の一掃 独裁の足音が聞こえる

 中国の習近平共産党総書記が異例の三期目に向け構築したのは、側近で固めた最高指導部だった。いわば、イエスマンぞろい。中国が毛沢東独裁時代の反省から導入した集団指導体制はもはや形骸化したと言うほかない。習氏による事実上の独裁の足音が聞こえる。

 
 最高指導部の政治局常務委員七人すべてが習氏と近い人物だった。実務能力や見識よりも忠誠心を最大の条件に腹心が重用された指導部が、果たして国民への責務を十分に果たせるか心もとない。
 
 党内序列ナンバー2になった李強氏は来春の全国人民代表大会(国会)での首相就任が濃厚である。だが、今春、李氏がトップを務めていた上海での新型コロナ感染拡大の責任を問われ、一時は更迭論があった。ナンバー5の蔡奇氏は北京市トップだった際に、低賃金の出稼ぎ労働者を首都から締めだし、庶民の恨みをかった。
 
 「ゼロコロナ」も「共同富裕」も習氏が掲げる看板政策だ。そこで失政があったのに、処分されるどころか最高指導部に引き上げられたのは、習氏が指導部を取り巻きで固め、「一強」の長期政権化を狙っているからであろう。
 
 側近重用と対照的に、反習派の一掃は徹底していた。共産主義青年団(共青団)トップを務めた胡錦濤前総書記の系列にある李克強首相、汪洋・全国政治協商会議主席は、いずれも定年慣行に満たない六十七歳だが、政治局常務委員から引退を余儀なくされた。
 
 五十九歳と若く「共青団のホープ」といわれた胡春華副首相は政治局常務委員に昇格したうえで、来春、首相に就任するともみられていた。だが、ふたを開けてみれば、昇格どころか政治局員から中央委員に降格された。
 
 新たな政治局常務委員に後継者になりうる五十代がいないのは、習氏が三期目どころか四期目すら見すえているからであろう。
 
 だが、何ら制約を受けない絶対的権力の危険性を習氏はどこまで自覚しているのだろうか。国際社会は、政治的な意思決定のバランスや透明性を全く失った異形の大国と対峙(たいじ)していくことになる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年10月27日  07:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説②】:英国政治の混乱 首相たらい回しの限界

2022-10-29 07:49:15 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②】:英国政治の混乱 首相たらい回しの限界

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:英国政治の混乱 首相たらい回しの限界 

 英国の新首相にスナク元財務相(42)が就任した。トラス前首相は保守党の党首選で公約した四百五十億ポンド(約七兆八千億円)の大型減税策が財源の裏付けがないとして債券、株価、通貨の「トリプル安」を招くなど市場が混乱し、退陣に追い込まれた。
 
 英国民の生活はロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー高騰やインフレで厳しさを増しており、スナク政権は経済立て直しと政治への信頼回復が急務だ。
 
 スナク新首相はインド系で英国史上初のアジア系首相でもある。四十三歳で就任したキャメロン、ブレア両元首相を抜いて、過去二百年では最も若い。
 
 その一方、夫婦とも富豪で、庶民感覚の乏しさも指摘される。英国民の生活苦に寄り添い、暮らし向きを少しでも良くするような政策を実現できるのか。
 
 英国はウクライナ支援、ロシアへの経済制裁を巡り、米国とともに国際社会の中心的役割を果たしてきた。離脱後の通関手続きなどを巡り欧州連合(EU)との対立も続く。外交経験の浅さは指摘されるものの、スナク氏の手腕が厳しく問われる局面だろう。
 
 同時に、議会制民主主義や議院内閣制の範とされる英国では、保守党政権下で混乱が続いていることも指摘せざるを得ない。
 
 二〇一六年六月のEU離脱の是非を問う国民投票の実施以来、英国民の分断は深まった。度重なる首相交代により、スナク氏は過去六年間で五人目の首相だ。
 
 今年だけでも、ジョンソン元首相が新型コロナウイルス対策の規制下でパーティーを開く不祥事で辞任。後継のトラス氏も減税策の公約の大半を撤回し、就任四十五日での辞意表明となった。
 
 九月の党首選で、トラス氏の公約は保守党員や同党所属議員に支持されたのではなかったか。首相の座を同じ党内で「たらい回し」したことの限界だ。英国政治混乱の責任は、保守党全体にある。
 
 保守党は一九年十二月の下院総選挙で労働党に大勝したが、最近の調査では支持率が19%にまで落ち込み、支持率が56%にまで回復した労働党に大きく引き離されている。政権担当能力への疑問が突き付けられている状況だ。
 
 英国政治を立て直すには、労働党にも呼び掛け、下院の解散・総選挙で民意を問い直すのが議会制民主主義の筋ではないだろうか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年10月27日  07:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【政局】:旧統一教会問題で内閣支持率ジリ貧…それでも岸田降ろしが始まらない自民党の人材払底

2022-10-29 06:29:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政局】:旧統一教会問題で内閣支持率ジリ貧…それでも岸田降ろしが始まらない自民党の人材払底

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:旧統一教会問題で内閣支持率ジリ貧…それでも岸田降ろしが始まらない自民党の人材払底

  自民党と旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の癒着問題、歯止めがかからない円安物価高、迫りくる新型コロナウイルス第8波──。

 三重苦に見舞われる岸田首相は右往左往するばかり。往生際の悪い瀬戸際大臣をようやくクビにしたものの、内閣支持率に反転の兆しは見えず、ジリ貧だ。岸田首相の政権運営に自民党内では不満噴出だが、かといって「岸田降ろし」が始まる気配もない。力がある派閥もなけりゃ、力業を使える議員もいないからだ。気づいたら要職を占めているのは外様の連中ばかり。「人材払底極まれり」である。

<picture>“岸田首相降ろし”したくとも…(C)日刊ゲンダイ</picture>

  “岸田首相降ろし”したくとも…(C)日刊ゲンダイ

 ■要職は外様ばっかり

 「来年4月の統一地方選を控え、支持率は危険水域に入り、党内では失望感が広がっている。総理は党内第4派閥(宏池会)の領袖に過ぎないわけで、求心力を失い始めればアッという間。岸田降ろしのノロシが上がり、党内政局に突入してもおかしくない。しかし、そうはならないのは、生え抜きのマトモな勢力がいないからです。党三役を占める茂木幹事長と遠藤総務会長は、ともに日本新党出身。萩生田政調会長は旧統一教会問題に手足を縛られている上、安倍派(清和会)の跡目争いでそれどころじゃない」(与党ベテラン議員)

 事実上、岸田首相から権力の座を追われ、恨み骨髄の菅前首相も動くに動けないという。

 「菅前総理は神宮外苑再開発事業をめぐって便宜をはかった疑惑を抱え、派手に動き回れない。三男が勤める大成建設は、東京五輪開催に伴う新国立競技場の建設を受注している。そうでなくても、統一教会をめぐる問題は収束のメドが立たない。誰が総理になっても苦労する。火中の栗を拾う物好きはいないですよ」(永田町関係者)

<picture>瀬戸際大臣後任も…(後藤茂之経済再生相)/(C)日刊ゲンダイ</picture>

  瀬戸際大臣後任も…(後藤茂之経済再生相)/(C)日刊ゲンダイ

 ◆生え抜きは小粒ばかり

 瀬戸際大臣の後任は前厚労相の後藤経済再生相。起用理由について岸田首相は「政治経験の豊富さ説明能力の高さなどを重視した」と言っていたが、後藤氏のルーツは新進党。初当選時は民主党公認だった。政権最大のピンチに生え抜きを据えられないのも人材難ゆえだ。

 ちなみに、ポスト岸田を狙う安倍元首相子飼いの高市経済安保相も外様。初当選は無所属で、自由党や新進党を経て自民に入り込んだ。何かとしぶとい二階元幹事長は出戻り組だ。

 岸田首相は安倍氏の決めゼリフも拝借したのか、「自民党は人材の宝庫」と言っていたものだが、安倍1強にあぐらをかいて生え抜きは小粒ばかり。母屋を取られるのも時間の問題か。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・政局・岸田政権】  2022年10月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田政権】:いきなり4兆円上積み ドンブリ勘定のバラマキ経済対策の狙いと効果 ■最後は国民に付け回し

2022-10-29 06:29:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田政権】:いきなり4兆円上積み ドンブリ勘定のバラマキ経済対策の狙いと効果 ■最後は国民に付け回し

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:いきなり4兆円上積み ドンブリ勘定のバラマキ経済対策の狙いと効果 ■最後は国民に付け回し 

 岸田首相が28日に満を持して発表する総合経済対策。あれよあれよという間にどんどん金額が膨れ上がり、一般会計から歳出される国費で29兆円超という異例の大型対策となった。究極のバラマキである。


※2022年10月28日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

 9月に閣議決定した物価高騰対策は2.6兆円だった。それが10倍以上。自民党の茂木幹事長が24日の講演で「大規模で総合的な対策を策定する。(2.6兆円と)ちょうど1ケタ異なる」と漏らした際にギョッとしたが、26日の自民党の会議で「財務省が示す25兆円じゃ足りない。去年より少ない」との声がさらに噴出。昨年11月の補正予算31兆円超に匹敵する額に近づくよう、同日夜に岸田が鈴木財務相に積み増しを指示したという。で、閣議決定前日の27日、いきなりポンと4兆円が上乗せされた。驚くべきドンブリ勘定。「使い道が決まらなきゃ、予備費に置いておけ」という毎度の手法で増額されたのだった。

 メニューに並ぶのは、新たに導入される電気・都市ガスの価格抑制策。ガソリン価格抑制の補助金も継続する。標準世帯の光熱費・ガソリン代負担を来年の1~9月ごろまでで4万5000円削減するという。出産・子育て支援として、妊娠届と出生届の提出時に計10万円相当を支給。中小企業支援策では、円安の利点を生かして海外展開を目指す1万社を後押し。賃上げ策として学び直し(リスキリング)など「人への投資」に5年間1兆円、などとなっている。

 「結局、量ありき。この20~30年、何も変わりませんね」と言うのは、元経産官僚の古賀茂明氏だ。こう続ける。

 「僕が霞が関で予算を担当していた頃からそうですが、量ありきなので『30兆円積み上げろ』と言われても使い道がない。で、本予算に盛り込もうとしたものの“スジ悪”だからとはじかれた2軍3軍メニューが、補正予算でオンパレードとなるのです。『需給ギャップを埋めるためならドブに捨ててもいい』とやってきて、新しい産業が育つわけでも、ピカピカの企業が登場することもなく、ただのバラマキと本当にドブに捨てるような予算に費やしてきたのがこの30年間でした。それを、未曽有の危機という今の時代に対応することなく、十年一日のごとく繰り返す。あまりにバカげています。一方で、一丁目一番地の『人への投資』は金額が少なすぎる。5年間で1兆円は、昨年度の3年間4000億円をほんの少し増額しただけ。こんなシャビーな額では、職業訓練コースで修了証を出し、講座の提供会社や従業員を訓練に送った会社に補助金を出す程度でおしまいです。産業を革新するようなスキルアップにはなりません」

 ◆いざとなれば解散総選挙。有権者を釣る“まき餌”

 規模ありきだから、財源なんて念頭にない。大半は赤字国債でまかなう。財政法で本来は禁止されている赤字国債だが、毎年の“特例法”が常態化し、「経済対策」の名の下に、財政悪化なんてくそくらえ、とばかりに岸田政権と自民党は完全にマヒしてしまっている。1000兆円に積み上がった借金のツケを払わされるのは国民である。

 黒田日銀に円安容認の金融緩和を続けさせる一方で、円安対策に巨額のバラマキという倒錯。その原資もまた、日銀に国債を引き受けさせることでつくり出す。事実上の「財政ファイナンス」の恒常化だ。そうやって、経済対策の財源を目くらましする間に、悪辣政権が何をしているかといえば、高齢者の負担を増大させる社会保障改悪のオンパレード。つい最近も、65歳以上が負担する介護保険料について、一定以上の所得がある人について保険料の引き上げの検討が始まったと報じられた。さらに、75歳以上が対象の後期高齢者医療についても、厚労省は負担額引き上げの見直しを目指すという。

 「一体、誰のカネだと思っているのか。国民の血税を政府が使わせてもらっているという意識がなさすぎます」

 経済評論家の斎藤満氏は憤りを込めて、こう続ける。

 「財政政策は、富める者から弱者への所得の再配分です。今回の経済対策は、そこから逸脱した税の使い方。使用料に応じた電気代抑制策はまだしも、今年出産する人にだけ10万円というのは不公平です。とにかく予備費に積んでおくというのも本来の財政政策の趣旨から外れています。金額の規模にしても、GDPギャップ(需給ギャップ)の穴埋めはひとつの考え方ですが、だとしても14兆~15兆程度が基準。29兆円はその倍で、経済理論から見ても大きすぎる。当初は『物価高対策をまとめる』と言っていたはずが、いつのまにか『総合経済対策』にすり替わった。おそらく岸田首相の目的が変わったのでしょう。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題などで岸田政権は国会で立ち往生し、ここへきて、寺田総務相の事務所費スキャンダルなども浮上。内閣支持率は30%を割り込む危険水域に低落した。『もう岸田首相じゃダメ』という空気にいつなってもおかしくない。そこで、政権にしがみつきたい岸田首相は、『いざとなれば解散総選挙』とばかりに、経済対策を有権者を釣る“まき餌”にしようと思っているのではないか。そのための大盤振る舞い。選挙に勝利すれば、さまざまな問題をすべてご破算にできますからね」

 ◆自民党内を抑えるための哲学なき身勝手

 支離滅裂の場当たりは支持率急落政権のダッチロールなのか。

 総合経済対策の規模が一夜にして4兆円も増額された舞台裏は醜悪の極みだ。報道によれば、岸田が財務大臣に金額の積み増しを指示したのは、自民党の萩生田政調会長の増額要求があったからだという。

 背景にあるのは、経済・財政政策を巡る自民党内の路線対立だ。萩生田や、今回の経済対策について「30兆円が発射台」と訴えた世耕参院幹事長は、「積極財政」の旗振り役だった安倍元首相の側近。岸田が領袖を務める宏池会は伝統的に「財政再建」を重視しており、萩生田や世耕は「安倍路線」からの転換に警戒感を示す。

 そんな中で、統一教会とズブズブの山際前経済再生相の更迭が後手に回り、首相が国会の本会議場で謝罪するという異例の事態を招いた。総合経済対策がまとまる直前の司令塔交代、その経済対策の補正予算案の国会提出が会期途中にずれ込むなど、岸田の政権運営に対して与党の不満がどんどん膨張している。そこで、与党の増額要求をのむことで、党内の不満を鎮めようとした、というのである。

 だとすると、巨額対策はジリ貧岸田が対有権者、対自民党で反転攻勢するための税金私物化じゃないか。そんなことが許されるのか。

 この先、年末までに「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定がある。政府は来年度の防衛予算を6.5兆円に増額する方針だ。その後も毎年引き上げて、5年後の2027年度には10.8兆円とし、対GDP比2%を達成するという。防衛費だけは「別枠」。それもひとまず赤字国債でまかなわれ、その後は大増税だろう。

 「経済対策は量ありきで積み上げ、同時に防衛費を増額してきた安倍政権と何ひとつ変わっていません。『新しい資本主義』とは何だったのか。政府税調では電気自動車に課税する案が語られ、再生エネルギーよりも原発推進を加速させる。岸田政権には何の哲学もないことがよく分かりました」(古賀茂明氏=前出)

 デタラメ、身勝手、泥縄……。そして最後は国民に付け回しの亡国政治。国民はこのまま唯々諾々と従い続けるのか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・政局・岸田政権】  2022年10月28日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【それでもバカとは戦え・09.10】:自民党は完全に開き直り…この世を去れば生前の行動を検証しなくていいのか

2022-10-29 06:28:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【それでもバカとは戦え・09.10】:自民党は完全に開き直り…この世を去れば生前の行動を検証しなくていいのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え・09.10】:自民党は完全に開き直り…この世を去れば生前の行動を検証しなくていいのか

 反社・反日カルトである統一教会と接点があった自民党の国会議員が少なくとも146人に上ることが共同通信のまとめで分かった(9月3日)。これは党所属国会議員381人の38%に当たる。取材に応じていない議員も多く、さらに増える可能性があるとのこと。派閥別では安倍派が39人で最も多い。

<picture>安倍元首相の通夜に一般人向けに用意された献花台(C)日刊ゲンダイ</picture>

  安倍元首相の通夜に一般人向けに用意された献花台(C)日刊ゲンダイ

 安倍晋三礼賛ビジネスで飯を食っていた自称保守系乞食ライターの類いは大忙し。安倍と教団の関係を隠蔽するために、「政治とカルト」の問題を「政治と宗教」「信仰の自由」の問題にすり替えたり、門田隆将のように“安倍は統一教会の天敵だった”みたいな妄想を膨らませたり。これまで次々と与太話や陰謀論がでっちあげられてきたが、ことごとく失敗した。

 岸田文雄も追い詰められたのか、統一教会との関係を断つことを自民党の基本方針にすることを表明(8月31日)。もっとも、こんなポーズにだまされるバカはいないだろう。内閣改造では萩生田光一ら教団との深いつながりが指摘される議員を重用。立憲民主党による第三者機関設置の打診も拒否。さらに岸田は「安倍元総理がどのような関係を持っていたのかについては、本人が亡くなられた今、十分に把握することには限界がある」と発言。臭いものには蓋をしておしまいか。ヒトラーは死んだがそれを理由に生前の行動の検証をしなくていいのか。要するに岸田は完全に開き直ったわけだ。

 幹事長の茂木敏充は「今後、旧統一教会および関連団体とは一切関係を持たない」、厚労相の加藤勝信は「どこまで旧統一教会だと意識していたかは定かではないが、今後はそうした対応は行わない」、安倍の政務秘書官で統一教会の賛同会員だった井上義行は「今後は党の方針に従って、一切の関係を断ちます」、萩生田は「今後関係はもたずに政治活動をやっていきたい」、統一教会のイベントに参加していた経済再生担当相の山際大志郎は「今後は一切関係を持たないように、慎重に行動していく」。

 連中は判を押したかのように、「今後は」と繰り返すが、だまされてはいけない。「今後も教団とつきあう議員」が問題なのは当たり前の話。今問題になっているのは、「これまで教団とつきあってきた議員」と自民党の倫理観なのである。

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 ※重版決定! 書籍「それでもバカとは戦え」講談社から絶賛発売中

 適菜収

著者のコラム一覧
 ■適菜収 作家

 近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2022年09月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ここがおかしい 小林節が斬る!・10.20】:岸田首相が靖国神社に“真榊奉納”…憲法原則である「政教分離」を理解していない

2022-10-29 06:27:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【ここがおかしい 小林節が斬る!・10.20】:岸田首相が靖国神社に“真榊奉納”…憲法原則である「政教分離」を理解していない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!・10.20】:岸田首相が靖国神社に“真榊奉納”…憲法原則である「政教分離」を理解していない

 靖国神社が明治維新以来、第2次大戦に至るまで、国に殉じた者を祀る神社であることは、歴史的事実である。各国でそれぞれ国に殉じた者を追悼する方法は異なり、それを他国が批判することは要らぬ話である。

 しかし、敗戦の反省の下に制定された日本国憲法の下で暮らす現代の私たちは、憲法が改正されない限り現憲法に従う義務がある。 

<picture>小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ</picture>

  小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

 「政教分離」とは、要するに諸宗派の中で特定のものを公権力が優遇or弾圧してはならない……という憲法原則である。アメリカの憲政史の中で磨きあげられて、1947年に日本にも導入された。

 それは、全ての宗教が「人格の向上と世界平和」を説きながら、結局、少数派の人権弾圧と戦争の原因になってきた歴史的事実を直視して、特定宗派と国家権力の癒着を禁止する……という結論に至ったものである。それが、思想・良心の自由、表現の自由ひいては民主政治を支えている。

 もちろん、国に殉じた先人に感謝して平和を誓うことは正しい。

 しかし、だからといって、そのために現に権力を預かる者が、「内閣総理大臣」という肩書を付けて特定宗派の儀式である「真榊奉納」をしてしまっては、特定の神社を「日本国公認」の殉難者追悼施設だと認めた証しになり、露骨な政教分離違反である。まして、その人物が首相でない時には行わなかったその宗教儀礼を首相になった時にだけ行うのでは、なおさらである。

 この点について、かつて、小泉純一郎首相(当時)が良いことを言った。「私にも信教の自由がある」。つまり、首相(公人)の地位にある者にも個人(私人)としての信教の自由が憲法で保障されている。だから、8月15日の終戦記念日や春秋の例大祭の折に、堂々と個人として参拝することで「追悼の誠」を捧げることはできるし、すべきだろう。

 その際に注意することは、ただひとつ。「内閣総理大臣」という「公人」としての肩書を記帳せずに、玉串料、真榊代を公費から支出しない、それだけのことである。

 こうして、たったひとつの節度を守れば憲法問題は解消するはずである。

 

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小林節

◆小林節 慶応大名誉教授

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2022年10月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ここがおかしい 小林節が斬る!・09.18】:「葬式は静かに送る礼節を」という誤解 国葬=国の追悼式に反対なのだ

2022-10-29 06:27:20 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【ここがおかしい 小林節が斬る!・09.18】:「葬式は静かに送る礼節を」という誤解 国葬=国の追悼式に反対なのだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!・09.18】:「葬式は静かに送る礼節を」という誤解 国葬=国の追悼式に反対なのだ

 「安倍国葬」の是非の論争に憲法学者として、やむを得ず参加してきたが、最近、「他者の葬式くらい静かに見送るのが礼節ではないか」という批判に何回か遭遇した。

 しかし、それは誤解か筋違いである。

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 安倍元首相が7月8日に奈良県内で応援演説中に暗殺された4日後の12日に、故・安倍晋三氏の葬式は東京・芝の増上寺(徳川家の菩提所)で盛大に執り行われた。その際には、報道で知る限りだが、日本国民は安倍政治に対する賛否にかかわらず、皆、静かに見送った。私自身もそうである。 

<picture>小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ</picture>

  小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

 その後、国論を二分する騒ぎになったのは、7月14日に岸田首相が「国葬」を今秋に行うと表明してからである。

 「国葬」とは、日本国が主催する最上位の「追悼式」で、歴史的にもめったにあることではない。国の意思により、国の経費負担で行う「国の公式行事」である。

 国の行事である以上、主権者国民の直接代表で「国権の最高機関」(憲法41条)である国会の意思表示(法律か決議)と、日本国の財政処分権を有する(憲法83条)国会の承認が不可欠なはずである。

 にもかかわらず、岸田政権は、なぜか頑なに国会審議を回避して、閣議決定だけで国葬を強行しようとしている。そこに主権者国民の世論が反発して、「安倍国葬」に反対する政治運動が盛り上がってしまったのである。

 言うまでもないことではあるが、政権側が頑として理解を拒むので改めて言っておくが、国葬という公的行事には法的条件と政治的条件が必要である。法的には国会の意思の証し(法律か決議)が不可欠である。さらに、政治的にはその故人を国葬で遇することについての国民的合意の存在である。これらがないのに、国としてしめやかに故人を追悼する空気は醸成されようもない。

 今回、岸田政権は、なぜか法的条件を回避しようとした結果、政治的条件まで自ら壊してしまった。愚かとしか言いようがない。これでは故・安倍元首相に対して失礼であろう。今、主権者国民の多数は安倍氏の葬式に反対しているのではない。私たちは「国事」としての国葬に反対しているだけである。 

 

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小林節

◆小林節 慶応大名誉教授

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2022年09月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ここがおかしい 小林節が斬る!・09.15】:天皇の大喪と元首相の国葬は別格で当然だ「安倍国葬」には法的根拠がない

2022-10-29 06:27:10 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【ここがおかしい 小林節が斬る!・09.15】:天皇の大喪と元首相の国葬は別格で当然だ「安倍国葬」には法的根拠がない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!・09.15】:天皇の大喪と元首相の国葬は別格で当然だ「安倍国葬」には法的根拠がない

 木原誠二官房副長官が、報道番組の中で、「憲法7条で『国事行為』と位置づけられている『天皇の大喪の礼』と『元首相の国葬』は同列ではない」旨の見解を開陳した。

 これは当たり前な話である。まず、「天皇」と「首相」が憲法上、同列でないことなど誰でも知っている。だから、天皇の追悼(大喪)は憲法上の国事行為とされ、皇室典範(という法律の)25条にきちんと規定されている。これは、紛れもなく国が行う追悼式で、そういう意味で「国葬」の一種である。

 その点で、天皇よりいわば「格下」の元首相を国葬で追悼しようとする場合、大日本帝国憲法の下では「国葬令」という勅令(つまり天皇の大権に基づく立法)が存在した。しかし、国民主権国家に変わった日本国憲法の下で勅令は失効し「国葬」の法的根拠の一般法は存在しない。今回の「安倍国葬」について批判が絶えない理由の第一が、この法律上の根拠がない点である。

 それに対して、岸田政権は、例えば皇室典範25条で根拠づけられた大喪を内閣が担当して実施することを定めた「手続法」にすぎない内閣府設置法4条3項33号が安倍国葬の「根拠法」だと強弁するから、批判が絶えないのである。

 それに答えることなく、「天皇の国葬と元首相の国葬は別格である」などと当然なことを言われても、それは、単なる論点逸らしで、問題に対する回答になっていない。

 木原副長官は、まるで、「元首相の国葬は、天皇の大喪と違って格が低いから、根拠法など要らず、単に閣議決定で行える」と言っているように聞こえる。しかし、岸田首相は、「史上最長の政権で、その外交的遺産を受けつぎ、民主主義を守るための」国葬であると意義づけている。それは、天皇の大喪と比べて格が低いという形式よりも、実質的に、歴史的に異例に格が高いから異例な国葬に遇したいと言っているわけである。だからこそ、「国権の最高機関」(憲法41条)である国会の意思表示が不可欠なのである。

 それを閣議決定だけで強行するなら、単に内閣葬としか呼びようがない。

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小林節

◆小林節 慶応大名誉教授

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2022年09月15日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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